<情熱大陸フェス>、他では見られないスペシャルコラボの連発
2012年で11年目を迎える<情熱大陸フェス>が、8月11日(土)東京都・夢の島公演陸上競技場で開催された。愛知、大阪に続いて3ヶ所目となる東京では、全16組のアーティストが登場。情熱大陸だからこそ実現したコラボレーションなど見所満載のパフォーマンスを楽しめた。
◆<情熱大陸フェス>画像
オープニング・アクト後に現れたのは情熱大陸フェスのオーガナイザー、葉加瀬太郎。ビールを片手に「ちぃーっす!』と登場し、まるで家に帰ってきたかのよう。「昨年は10周年、皆さんのお陰で新たな10年を迎えることができます!」と感謝の気持を語り、ほぼ初回から参加しているSing Like Talkingの佐藤竹善と押尾コータローをステージに呼び込み「今日は思いっきり楽しんでいって下さい!」と乾杯の音頭が合図となってイベントがスタート。
TOPを務めたのは、夏のイベントの女王・渡辺美里。会場アナウンスでアーティスト名がコールされた途端、会場は総立ちに。そして1曲目「My Revolution」の前奏が流れるとオーディエンスは早くも興奮状態となる。
初参加となった渡辺美里ではあったが、「夏、野外、情熱といったら、私がうかがわなくてどうする?」とパワフルなステージを披露し”夏のイベントの女王”の本領を発揮。
「一度出たら最後。来年、再来年もよろしくお願いします(笑)!」との葉加瀬太郎の呼びかけに、渡辺美里も「今日からこのご縁が始まるという嬉しい思いと共に!」と「始まりの詩、あなたへ」を熱唱。渡辺美里の、今後の参加を思わせるメッセージとも受け取れる演奏に会場が更に沸き立つ。ラスト・ナンバーは葉加瀬太郎と佐藤竹善が参加し、夏の定番ソング「サマータイムブルース」を歌い、情熱大陸フェスだからこそ実現した迫力あるステージを見せてくれた。
3組目に登場したのは、情熱大陸フェス2回目の出演となるRake。ヒット曲「100万回の「I love you」」をはじめとした3曲を熱唱。力強いメッセージと歌声はオーディエンスを一気に惹き込む。MCでは「震災もそうだけど、仕事や人間関係で上手くいかないことが沢山ある。そんな時に沢山の仲間に囲まれ、つながっているということを思い出して欲しい!」と熱いメッセージを送った。
4組目は、情熱大陸フェス・最多出場記録を持つSing Like Talking。抜群の安定感で大人のステージを披露。初っぱなから、彼らの代表曲「Joy」を葉加瀬太郎と共に演奏し、大人の魅力全開で会場をクールダウン。3曲目には再び葉加瀬を招き入れ、東日本大震災復興支援ソング『Luz』を披露。演奏前には青森の復興が遅れている事を訴え、「復興が遅れている中、毎日を力強く生きている人や、義援金を送ってくれたアフリカの人たちを思って作った」と楽曲への思いを語り、軽快なアフリカのビートに乗せて演奏がスタート。楽曲のスケールの大きさと、佐藤竹善の包容力ある歌声、そして珍しくコーラスで参加した葉加瀬の力強いボイスが優しく会場を包み込んだ。
5組目に登場したのは、昨年に引き続き5回目の出演となる元ちとせ。葉加瀬太郎と共に、最初に披露したのは彼女の名を世に知らしめた名曲『ワダツミの木』。彼女独特のこぶしを効かせたファルセットと伸びのある歌声、そして葉加瀬の奏でるヴァイオリンに会場が魅せられ、穏やかながらも熱いステージとなった。
