heidi.【インタビュー】こういうシングルを出すのはいま俺らができる一番大きな挑戦だと思っている

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■失恋したときに晴れているのがイヤだから「曇り空」
■簡単な言葉だけで成立する曲ができた

──今回、この後予定しているツアーをニコニコ動画で配信したりというのも、一般層に届けたいという同じ気持ちから出たアイデア?

ナオ:はい。ツアーに関してはいままで俺たちがやったなかでも、31本って一番多い本数になるんですよ。それでも行けない場所はあるので、来られない人にはこれを通じて見てもらったり、「heidi.のライヴってどんなんだろう?」って思ってる人がたまたま見て「次は生で見てみたい」って。そういうライヴに行くとっかかりになってくれたらいいなと思ってます。

──なんで、ここにきて間口を広げることに対して積極的なアプローチを行なってるんでしょう。

ナオ:ここにきてっていうよりも、元々そういう指向だったんで、それがより具体化したってだけですね。

義彦:うん。「メロディを大事にして一人でも多くの人に聴かせたい」っていうのは昔から俺らが言ってることなんで、たまたまそこが今回は全面に出てるってだけだと思います。

──では、そんなheidi.から届いたニュー・シングルが「曇り空には恋模様」。

義彦:自分なりのせつない恋愛を歌詞に描いてみました。曲を聴いたときに、俺はメロディがすごい耳に残って憶えやすいというのが第一印象で。次にイントロとかを聴いて「せつない……」と思ったんですよ。そこと、サビの「嫌いになれない」というところのメロディにすっごいせつなさを俺は感じたんで、分かりやすい言葉でせつない恋愛をテーマに書いてみました。

──ここまで恋愛をモチーフにした歌詞っていままでありましたっけ?

義彦:あんまり書かないんですよ。でも、今回は“挑戦”という意味で書いたんです。なんとなく自分の失恋したことを思い出しながら。

──恋愛ものをあまり描かない理由はなにかあるんですか?

義彦:単純に恋愛経験が少ないんですよね(笑)。だから、恋愛ものは本当に弱くて。書いてても恥ずかしくて歌えなくなったりするんですよ。今回の歌詞も、サビの“嫌いになれない”というところは、普通の人なら“まだ好きだから”とかいうと思うんですけど。そこが本当に俺らしくて(笑)。俺だったら“好き”とか絶対に言えない。だからこういう表現になってるんです。そこは自分らしさが出たかなと。

──本当は「まだ好きだ」って言いたいんだけど。

義彦:言えないっていうもどかしさがそういう言葉になってます。まだ好きで嫌いになれなくて、どうしていいか分からないって感じで、この歌はもどかしいまま終わっていくんです。

──タイトルの「曇り空」というのはどんな心境を表してるんですか?

義彦:失恋したときに晴れてるのって俺的にはすごい嫌で(笑)。なんとなく曇ってたり雨降ってたりするほうが(自分が)励まされる気がして。そういうところも挑戦で、タイトルに使ってみたんです。あと今回、曲に“クセ”がなかったんで、歌詞は難しい言葉を使わないで書いたんです。こんなにも簡単な言葉だけで成立する曲ができたんだということに、歌詞を書き終えてから気づきました。

──曲はどんなコンセプトで作った楽曲なんですか?

ナオ:いい意味で最初から最後までサラッと聴ける曲を作りたいなと思って書いた曲です。バンドっぽさとかは置いといて、自分が聴きたい曲ってどういうのだろうって。そういうところから作り始めたんで、曲自体もすごくストレートだし。単純な展開で良いメロディを提供したい。ただそれだけの曲なんですよね。歌詞が乗るまで、俺は爽やかなギター・ロックをイメージしてたんで、こういう歌詞がきてびっくりしました(笑)。

──ナオさんはいつもどうやって曲を作ってるんですか?

