【ライブレポート】UVERworld、「のほほんと通り過ぎる音楽であってたまるか!」初アリーナツアーで見せるロックバンドとしての決意

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11月10日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館にて、UVERworldにとって初のアリーナツアーがスタートした。

◆<UVERworld 2012 アリーナツアー>画像

ステージには中央の花道と、真太郎(Dr)がライブ中のMCで「やりすぎちゃうか?(笑)」と自らツッこむほどの巨大セットが組まれ、壮麗な映像とライトの競演もまさにアリーナ級のスケールの大きさ。

だが本当にスケールの大きさを見せつけたのはUVERworldの音楽そのもので、5人は筋金入りのヘヴィロック+ミクスチャーバンドとしての本能をむき出しに、ライブは1曲目からすさまじい盛り上がりを見せる。

「気持ちいい! みんなも気持ちいい? ウソでしょ、まだ5曲しかやってないよ。前戯みたいなもんだよ」

真太郎が得意のきわどいMCで会場を湧かせたあと、TAKUYA∞(Vo)が引き継いで叫ぶ。

「ここがUVERworldの新曲を唯一聴ける特別な空間だ。代々木第一、腹から声出せ!」

そう、今回のツアーの大きなテーマは“新曲をやること”で、今年シングルとしてリリースされている「7th Trigger」や「THE OVER」収録曲に加え、11月28日リリースのニューアルバム『THE ONE』からの楽曲がどんどん披露されてゆくのだ。詳しいセットリストはまだここでは明かせないが、新曲に過去の代表曲を組み合わせることで、未知の刺激と約束された興奮が鮮やかに交錯する。とにかく構成がスピーディーで小気味よく、ツアー初日とはとても思えないほどライブの完成度の高さは圧倒的だ。

途中のMCで、TAKUYA∞が日課にしているランニングの話をした。5ヵ月前のツアーファイナルから今日までの間に「970キロ走った」が、途中で足を痛めたものの走り続けているうちに自然に治り、「普通に走れることの喜びを感じたんだ」とTAKUYA∞。そこからアルバム作りの苦労に触れ、「音楽を作る喜び」の前には苦労なんか感じないんだと話を結ぶ。ストイックなTAKUYA∞らしい語りに、静かに耳を傾けていたオーディエンスが大きな拍手を送る。

おなじみの曲で幕を開けた後半も、バンド一丸となったアグレッシヴな演奏が続く。彰(G)と克哉(G)があまり動かずにどっしりと構えてプレイするのは、そうしないと弾けないほどUVERworldの楽曲が速く激しく難度の高いものだから。

UVERworldがポップでカラフルなロックバンドだという先入観を持っている人は、まだいるんだろうか? 彼らの音はヘヴィロック、ファンク、ラップ、メロコアなどを消化したスリリングなサウンドに乗せ、己の生き様を問う熱いメッセージを高く掲げた骨太なものだ。メンバーの力量は確かで、克哉は曲によってアコギを弾き、信人(B)はエレキのほかにアップライト・ベースも弾く。真太郎にも特別な見せ場があるが、それは見てのお楽しみということにしておこう。

「本気と本気がぶつかりあう、それがライブだろ? のほほんと通り過ぎる音楽であってたまるか!」

たぶんとっさのアドリブだろう、ある曲中で叫んだTAKUYA∞のセリフに、UVERworldの音と向き合うシリアスな姿勢が垣間見える。かと思えば、動きすぎてズボンの股下が破れて穴があいたことをネタにして、「本気の証拠だよ!」と笑い飛ばす。

走り、跳び、歌う、MCも含めたTAKUYA∞の当意即妙のパフォーマンスが冴え渡り、気がつけばあっという間にライブはあと1曲。現在のUVERworldを表現するのに最もふさわしいであろうその曲を、アッパーな曲調にも関わらずオーディエンスはみんな動かずに聴き入っている。

通常ならば、ここでライブは終わる予定だった。UVERworldは基本的にアンコールをやらないからだ。だがこの日は、鳴り止まないアンコールの拍手と歓声に応えて5人が再び登場し、予定外の1曲をやってくれた。

「オレの持ってるもの、全部くれてやるよ! 持ってけよ!」と叫びながら、最後の力を振り絞って歌うTAKUYA∞。すべてが終わって灯がつき、手を上げて応える5人に大歓声が降り注ぐ。

「今オレたちが一番熱いと思っている曲を聴いてもらいました。ありがとう。また会いましょう!」

この日と翌日の国立代々木競技場第一体育館公演2DAYSを終えると、次のライブはアルバムリリース後の12月。いち早く未発表の新曲を堪能できたオーディエンスはラッキーだった。だが今後のライブにも、その日だけにしかない新しい驚きと発見が必ずあることを保証しよう。進化し続けるバンド、UVERworldの存在証明は、ライブにこそあるのだから。その最高到達点を日々更新しながら、今日もまたバンドは未来へ向けて加速している。

取材・文●宮本英夫

7th ALBUM
『THE ONE』
2012年11月28日発売
【初回生産限定盤】CD+DVD
¥3,700(tax in)
特製三方背BOX仕様&スペシャルブックレット付き
・初回生産限定盤DVD内容
ミュージックビデオ
(LIVE at Avaco Studio)
【CORE PRIDE,いつか必ず死ぬことを忘れるな,NO.1~ace of ace,一石を投じる Tokyo midnight sun】
KINJITO~BABY BORN & GO
7th Trigger~AWAYOKUBA-斬る
THE OVER、THE SONG UVERworld×digital hollywood 企画作品3作

【通常盤】CDのみ
¥3,059(tax in)
[CD]
1.THE ONE(SE)
2.7th Trigger
3.Don't Think.Feel
4.LIMITLESS
5.23ワード
6.此処から
7.KINJITO(LIVE intro ver.)
8.THE OVER
9.REVERSI【「青の祓魔師」劇場版主題歌】
10.バーベル~皇帝の新しい服 album ver~
11.BABY BORN & GO
12.AWAYOKUBA-斬る(LIVE intro ver.)
13.NOWHERE boy

<UVERworld 2012 アリーナツアー>
2012年11月10日(土)東京都 国立代々木競技場第一体育館
2012年11月11日(日)東京都 国立代々木競技場第一体育館
2012年12月1日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
2012年12月8日(土)愛知県 日本ガイシホール
2012年12月9日(日)愛知県 日本ガイシホール
2012年12月15日(土)兵庫県 神戸ワールド記念ホール
2012年12月16日(日)兵庫県 神戸ワールド記念ホール
2012年12月22日(土) 福岡県 福岡国際センター

<ARENA TOUR 2012 Warm-Up Gig>
2012年11月5日(月)東京都 渋谷eggman(ファンクラブ会員限定LIVE)
2012年11月8日(木)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE(ファンクラブ会員限定LIVE)
2012年11月24日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
2012年11月26日(月)高知県 高知BAY5 SQUARE

『青の祓魔師』劇場版
2012年12月28日(金)公開
配給:東宝
特典付き劇場前売券も好評発売中
オフィシャルサイト:http://www.ao-ex.com/

UVERworldオフィシャルサイト
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