Muddy Apes、“好き勝手にロックをやりたい”ワイルドなサウンドを叩きつける『Crush It』大特集

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Mussy Apes 1st Album『Crush It』2012.9.5 リリース “好き勝手にロックをやりたい”日米の精鋭たちが一堂に会しワイルドなサウンドを叩きつける

――ようやくすべての情報が公開されて、気分的にもスッキリした頃ではないかと。

TAKA:そうですね。やっと一緒にやってるんだってことが公にできるようになって。

INORAN:実際に音源を作ってたのはちょっと前だけど、ようやく始まったなという感じですね。やっと動きだした、というか。

――このMuddy Apesは、お2人が中心となって立ち上げたものと解釈していいんですよね?

TAKA:立ち上げたというよりも、流れがそうだったというか。

INORANと出会ってからもう数年経ちますけど。まずはFEEDERのライヴを観に来てくれて、それ以来、毎回日本に来るたびに会ってて。まあ、要するに呑み友達になってたんですね(笑)。そうなってくると、よく出てくるじゃないですか、“何か一緒にやろうぜ!”みたいな話が(笑)。

INORAN:それが社交辞令で終わることもあるけどね(笑)。

TAKA:うん。ただ今回の場合は違ってた。実際、かなり前にデモとか送ったりしてたんです。ところがお互いいろいろ忙しくなってきて、なかなか具体的な進展というのはなかったんだけど。そんな頃、FEEDERでサポート・メンバーとしてギターを弾いてるDEANが結婚してフロリダに移って、彼も彼であれこれ活動はしてるんだけど、いわゆるバンドはやってないから何か始めたいとか言い出して。だったらイギリスとアメリカと日本の混成というのも面白いんじゃないかと思いつつ、知り合いとかを通じてヴォーカリストを探してたんですね。で、その頃に仲良くなったアジカンの後藤君、大阪のフレイク・レコーズの店長さんが、両方ともMAESONを薦めてくれたんです。それで、彼がやってる8ottoの映像とかをチェックしてみたら、ドラム叩きながら歌ってて、結構キャラクターにもインパクトがあるなと思って。それで彼とかと一緒に新たにデモとか作り始めてみてたところに、ちょうどINORANから「ずいぶん前に送ってもらったあのデモの曲だけど、一緒にやってみない?」って連絡が来て。

INORAN:そうそう。それが実は「Hide and Seek」になったんだけど。

TAKA:うん。で、「せっかくここまできたんだし、一緒に何かやろう」という話になった。でも、俺がただ単にベースで参加するだけだったら、彼のソロへのゲスト参加でしかないじゃないですか。それだと俺としては物足りなかったというか。LUNA SEAはもちろん、INORANにはすでにソロとしても確立されてるものがあるわけだし、だったら俺はもうちょっとINORANのなかから何か引っ張りだしてみたかったというか。“ちょっと汚いことやろうぜ!”みたいな(笑)。

INORAN:汚いよね、大人だから(笑)。

TAKA:そこで、ちょうどMAESONとのこともあったから、一緒にしちゃおうかなと思って2人を引き合わせて。そこからだんだん形になっていったって感じかな。

――実際、DEANも含めたこの4人で顔を合わせたのはいつのことだったんです?

TAKA:スタジオで、だよね?

INORAN:うん、フロリダのスタジオ。で、そのままレコーディング(笑)。

TAKA:FEEDERで一緒だからDEANのことは知ってても、INORANはそれまでにMAESONとは一回しか会ったことがなかったし、DEANはMAESONの声は事前に知ってたけど、あの2人が顔を合わせたのはそのときが初めてだった。俺だけは全員を知ってたけど、4人が初めて顔を合わせたのはそのスタジオ。結局、さあやろうということになってから、みんなのスケジュールを合わせていくのが大変だったからね。

INORAN:なかなかうまく噛み合わなかったよね。

TAKA:ようやく日程が決まったと思ったら、最後の最後にMAESONが「TAKAさん、8ottoが急にフランスとイギリスでライヴをやることになって」とか言ってきたり(笑)。それで彼は2~3日遅れてフロリダにやってきて。俺たち3人と、DEANの知ってる地元のドラマーで作業を始めて。今回、MAESONにはヴォーカルのほうに専念して欲しかったから、彼が遅れて来たことの影響はさほどなかったけども。しかしまあ、大変だったね。