5組目に登場したのは、2011年に引き続き2度目の出場となるナオト・インティライミ。「今日は曇っているから、遠慮なく皆さんをぶち上げちゃっていいですか?」の言葉の通り、真夏の太陽を思わせるアッパーチューン「おまかせピーターパン」で会場を一気にヒートアップ。3曲目の「愛してた」の前には「僕の大好きなアニキ、タロウ・インティライミ」と葉加瀬太郎をステージに呼び込むと、今日のナオト・インティライミと同じ、テンガロンハットに白シャツ、ベストを着た葉加瀬が登場。会場を笑いの渦に巻き込む。ただ、演奏が始まれば、美しくも切ないメロディとナオト・インティライミの優しい歌声、そして葉加瀬が奏でる繊細で優しい音色がオーディエンスを魅了。最後の楽曲「カーニバる?」では、明るく軽快なリズムにのったナオト・インティライミの歌声が涼やかな風が吹いたような、爽やかな雰囲気で会場を包み込んだ。
6組目に登場したのは、今年が初参加となるNIKIIE。透明感のある歌声と軽快なピアノが爽やかな空気を創りだす。彼女のデビュー曲「春夏秋冬」やヒット曲「カナリア」など3曲を演奏。透き通るような歌声とパワフルなピアノは夏の熱さを忘れるほどに涼しげで、熱くなった会場の清涼剤のように、会場を程よくクールダウン。
7組目は、東京では初参加となるJUJUが登場。1曲目からヒット曲「素直になれたら」でJUJUワールドにオーディエンスを引き込む。MCでは「このステージに入れることが嬉しい」と情熱大陸フェスに参加できる喜びを語った。そして葉加瀬太郎がステージに登場し、コラボ楽曲として「明日がくるなら」が紹介されると、会場からどよめきが起こる。そのどよめきを裏切ることなく甘く切ない大人の演奏を披露。R&Bテイストのメロディに、切ない程に愛情溢れるJUJUの歌声、そして葉加瀬のヴァイオリンが化学反応をおこし、オーディエンスの心をわしづかみにした。
8組目は、今年で2度目の参加となるKREVA。サンプリングではなく生の、それも葉加瀬太郎のヴァイオリンの音がKREVAのラップと相まみえるのは情熱フェスだからこそ。「音色」「アクレッシ部」など彼の代表曲が葉加瀬とのコラボが次々と披露される。また、「OH YEAH」ではナオト・インティライミも参加し、「OH」「YEAH」のコール&レスポンスでオーディエンスと一体になり会場を盛り上げた。
続いてはスペシャル企画として押尾コータローと、情熱大陸バンドのバンド・マスター佐橋佳幸がアコースティック・ギターを持って登場。葉加瀬太郎から「ビールが美味しくなるセッションやってよ!」との一言で実現したこのスペシャルセッションではサイモン&ガーファンクルの「Mrs.Robinson」を披露。まるで歌っているかのようにギターの音色が心地よいハーモニーを奏でる。途中からナオト・インティライミと佐藤竹善が加わり、美しいハーモニーやボーカルのインプロビゼーションの応酬で更に魅力溢れるステージとなった。
9組目のゴスペラーズは、真っ白なジャケットにブルーデニムの出で立ちで登場。まず披露したのは、ヒット曲「ひとり」。しっとりとした伸びのある歌声で、会場は落ち着いた大人の雰囲気に一変。そんな中、3曲目『It's Alright~君といるだけで~』の前には葉加瀬太郎がお笑い芸人・スギちゃんの衣装で登場し、会場が笑いの渦に。「ゴスペラーズとのセッションを楽しみにしていた」とのことで、この曲では葉加瀬太郎がまさかの手拍子のみで参加。4曲目「Soul Ballad-1,2,3 for 5-」はソウルフルに歌いながら踊りまくるゴスペラーズと、葉加瀬の情熱的に奏でるヴァイオリンのコラボレーションで会場は盛り上がりを見せる。最後の楽曲「ラヴ・ノーツ」では押尾コータローも加わり、重厚感溢れるハーモニーが大人のための空間を作り出した。
