福島県南相馬市の合唱団MJCアンサンブルがローマ法王に謁見、復興への想いを込めた「Pray(祈り)」を歌唱
福島県南相馬市の少女合唱団「MJCアンサンブル」が、現地時間の8月22日、イタリア・ローマ市内にある法王の別荘内にて、ローマカトリック教会の最高権威、ローマ法王ベネディクト16世に謁見し、被災地の復興への想いをこめた「Pray(祈り)」を歌唱した。
◆MJCアンサンブル 画像
この日法王ベネディクト16世との謁見を希望し、世界各国から4000人以上を超える人々が集結していた。MJCアンサンブルからは、団長である太田絵菜さん(15)が代表して登壇し、法王ベネディクト16世に直接謁見する機会を得た。
法王ベネディクト16世は、太田さんに優しい声をかけたばかりか、MJCアンサンブルのメンバー1人ひとりに手を振って応えた。
法王ベネディクト16世に歌を届ける事を夢みていた少女達は、太田さんが謁見した途端に声を振り絞って合唱を始め、法王ベネディクト16世が手を振ってくれた瞬間には感極まり涙を流す少女もいた。
法王ベネディクト16世と直接謁見できる人は限られている。今回の特別な謁見で、少女達は『被災地に対しての温かい言葉と支援をありがとうございました』と、南相馬市からのプレゼントを法王ベネディクトに手渡した。
法王ベネディクト16世は、MJCアンサンブルからの歌(『Pray』)に対して、十字架のネックレスと温かい拍手、そして笑顔を贈った。
太田さんは謁見を終えて「何がなんだか分からない状態でした。ただしっかりと感謝とありがとうの気持ちを伝えるのに必死でした」とコメント。法王ベネディクト16世から贈られた十字架のネックレスを手に、最高の笑顔でメンバーと抱き合った。
原発での事故発生以来、1日も家に戻ることが出来ずにいる最年長の高校3年生、山本多恵さんは涙で顔をクチャクチャにさせ「まだ何も変わっていない。今回の謁見を機にPrayという歌が世界中に届けばと思っている」と語った。
同じく家に戻ることのできない高校3年生、山田久美子さんは「あの日、世界中から助けてもらった。感謝の気持ちを届けることができた」と笑顔をほころばせた。
代表兼指揮者の金子洋一さん(57)は、「この奇跡のような瞬間は絶対に忘れないと思います。子供たちの想いがローマ法王に伝わり、同じ時間を共有できたことは、子供たちにとってかけがえのないことだと思います」とコメント。
MJCアンサンブルは、日本国内でも数々のイベント出演が決定している。