【ライブレポート】あらゆるルールをぶち壊すエネルギーに満ちたMAN WITH A MISSION、ライブバンドとしての本物の力
◆MAN WITH A MISSION 画像
Jean-Ken Johnny(G, Vo, Rap)のアジテーションに、オーディエンスはもちろん臨戦態勢ばっちりだ。MAN WITH A MISSIONのライブツアー<MASH UP THE WORLD TOUR>の中盤戦、立錐の余地いっさい無しの超満員御礼で開催された、11月24日(土)Zepp DiverCity。オオカミの毛皮仕様の手袋を装着して歓声を送るコスプレイヤー(笑)も目を引くフロアは、ダイヴァーが転がっていき、かと思えば筆者がいた2階席では、お父さん&お母さんに笑顔で見守られている3~4歳くらいの女の子が爆音の中で大盛り上がり。老若男女がのべつまくなし、誰もが笑顔で、全身で喜びを表現している一体感豊かな光景は痛快極まりない。
そして、その一体感のクライマックスは、何と言ってもこのシーン……。『2013年5月6日(月・祝)・日本武道館!!!』。スクリーンに映し出されたオオカミ達の晴れ舞台がついに決定の報せに、冗談でも何でもなく、鼓膜が破れるんじゃないかと思うほどの大、大、大歓声が渦を巻く。
2月にニューシングル「Emotions」をリリースし、<MAN WITH A MISSION TOUR 2013~あなたの街に19ヨツアー 完全版~>と題して、オオカミ達がまだ訪れた事の無い町でライブを展開していくツアーも敢行するMAN WITH A MISSIONの2013年は、これまで以上に熱い盛り上がりになること間違いなしだ。
そんな大発表も飛び出したZepp DiverCity公演を含む、今回の<MASH UP THE WORLD TOUR>。9月29日(土)にニューヨークのライブハウス「Vibe Lounge」で幕を開けアメリカツアーを敢行するワールドワイドなツアーにして、日本では各地にLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS、FUNKIST、そしてこの日ステージをともにしたSiM、さらに雅-MIYAVI-、AA=、HEY-SMITHの猛者達を対バンに迎えるという、規模&質ともに大充実のツアーを展開するまでになったオオカミ達の2012年の勢いはじつに凄まじい。
メジャー1stシングル「distance」をリリースし、<DON’T FEEL THE DISTANCE~8カ所だョ!全員集合 ONE MAN TOUR~>は全公演ソールドアウトを達成。<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012>を始めとするフェスにも昨年以上に登場して各地を熱狂させたかと思えば、経済産業省が主導する世界最大規模の統合的コンテンツフェスティバル<コ・フェスタ(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)>のグランドセレモニーに招かれ、さらにはあの枝野幸男経済産業大臣との対面&固い握手が実現! オオカミ達の地球侵攻は、ついに国家の中枢レベルまで到達してしまった(笑)。
という、いまやロックシーンの枠を超えた様々なフィールドから熱い視線を浴びるまでになったMAN WITH A MISSION。その注目の要因は、顔がオオカミ/身体が人間という人の目を惹くビジュアルを含めた、メンバーのキャラクターの個性豊かさによるものも大きいだろうとは想像しつつ……。それよりも何よりも、音楽だ。彼らの鳴らす音が聴き手を問答無用に興奮、感動させる代物だからこそ万国共通でこれだけの熱狂が集まるはずと断言しても、彼らの音源とライブに一度でも触れたことのある人ならば誰もが頷いてくれるだろう。
2ndフルアルバム『MASH UP THE WORLD』の収録曲を中心に据え、インディーズ時代の作品なども交えてバリエーション豊かに展開した、この日のZepp DiverCityライブ。そこで表現されていたのは、『MASH UP THE WORLD』のオープニングナンバー「Mash UP the DJ!」ではないが、様々な要素を“マッシュアップ”させて自身のオリジナル・スタイルを生み出す音楽的IQの高さ。ラウドロック、ミクスチャー、メロディックパンク、ヒップホップ、ダンスミュージック、etc……。彼らの作品からうかがえるのは、2000年代以降の世界のシーンに刺激を与えている刺激的な音楽のエッセンスであり、そのトガッたセンスにキャッチーさやポップさを共存させる巧みなワザが、ジャンルの壁を取っ払って様々な層のリスナーを惹きつける大きな理由だと思う。