INORAN:うん。でも思った。やればできるもんだなあって(笑)。

TAKA:確かにね。2週間で全部やったわけで。

INORAN:さらにはビデオも3曲撮って、写真まで撮影して。

TAKA:この4人バラバラのアーティスト写真、撮ったのは朝の6時とか7時ですから。

INORAN:しかもみんなでお互いを撮り合ったという(笑)。

TAKA:うん。だからみんなカッコつけてサングラス掛けてるわけじゃなくて、実は目がしょぼしょぼしてるだけのことで(笑)。

INORAN:俺の髪の毛にしたって寝グセですから(笑)。

TAKA:何から何までホントに自主制作みたいな感じでしたね。ビデオを撮ってくれた人にしても、DEANがエンジニアを通じて紹介してもらったんだけど、まったく初対面だったし、日本で映像の編集をしてくれたのも会ったことのない人。ツイッターでやりとりしてみたら、やってくれるって言うんで(笑)。

――“国境を超えた超大型プロジェクト”のはずなのに、なんだかすごく身近に感じられるんですが(笑)。こういうものが動き出すときって、大概の場合は前々から綿密に計画されていたりするものだと思うんです。でもホントにそれとは真逆なんですね。

TAKA:そうですね。本当の意味で自主制作だったかもしれない。たまたま各メンバーの本拠地が東京、大阪、イギリス、アメリカにバラけてただけのことで。なんかそういうの、見た目的にいいじゃないですか(笑)。

――結局は本当に“いつか何かやろう”が発端であって、そこにいくつか偶然と必然が重なっただけのことにすぎないというか。

INORAN:ですね。やっぱりTAKAと呑んだり遊んだりしてるうちに始まったことという感覚が強くて。計算されたものとかではないし、新しい活動の場所が欲しかったとか、そういうことでもない。

TAKA:うん。INORANがFEEDERに参加とか、俺がINORANのソロに参加ということになると、なんかちょっと形式ばっちゃうところがあるじゃないですか。それよりも「INORANはギターだけでいいから。ヴォーカルは誰か連れてくるし、気に入らなかったら次の人で」みたいな(笑)。もちろんMAESONはすごくいいから他の誰かを試す必要もなかったけど、最初から顔ぶれを固定しようと考えてたわけでもないし。実際、Muddy Apesとしての形は決まったものじゃないんですよ。この4人じゃなきゃいけないというわけでもない。

――そのグループ名についてですけど、直訳すると“泥まみれの猿ども”という意味ですか?

TAKA:言ってみれば“大人の泥んこ遊び”という感じかな(笑)。まあホントに無責任に楽しもうじゃないか、と(笑)。実際にはみんな大人じゃないですか。通常、無責任ではありにくい。でも、そこでちまちまインディ・ロックやってもしょうがないし、そこはガーンとストレートなロックを何も包み隠さずにやろうぜ、みたいな。しかも俺、大人だからといってブルースとかやりたいわけじゃないしね。好きなようにロックンロールをやりたかった。そこでこの名前については俺が言い出したんだけど、“猿”っていうのはDEANの口癖から思いついて。あいつは“monkey”とか“ape”とかそういう言葉をよく使うんです。ただ、“monkey”ってのはバンド名によく使われがちな言葉だから“ape”のほうにしよう、と。しかもあいつは映画の『猿の惑星(Planet Of The Apes)』が大好きだから、ちょうどいいやと思って(笑)。

INORAN:すごくいいアイデアだなと思ったし。俺にはない発想だし。なんで彼がそんなに猿が好きなのかわかんないけどさ(笑)。日本だとむしろ悪い意味で使うことがあるんじゃない?

――それこそ“猿真似”とか“猿芝居”とか“猿の浅知恵”とか。

TAKA:なんか茶化した感じがあるよね。実際、俺たちも茶化したようなことやってるんで(笑)。アルバムのキャラクターにしてもそうだけど(笑)。

――アルバム・タイトルの『Crush It』は「Stone Away」の歌詞にも出てくる言葉ですけど、やっぱり“何かをぶち壊す”というような意味合いを掲げたかったわけですか?