ナオ:作るっていう能動的な行為はあまり好きじゃないんですよ。俺は「待つ」んです。降りてくるまで何もしないタイプ。ふとしたときに、いいなと思うメロディが降りたらそれを軸に広げていくスタイルです。

義彦:ウチは他のメンバーも曲を作るんですけど、みんなメロディ主体で。

ナオ:そもそも、このバンドのコンセプトが“歌を大事に”とか“いいメロディを”とか“歌に特化したバンドがいいね”ってことで組んだバンドなんで、そこは昔からみんな変わらないですね。

──なんで“歌”に向かって行ったんでしょう。

ナオ:元々そういう音楽が好きだったんです。

──歌ありき、そのなかでもどんなメロディに一番グッときますか?

ナオ:やっぱり“哀愁感”ですよね。それでいて“ポップ”。俺はロックよりもポップス、日本の歌謡曲が好きなんで、哀愁感あってせつなくてちょっと懐かしい感じがする。そういうメロディが個人的に好きですね。中学生時代にバンドとしてのサウンド、楽器に目覚めたのはヴィジュアル系ですが、それと並行して歌謡曲、いい歌だなって思える曲もよく聴いてたんで。リンドバーグとかユニコーンとか。だから(heidi.は)そういう自分の体験が混ざったようなバンドですよね。

義彦:僕はバンドに目覚めたのがSOPHIAさん。SOPHIAさんのなかでも松岡さんが大好きなので、自分がやるなら「こりゃあヴォーカルだな」と(笑)。SOPHIAも基本は歌ものですけど、たまに歌ものでも激しめの曲があったりするじゃないですか? そういうバランスは何となくheidi.にも通じるところがあるかなと。

ナオ:俺らは、なんでもやろうよっていうタイプのバンドだからね。とにかく、ジャンルとかはなんでもいいじゃないってところを強く思ってるからこそ、こういうシングルを出すわけですし。だから、間口を広げるのはいま俺らができる一番大きな挑戦だと思ってます。

取材・文●東條祥恵

「曇り空には恋模様」
8月22日(水)リリース
MRKT-1008 \1,260
1.曇り空には恋模様
2.涙雨
3.夢遊

9月19日(水)リリース アルバム
『アルファ』
全12曲収録

heidi.史上最多本数の全国ワンマンツアー
<heidi. LIVE TOUR 2012-2013 「+α」>
※全公演、ニコ生にて配信
11月7日(水) 代官山UNIT
11月10日(土) 横浜BAYSIS
11月11日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
11月13日(火) 金沢AZ
11月15日(木) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
11月16日(金) 郡山 HIP SHOT JAPAN
11月18日(日)仙台LIVE HOUSE enn 2nd
11月20日(火) 山形 MUSIC SHOWA SESSION
11月21日(水) 秋田 Club SWINDLE
11月23日(金・祝) 盛岡 CLUB CHANGE
11月25日(日) 青森 Quarter
11月28日(水) 函館 club COCOA
12月1日(土) 札幌 KRAPS HALL
12月8日(土) 高崎 club FLEEZ
12月9日(日) 宇都宮 LIVE HOUSE KENT
12月13日(木)下北沢GARDEN
2013年1月13日(日) 名古屋 E.L.L.
2013年1月14日(月・祝) 京都 MUSE
2013年1月16日(水) 岡山 LIVEHOUSE IMAGE
2013年1月17日(木) 高松 DIME
2013年1月19日(土) 松山 SALONKITTY
2013年1月21日(月) 鹿児島 SR HALL
2013年1月23日(水) 熊本 DRUM Be-9 v-1
2013年1月26日(土) 福岡 DRUM Be-1
2013年1月28日(月) 広島 NAMIKI JUNCTION
2013年1月30日(水) 神戸 VARIT.
2013年2月2日(金) 大阪MUSE
2013年2月3日(日) 静岡 LIVE HOUSE Sunash
2013年2月9日(土) 山梨 KAZOO HALL
2013年2月11日(月・祝) 長野 LIVE HOUSE J
2013年2月16日(土) 東京 SHIBUYA-AX

◆heidi. オフィシャルサイト
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