なついろ【特集】『あの夏色の空へと続く』楽しさと爽やかさと切なさが同居するさまざまな“夏”を描いた作品集が完成

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1stアルバム『あの夏色の空へと続く』

「exotic Love ~君の過去も全部抱きしめたい~」PV映像



――アルバム『あの夏色の空へと続く』が完成しましたね。なついろのアルバムだけど、リリースは秋で、一曲目の「exotic Love~君の過去も全部抱きしめたい~」のイントロから夏を思い出せる作品ですね。

森川七月(以下、森川):イントロのビート感から夏ですもんね。

――歌詞の内容も夏ですし、ミュージックビデオも三人で車に乗って海岸線を走ったり、すごく楽しそうでしたね。

森川:楽しかったですよ。ミニクーパーを運転しました。車で海沿いを走るシーンも楽しかったんですが、最後に夕暮れのシーンが映ってるんですよ。それがちょうどゴールデンアワーで。カメラマンさんも監督さんも、「こんなにいい日はないよ」って、大急ぎで撮ったんです。大きい太陽が水平線に沈んでいくと、海面に映った太陽の光がこっちに向って道のように伸びてくる。それをゴールデンアワーって言うらしいんですけど、そんな状況で三人で撮影できて。PVのコンセプトは、失恋して、みんな彼氏もいないし、女三人で旅行行こうよっていう感じ。車で海に行って、ちょっと遊ぶという内容なんですが、演じているわけでもなく、三人でめちゃくちゃ楽しみました。

――曲は「押し倒してKissしたい」って、かなり情熱的な内容ですが、このひと夏の恋が終わったその後って感じですよね。

森川:まさにそんな感じ!

――「押し倒してKissしたい」って、女性はなかなか言わない言葉ですが、意外と心の中で思ってるのかもしれないなと。

山崎好詩未(以下、山崎):そうですよね。秘めた熱い想いってあるんじゃないかなと思います。

森川:女性は綺麗でいたいし綺麗に見られたいし、可愛い女でいたいから言わないけど、実際はすごいことを思っている人もたまにいるじゃないですかね。私自身、「押し倒してKissしたい」って万が一思っていたとしても絶対に言わないですよ(笑)。これって言われても男性はリアクションに困ると思うんです。そんな時は、その言葉をこの激しいビートとリズムやサウンドに乗せて、「押し倒してKissしたい」って歌ったらいいんじゃないかと。

――女子、拍手喝采ですよ。

森川:ねぇ! Kissしようぜ!押し倒そうぜ!ってなるかもしれない(笑)。

山崎:聴いている人が色んな想像をしてイメージしてくれるのは作詞家として嬉しいです。この曲を初めて聴いた時に、すごく勢いのある曲だったので、そのノリを崩さないように、言葉の節々に勢いとか歯切れのいいフレーズを感じてもらいたいと思って、「真夏の記憶 切り裂いた」とかスパッとした言葉を入れたりしたんです。例外もあるんですけど、私は毎回、作品ごとにテーマと主人公を決めるんです。

――ドラマみたいですね。

山崎:そうですね。小説のようでもあり、そういう背景とかを想像してもらうのはもちろんいいし、ストレートに伝わるものもありますし、いろんな風に歌詞を楽しんでもらえたら嬉しいですね。この曲に関しては、主人公はずっと一人の人を好きなんです。恋をしてつきあったんだけど、夏が終わるとともに振られてしまったっていうところから始まって、夏の恋を振り返ったりとか、切なかったなぁとか、まだ好きだなぁとか、そういう熱い想いを書いています。

――「奴(アイツ)の嘘も飲みほした」っていうところで一瞬オケがなくなりますよね。そういうサウンドからもストーリーの起承転結も感じますね。夏を題材にすると、そういうドラマティックな歌詞が書きやすいんじゃないですか?

山崎:そうですね。夏をコンセプトにするという意味では、聴いている人にもイメージしてもらいやすいですし、想像が掻き立てられるかもしないですね。夏をコンセプトにして良かったです。

――アルバム自体のコンセプトは「夏」はありつつ、ほかに考えていたことは?