そのスタイルをまさに象徴するような1曲だったのが、例えば「FLY AGAIN」。その爆音はフロアにダイヴァーを続出させる威力でありながら、DJ Santa Monica(DJ)の彩り豊かなサウンド・エフェクト、Tokyo Tanaka(Vo)とJean-Ken Johnnyのツイン編成によるボーカルワークがそこへ加わると、アグレッシブだけれど思わずメロディを口ずさみたくなるキャッチーさが生まれる。この日のライブで大盛り上がりになったのはもちろん、JUN SKY WALKER(S)やthe GazettEなどと共演した夏フェス<a-nation musicweek Charge ? Go! ウイダーinゼリー~BAND NATION~>でも、まさにジャンルレスなオーディエンスにサビを大合唱、両手を頭上にV字に上げまくらせる振り付けで代々木第一体育館を埋め尽くさせたシーンが個人的にはとても印象深い。
他にも、タイトルの遊び心も楽しい「ワビ・サビ・ワサビ」は、和装の琴&尺八奏者の生演奏とのコラボレーションという和洋折衷スタイルが意外性たっぷり。かと思えば、レーザー光線と4つ打ちのビートが鮮やかにシンクロした「Bubble of Life」は、エレクトロ・ロックか、はたまたスペース・ロックかといった雰囲気のダンサブルなロックナンバー。ダンサブルといえば、「DANCE EVERYBODY」はタイトルそのものずばり、高速ビートとTokyo Tanaka&Jean-Ken Johnnyのリズミカルなコーラスがオーディエンスを踊りに踊らせる。サウンド・アプローチは多彩に幅を広げながら、それをあくまでも自分達の世界観に引き込んで違和感なく見せられるのは、当たり前のようでじつに難しい。それを彼らがやれているのは、“イロモノ”的なキャラクターの皮を被った正真正銘のミュージシャンシップのたまものだ。
「ニッポンカクチ、ハタマタ、シアワセナコトニ、カイガイモイカセテイタダクコトニナリマシタガ、ワレワレガカエルベキトコロハ、イツダッテコノステージジョウダトオモッテイマス。ミナサマカライタダイテイルチカラハ、ハカリシレナイモノデ、ホントウニ、ドノカイジョウニイッテモ……。ヒビ、ミナサンノチカラトイウモノヲ、ヒシヒシト、アツクカンジテオリマス。ホントウニアリガトウゴザイマス!」
メンバーとともにタオルを誇らしげに掲げ、“MAN WITH A MISSION”のバンド名でフロア一面を埋め尽くしたオーディエンスへの感謝をJean-Ken Johnnyはあらためて告げる。
当初は正直“イロモノ”と見ていた人々も多かったに違いないオオカミ達は、ついに日本武道館にまでその音楽の輪を拡げることになった。ぶっちゃけ、世間的にはまだまだ“イロモノ”的に見ている人はいるはずだけれど、そういう方々はぜひ一度彼らのステージを見て欲しい。そうすれば、興奮、迫力、キャッチーなセンス、胸を貫くエモーショナルなメロディ、etc……様々な魅力を持つ音楽を生のステージで伝えてファンの心を掴んできた彼らの“ライブバンド”としての力が本物だと、きっと分かってもらえるはずだから。
「キョウイチノ! ハジケップリミセテクレ! イケルノカコノヤローッ! ルールナンテモノハカンケーネーッ!」
そう! MAN WITH A MISSIONの音楽は、まさにJean-Ken Johnnyが咆えた叫びの通り。ジャンル、スタイル、ビジュアル、国籍……あらゆるルールをぶち壊す、「NEVER FXXKIN’ MIND THE RULES」の曲名さながらのエネルギーを、来るべき武道館の大舞台でもめいっぱい体感したい。
取材・文●道明利友
<MAN WITH A MISSION TOUR 2013~あなたの街に19ヨツアー 完全版 FINAL~>
2013/5/6(月・祝) 日本武道館
OPEN/17:00 START/18:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
チケット料金:前売 ¥4,500(消費税込) 当日 ¥5,000(消費税込) ※未就学児童入場不可
先行予約:
・MASH UP THE WORLD TOUR来場者先行予約:2012年11月25日(日) 0:00~2012年12月12日(水)
23:59 イープラス内特設HPにて
・HP先行予約:2012年12月15日(土)~2012年12月24日(月・祝) イープラス内特設HPにて
・各媒体/イベンター会報/各プレイガイド先行予約先行予約:2012年12月25日(火)より
・2013年2月Sg封入先行予約:2013年2月封入チラシ
・一般発売日:2013年3月2日(土)
企画 / 制作:FROM YOUTH TO DEATH RECORDS / LIFE
後援:CROWN STONES / CROWN RECORDS
◆MAN WITH A MISSIONオフィシャル・サイト
◆MAN WITH A MISSION MySpace
◆日本クラウン
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