摩天楼オペラ、歓喜のクワイアを大都会の夜に響き渡らせる

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“喝采と激情のグロリア”をテーマに掲げた、新たな創作活動へと挑んでいる摩天楼オペラが、11月3日の夜、東京・タワーレコード新宿店の屋上特設ステージにてスペシャル・ライヴを行った。

◆摩天楼オペラ@東京・タワーレコード新宿店の屋上特設ステージ~拡大画像~

予報では今シーズン一番の寒さ。しかし、メンバーがステージに登場し、すぐさま「Psychic Paradise」が始まるやいなや、客席フロアにはフィスト/ヘッドバンギングの波が生まれ、自然に熱を帯びていった。

苑(vo)は「新宿の空に俺たちの声が響いているよ!」と投げかけると、12月5日にリリースを控えた「Innovational Symphonia」を早くもコール。本邦初公開の瞬間である。オーディエンスは一様に聴き入っているが、アップ・テンポなリズムに身体を委ねていく様子も。荘厳であると同時に、実演での即効性も兼ね備えた、彼らの新章をさらに押し進めるマテリアルであることが伝わってくる。

ストーリーとして綴られているのは“栄光に到達するまでの困難な道のり”だが、続いて演奏されたのが「落とし穴のそこはこんな世界」「AGE」だったのも興味深い。共にメジャーでの1stアルバム『Justice』(2012年3月)に収録された、すでに定番的な楽曲ではあるが、根底にある世界観にはいかなるつながりがあるのか、そんな想像も掻き立てられたはずだ。

そして、「今日は寒い中、集まってくれたみんなに、もう1曲プレゼントしようかな。こういう星空の下で歌えることはなかなかないから」(苑)と披露されたのは、インディーズ期最後の渋谷AX公演(2010年8月)以来となる「眠れる夜」。「当時の思い入れが詰まった曲」(苑)だが、このタイミングだからこそ、歌詞に用いられている言葉の数々が、より重厚な意味合いを増すようにも思える。

ここからは一気呵成にエンディングへと向かう。新宿の街を歩く人たちにも届かせようと煽りながら、まずは「CAMEL」と「Adult Children」を連続させると、オーディエンスは激しいリアクションを返していく。メンバーもかなり熱くなっている様子が表情や動きからわかる。その残響の中で「ラストいこうか! 新宿の夜に響かせろ!」と、現時点での最新シングル曲「GLORIA」がスタート。数日前に同作を引っ提げた全国ツアー<GLORIA TOUR -scene I->を終えたばかりということもあって、盛り上がりは凄まじい。結成以来の宿願だった大合唱を湛えた、彼ら流のメロディック・パワー/スピード・メタル曲。摩天楼オペラの歴史的アンセムとなっていきそうな勢いがここにはある。

40分超という短いセットゆえ、ライヴ自体は渇望感を残したまま終わった印象だが、“喝采と激情のグロリア”の正体が、朧気ながらにも、より具体的に提示された貴重なパフォーマンスだったことは間違いないだろう。「Innovational Symphonia」はもちろん、来年3月に発表されるフル・アルバムにも大いに注目したい。

取材・文●土屋京輔

<セットリスト:2012年11月3日=TOWER RECORDS新宿店 屋上イベントスペース>
1. Psychic Paradise
2. Innovational Symphonia
3. 落とし穴の底はこんな世界
4. AGE
5. 眠れる夜
6. CAMEL
7. Adult Children
8. GLORIA

<GLORIA TOUR -scene II->
2013年1月16日(水) UMEDA CLUB QUATTRO
2013年1月17日(木) NAGOYA CLUB QUATTRO
2013年1月27日(日) Shibuya O-EAST
一般発売日 2012/12/8(土)

<GLORIA TOUR -GRAND FINALE->
2013年6月8日(土) Zepp Tokyo
一般発売日 2013/4/27(土)

Major 2nd Full Album『喝采と激情のグロリア』
2013年3月 Release決定

摩天楼オペラ『Innovational Symphonia』
12月5日発売
KICM-1420 \1,260 (tax in)
1.Innovational Symphonia
2.あの日のままの世界線に向かって
3.Freesia
4.RUSH!

◆摩天楼オペラ オフィシャルサイト
◆摩天楼オペラ キングレコード レーベルサイト
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