森川:こう見えて私たちは女の子じゃないですか(笑)。私が作詞した「always be my baby」や最後の「Girls Song!!!」なんかもそうなんですが、女の子の気持ち、自分の想いを入れるような曲が多かったんです。好詩未ちゃんが作詞した曲もたくさんあるし、(北川)加奈ちゃんが作曲した曲もあったりして、そういうところでは自分たちの思いを込められた曲がすごく多いんですよね。

――女の子の気持ちっていう部分でもすごく広がりがありますよね。

森川:そうなんです。だからアルバム自体がすごく広がった。だから、もっともっと広げたい欲も出たんです。夏と言っても、いろんな夏があるし、女の子の気持ちだってそう。なついろというユニットに希望みたいなものが見えましたね。

――北川さんは「Rain~雨音の調べ~」の作曲にあたって、どんなイメージで作ったんですか?

北川加奈(以下、北川):なついろと言えば七月ちゃんのハイトーン・ボイスだったり爽やかな曲調っていうのが多いと思うんです。でも、この曲では、七月ちゃんの低音の声を生かした曲ができないかなぁと思って。

――森川さんの低音ボイスはカッコいいイメージになりますものね。この曲はまさにそのカッコいい森川さんの声が堪能できる!

北川:そうなんです。そこ! 七月ちゃんの低音をふんだんに聴かせたかった。作っているときも夏をイメージしたというよりかは、七月ちゃんの声を想像しながら、こういうメロディを唄ったらどうかなとか考えて作っていったんです。そこに好詩未ちゃんの歌詞ができ上がってきて、七月ちゃんに歌ってもらったときに、ちょっと暗いメロディの中に力強さと先の希望も見えるような内容になってて。暗いだけじゃなく、希望もある曲に仕上がったんじゃないかなと思っています。

――暗いメロディだけど、ブリッジでパッヘルベルのカノンのようなニュアンスがあったり、そこもすごく綺麗な曲ですよね。

北川:アレンジができ上がったときに、チェロとかチェンバロとかクラシックの音色が入っていたりして個性的な曲になりましたね。男の人はもちろん七月ちゃんの声は好きだと思うんですけど、女性も惚れるような感じになってますし。この曲の次の「夜に抱かれて」もさらに惚れちゃう。

――わかります。森川さんはジャズシンガーとしても活動しているから、こういうジャジーな楽曲は本当にハマリますね。アドリブもカッコいい。

森川:この「夜の抱かれて」は加奈ちゃんのイチ押しなんです。アルバムに入れると聞いたときに「大丈夫かなぁ?」と思ったんですよ。この曲だけ飛び抜けてほかと全然違う曲調なので。どうやってなついろ色を出したらいいのか悩んだんですが、曲がすごくカッコいいし、それに歌詞が入って、どうにかして唄いたいと。私も気合を入れて唄ってミックスしてもらったら、意外となついろのサウンドの中にも馴染んで。夜の雰囲気だったり、セクシーな感じも見えたりするんですが、これはいい!と。

山崎:アルバムの中で、なっちゃん(七月)が唄っているイメージが一番想像できる曲なんです。次にそう思ったのが「Rain~雨音の調べ~」なんですけど。艶っぽい感じとか切ない感じとか、グッとくる感じの曲調がなっちゃんの声に合う。

――それで言えば、「if」も合うと思いました。転調していく感じとか。アルバムの中で、色んな森川さんの声の魅力が詰まっていますよね。

北川:そう! そこはぜひ楽しんでほしいところですね!

――アルバムもできたことですし、ライヴの準備もしているんですか?

森川:はい。CDで聴いてもらう曲とはグルーヴ感も違うと思いますよ。

――「Girls Song!!!!」はサビは三人で唄うから、ライヴでも盛り上がりそう。

森川:はい。いつかダンサーを呼んで大勢で歌いたいんですよね。ライヴももっと色んな場所でできるようになりたいです。

山崎:ライヴでも、なついろの曲をいろんな人に聞いてもらいですね。

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