TAKA:うん。最初は曲のタイトルのなかから選ぼうかとか言ってたんだけど、音楽的にもいわゆる邦楽/洋楽とか関係ない感じでやっていこうというのがあったし。あと、MAESONの声の感じで“Crush it”って歌うと、いかにも攻撃的という感じには聴こえなくて、そこも気に入ってたし。まあだから、“いろんなことと無関係にやっていこうぜ”みたいな感じですよね。

INORAN:うん。そのへんは共通認識として俺のなかにもありますね。

――ところでお2人の出会いについて、INORANさんに以前お訊きしたときには「数年前、共通の知人を介して」ということでしたけど、お互いの印象の変化というのはあります?

INORAN:いや、変わんないですよ、基本的には。

TAKA:基本、いい加減だからね(笑)。

INORAN:そんなことないよ(笑)。まず東京にFEEDERが来たときは一緒に酒呑んだり遊んだりするようになって、去年のフジロックのときも羽田で集合して、FEEDERのバスで一緒に現地に向かってみたり。なんかね、先にあれこれ計画して行動するんじゃなくて、自然に転がっていくところにお互いの関係の面白さがあるというか。簡単に言うと、ノリがすごくいい。TAKAに限らずメンバー全員がそうだし、FEEDERのクルーもそうだし。会ったときに何がしたくなるか、なんですよね。そういう部分って忘れてしまいがちというか、なんでもいつのまにか準備しながらやるようになっちゃうもんじゃないですか。当然なかには準備が必要なこともたくさんあるけど。だから“好き勝手やりたい”っていう部分がホントに共通してるんですよね。要するにその場のノリを大事にしたい。

TAKA:これは形式ばったバンドじゃないからね。ノリは大切にしたかった。初めて会ったとき、LUNA SEAというバンドの名前は知ってたけど音とかは知らなくて。でもそれ以来、INORANのソロとかを聴くようになって、すごく洗練されたINORANのギターってものが確立されてるなと思った。でも、せっかく一緒にやるんだったら、もっと汚れたことというか、ダーティーでエロいロックンロールをやろうじゃないか、と(笑)。そうなってくると、彼を従来のソロの枠から引っ張り出さなきゃいけないから。しかもLUNA SEAのメンバーという意味でのパブリック・イメージとかもあるじゃない? 俺にはそういう先入観みたいなのはなかったけど、やっぱり世間的にはね。だからそれを取っ払おうと思った。

――何かを引っ張りだしてみたくなる。TAKAさんにとってINORANさんは、そういう欲求をかきたてられるような存在でもあったわけですね?

TAKA:というか、何かが出たがってるような感じに思えたんだよね。“ここから出たいよー!”みたいな(笑)。

INORAN:べつに檻のなかで暴れてたわけじゃないけど(笑)。

TAKA:でも、新しいことをやるなら今までとは違うことをやりたいタイプの人間だろうなと思ったし。彼のソロでベースを弾いたときも、それはそれで楽しかったけど、一緒にやるんだったらお互いもう一歩そこから出てやろうぜ、みたいな。

――お互いもう一歩踏み込んだ関係であろう、と?

TAKA:うん。だから最初のうち、INORANは「ギター・ソロなんか弾かない」とか言ってたけど、「やりなさい!」って言って。

INORAN:あははは! ギター・ソロなんて何十年ぶりって感じだったかも。とか言いつつ『Dive youth, Sonik dive』では弾いてるけど。今回はしかもツインでね。「Rola,Rola」でDEANと同時にソロを弾くっていう。

TAKA:まったく同時に、好き勝手に。しかもあのテイクは一発だったからね。

INORAN:なんか実際、そこで出てきましたね。

――いわゆる役割分担みたいなものも、ここでは明確には決められていない感じがします。

TAKA:うん。だからクレジット的にも、4人でやったことは全部Muddy Apesでいいやと思ったし。それでもMAESONが歌ってること、俺がベース弾いてることは誰にでもわかるだろうと思ったし。ギター・ソロをどっちが弾いてるかなんて、このさい関係ないと思ったしね(笑)、

INORAN:うん、関係ない。自分で聴いてても、どっちだかわかんないもん(笑)。だからもう細かいことは抜きにして、ごった煮な感じで。Muddy Apesの名前で遊べることをやっていけばいいというか。この4人にとってもそうだし、みんなにとってもそういう場所になっていくんだろうなと思うし。

――ところでMAESONさんの印象はどんな感じでした?