10組目は、今や常連メンバーとなった藤井フミヤ。1曲目に、情熱大陸フェス定番となった名曲「TRUE LOVE」で一気に会場の雰囲気をフミヤ色に染めると、「突然に完全な空前の一目惚れ」大人の魅力満載なアッパーチューンで手拍子と共に会場の雰囲気を一気に盛り上げる。ファンにとってビッグ・サプライズとなったのは4曲目「ミセスマーメイド」。この懐かしの名曲ではベースとドラムのグルーヴにファルセットのコーラスとフミヤの甘い歌声に加えベースとドラムが独特のグルーブ感を生み出し、見事としか言いようの無いステージに。最後は自身の50歳の誕生日、7月11日にリリースした新アルバムの収録曲を葉加瀬太郎と共に披露。フミヤの甘く語りかけるような歌声と力強く優しい葉加瀬のヴァイオリンは、情熱大陸フェスにおいて、二人のステージの新たな1ページとなった
続いて11組目は奄美大島出身の男性ユニット、カサリンチュ。タツヒロの優しく美しい声が印象的なヴォーカル&アコースティックギター、タツヒロのスピード感溢れるヒューマン・ビートボックスで「瞳を閉じれば」など彼らの代表曲3曲を披露。「この街に生まれて」では仙台出身のRake、押尾コータローとのセッションを披露し、彼らのサウンドの可能性を更に広げるステージとなった。
12組目はの鈴木雅之は、野外フェスには不釣り合いな3ピースのスーツにエナメル・シューズの出で立ちで、盟友・桑野信義を伴ってステージに表れる。ここまで数々の七変化を見せた葉加瀬太郎は、「Endless Love Eternal Love」のセッションで“鈴木雅之仕様”の出で立ちで登場し会場に笑いを誘う。しかし演奏が始まると、そんな楽しい雰囲気は一変。鈴木雅之の切ない程に甘く優しい歌声にオーディエンスが飲み込まれていく。5曲目「夢で遭えたら」ではスペシャル・コーラスとして藤井フミヤ、佐藤竹善、JUJU、NIKIIEが参加。彼らの紡ぎだす歌声がラブ・バラードに幾重もの表情を作り出し、これぞ“大人のための夏フェス”の真骨頂を見せた。
13組目に登場したのはピアノとカホン(パーカッション)の二人組ユニット、→Pia-no-jaC←。昨年の情熱大陸フェスで見せた圧巻のステージは今年も健在。彼らのピアノとカホンが嵐の如く音の雨をオーディエンスに浴びせたと思えば、繊細で美しいメロディでじっくりと聴かせる。途中から→Pia-no-jaC←そっくりのツナギを着た葉加瀬太郎が参加。息のあったカルテットで、葉加瀬太郎がゲスト参加した→Pia-no-jaC←の最新アルバム「BATTLE NOTES」の収録曲を次々と演奏。彼らのパワフルな演奏は今年もオーディエンスの目にその存在を焼き付けた。
14組目は満を持しての小田和正。今年で3回目となる出場となる。そのパワフルなステージで、出演する度に伝説を生み出しているが、今年も新たな伝説が誕生することとなった。葉加瀬太郎が参加した「ラブ・ストーリーは突然に」ではハンドマイクを持った小田が客席に降りてオーディエンスとコラボレーションするパワフルなパフォーマンスを見せたかと思えば、「言葉にできない」ではJUJUとコラボレーションしてしっとりと大人のステージを見せ、オーディエンスを“小田和正ワールド”へといざなった。
15組は佐藤竹善に次ぐ参加回数となる押尾コータロー。今年はデビュー10周年の全国ツアー中ともあって、神業ともいえるギター・テクを存分に披露。先日リリースしたベスト・アルバムの楽曲を中心にオーディエンスを魅了。3曲目の『MOTHER』では、アラフォーフレンズとして、葉加瀬太郎、柏木弘樹が登場。3人の匠の技が奏でる音色はまさに母の無限の愛を表現。熱いステージが続くなかの、優しいひとときとなった。