TAKA:インパクトあるよね、ルックス的にも。

INORAN:うん。男前だし紳士だし。まず8ottoのライヴを大阪に観に行って、カッコいいなと思って。8ottoでのロンドンとパリでのライヴを終えてから、俺らがちょっと作り始めてるところに現れて、そのまま歌ったんだけど……。

TAKA:そのまますんなり入ってきたよね。「歌える?」って聴いたら「うん。なんか声が調子いいんで」って(笑)。ナチュラルでいいよね。何をやるにしてもカッコつけてなくて。

INORAN:うん。オーガニックというかね。

TAKA:そもそもドラマーでもあるからだろうけど、いい意味でいわゆるヴォーカリストっぽくないところがある。あと、これはDEANが言ってたことだけど、普通、日本人の歌手が日本語と英語の混じった歌詞を歌うと、英語のパートになったところでくっきり変わるんですね。でもMAESONは流れが変わらない。それは彼のスタイルだなあと思う。とにかくナチュラルなんですよ。写真を撮られるときも立ってるだけだし(笑)。でも絵になるんだよな。しかし今になって考えてみると、よく2週間でできたなと思うよ(笑)。レコーディング中って、スタジオの壁に工程表みたいなのを作って掲示したりするじゃない? あれすらなかったからね。最初は小さいのがあったんだけど、結果的にはそんなもの必要じゃなかったから(笑)。

INORAN:慌ただしかったのは確かだけどね。TAKAだって、FEEDERでのフェス出演が控えてて、フロリダからそこに直行したんでしょ? 俺も俺で、帰りのフライトの2~3時間前までラフ・ミックスをやってたし、

――すごい話。曲作りについても、もしかしてその場でのジャムで?

TAKA:いや、さすがにそれをやるには時間的にも難しいなと思った。とりあえずデモは作っておかないと2週間では作れないと思ったし。そのへんは俺が一生懸命、事前にデータのやり取りとかを進めてきて。ギターのフレーズとかが現場でどんどん変わっていくのとかは構わないけど、ヴォーカルの構成ぐらいはきちっと用意しておかないとね。特にMAESONにはのんびりしてるところがあって“MAESON時間”みたいなのがあるから(笑)、そこはあらかじめ、きっちりやらせました。

――スパルタですね、TAKAさん。ギター・ソロ指令を出したりもするし。

INORAN:そうだね、確かに(笑)。

TAKA:でも、誰かがそれをやらないと駄目だからね。特に俺の場合、英語と日本語の間にいるような立ち位置でもあったから。結果、そうやってデモを用意できてたからこそ、この短期間で完成させられたというのはあると思う。もちろん理想を言えばジャムをやりながら作ることができればもっと楽しかったかもしれないけど、4人のスケジュールを合わせるだけでもこれだけ大変だったことを考えるとね。まあ今後、機会があればそれをやってみるのも面白いなとは思うけど。

――ちなみに、2週間のフロリダ滞在中は、いわゆる合宿みたいな感じだったんですか?

INORAN:そうそう。現地でアパートを借りて、そこからスタジオに通うような感じ。

TAKA:ただ、毎日スタジオだったから、せっかくフロリダだったのに海も見てないんだけど(笑)。音を作ることに関しては、これでも結構真面目に取り組んだからね。というか、余分な時間がなかったから、そうするしかなかった(笑)。実際、フロリダでやって良かったと思いますよ。INORANからも、環境を変えてみたいという話が前々から出てたし。だから当初はイギリスでやることも考えてたんだけど、俺自身にもちょっと違うところでやりたいというのがあって。それでDEANの知ってるスタジオでやることにしたんですよ。かなりベーシックな環境ではあるんだけど必要なものは全部揃ってたし。オーナーもミュージシャンだから楽器とかも結構豊富にあって、レンタルしたいものがあればタダで借りられたし。だからINORANもギター1本で来たし、俺もベースは1本だけ。

INORAN:日本じゃなかなかできないことでもある。フロリダという選択については“そこらへんが全員にとっての真ん中かな?”とか言ってたんだけど、実際には俺がいちばん遠かったですね(笑)。ちょっと世界地図を見間違えてたかもしれない(笑)。でもまあいいや、みたいな。

――結果、フロリダで観光気分を味わう時間はなかったにせよ、INORANさんもそこでの空気を存分に楽しんだわけですね?

INORAN:うん、楽しかった。辛かったのは時差ボケぐらいのもんで。

TAKA:借りたアパートも結構スペースがあったし、好き勝手やれたし。最初はホテルで個別に部屋を借りることも考えてたけど、そうやってたらうまくいかなかったかもな。

INORAN:ああ、そうかもね。

TAKA:そこでの選択もラッキーだったかもね。みんな自然にソファーのまわりに集まる感じだったし、ビリヤードもあったし。ホテルの部屋に1人でいたら「さあ、何をしよう?」って感じだっただろうけど(笑)。

INORAN:音を出してる時間以外も、みんなそうやって一緒にいたし。自然にバルコニーに集まってきたり、いつもだったら飲まないオレンジジュースとか飲んでみたり。

TAKA:フロリダ気分でね(笑)。“今日の朝食は誰の担当?”みたいな。

INORAN:順繰りにね。俺も作りましたよ。そういうのがいいじゃないですか。でもね、とにかくTAKAの朝食は美味いんだ!

TAKA:最初にスクランブルエッグ&ベーコン・サンドみたいなのを作ったんですよ。いかにも朝食らしいものをね。でもそれは最初だけで、だんだん崩れていって。結果、朝から生姜焼きとか、カレーとか、パスタとか(笑)。各々が得意なものを、そこもまた好き勝手に(笑)。

――そしてそのフロリダで生まれたこのアルバム自体について、今はどんな手応えを?

TAKA:手探りでやったわりにはよくまとまりましたね、最後の最後で。ホントに自主盤作ってるみたいな感じで。録るだけ録ったらあとはレコード会社がやってくれるのかなと思ってたら(笑)、そういう感じでもなかったし。でもね、それが逆に楽しかった。自分にとっても勉強になったし。音を練り上げていく作業というのがね。もちろん反省点もないわけじゃないけど、1枚目としての勢いは充分すぎるくらいあるんじゃないかな。今回、俺は「ついに邦楽デビュー!」とか言ってたりもするけど(笑)、実際はホントに邦楽も洋楽も関係ないと思ってるし、聴いてくれる人たちにも、何の境界線も関係もなく楽しんで欲しいなと思いますね。

INORAN:うん。ホントに1枚目に相応しいものができたんじゃないかなと思う。いろんな意味でね。やっぱ基本、楽しみながらやりたかったし、それがいちばんやりたいことだったから。その空気が何よりも詰まってるんじゃないかなとは思う。そうじゃなきゃ、Muddy Apesとしては意味がないというか、次にやりたいことも見えてこないしね。

――つまりこれは、アルバム1枚かぎりのプロジェクトとして始まったわけじゃないということなんですね?

INORAN:うん。キング・レコードと10枚で10億円の契約をしましたから(笑)。

TAKA:あははは! 

――とにかく今後も緻密な計画とは無縁に、やりたいときにやる。

TAKA:本当はそういうふうに軽く言いたいところですけど、INORANも忙しいし俺も忙しいし。先のことがどうなるかは具体的には正直わからない。でも、まだまだ楽しみたいんで。

INORAN:まずはライヴをやりたいよね、とにかく。ミュージシャンとしてはそれが当然の欲求だし、作ってる最中からそういう話もしてたし。というわけで、9月28日に渋谷のクラブクアトロでやります(笑)。

――そして次に何をやりたくなるかは、そのステージ上で皆さんが何を感じるかによってくるということですね?

INORAN:おっ、いいこと言うなあ。確かにそうかもね。でも、そのへんはわからない。いい加減だから。高田純次さんばりに(笑)。

TAKA:そうそう、あくまで無責任な感じでね!

――いやー、とにかくこの仰々しさと無縁の空気が素敵です!(一同笑)

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