そしてオオトリは、情熱大陸のオーガナイザーを務めた葉加瀬太郎。殆どの出演者のステージにゲスト参加した葉加瀬太郎だが、MCで「もう一度、情熱大陸フェスへの愛を再確認するステージに」と語っただけに、今まで以上にパワフルなステージとなった。3曲目「エトピリカ」ではKREVAが途中から参加。ヴァイオリンの音色にKREVAのラップが心地よいほどにハマり、いつもとは違う雰囲気に。葉加瀬に「斬新な"エピトリカ"!」と言わせたアレンジは、情熱大陸フェスのこれからの新たな十年を迎えるにふさわしいものになった。そしてラスト・ナンバーは定番の「情熱大陸」はラテンロック調にアレンジ。その激しいリズムに会場は総立ちとなり、圧倒的なパフォーマンスを見せた。
ラストは、出演者全員がステージに再び登場し「タイトルのない歌」を合唱。約8時間にも及ぶ熱いステージが終焉を迎えた。なお、この楽曲は2011年の10周年記念に作曲・葉加瀬太郎、作詞・藤井フミヤで制作された情熱大陸フェスのテーマ曲。葉加瀬の呼びかけにより、過去に情熱大陸フェスに参加したアーティストが再び集結し新たに録音されたもので、現在,各音楽サイトにて配信中。集まった収益は東日本大震災義援金として寄付される。
2012年の情熱大陸フェスはすでに名古屋、大阪、そして東京が終了。残すは8月25日の北海道となった。
<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'12 8月11日(土)@東京・夢の島公園陸上競技場
●やなわらばー(オープニング・アクト)
1.てぃんさぐぬ花
2.アカユラ
3.空をこえて 海をこえて
●渡辺美里
1.My Revolution
2.始まりの詩、あなたへ
3.サマータイム ブルース
他
●Rake
1.フタリヒトツ
2.100 万回の「I love you」
3.素晴らしき世界
●Sing Like Talking:
1.JOY
2.Luz
他
●元ちとせ
1.ワダツミの木
他
●ナオト・インティライミ
1.おまかせピーターパン
2.君に逢いたかった
3.愛してた(with 葉加瀬)
4.ナイテタッテ
5.カーニバる?
●NIKIIE
1.春夏秋冬
2.3sec.
3.カナリア
●JUJU
1.素直になれたら
2.明日がくるなら(with 葉加瀬)
3.ただいま
4.奇跡を望むなら...
5.やさしさで溢れるように
●KREVA
1.音色
2.アグレッシ部
3.OH YEAH
他
●スペシャルセッション(押尾コータロー+ 佐橋佳幸+ ナオト・インティライミ)
1.Mrs.Robinson
●ゴズぺラ―ズ
1.ひとり(アカペラ)
2.永遠に
3.It's Alright ~君といるだけで~
4.Soul Ballad-1,2,3 for 5-(with 葉加瀬)
5.ラヴ・ノーツ(with 葉加瀬&押尾)
●藤井フミヤ
1.TRUE LOVE
2.突然に完全な空前の一目惚れ
3.ミセスマーメイド
他
●カサリンチュ
1.オープニング(com'on) ~ やめられない とまれない
2.瞳を閉じれば(with 押尾)
3.この街に生まれて(with 押尾&Rake)
●鈴木雅之
1.恋人
2.小さな恋のうた
3.Endless love Eternal love(with 葉加瀬)
4.夢で逢えたら(with 葉加瀬&SP コーラス)
●→Pia-no-jaC←
1.チャールダーシュ
他
●小田和正
1.グッバイ
2.ラブストーリーは突然に(with 葉加瀬)
3.Yes-No(with 葉加瀬)
4.言葉にできない(with 葉加瀬&JUJU)
5.その日が来るまで(with 葉加瀬)
●押尾コータロー
1.RELATION !
2.翼-Hoping for the FUTURE-
3.MOTHER(with 葉加瀬&柏木)
4.Big Blue Ocean
5.Over Drive
●葉加瀬太郎
1.エトピリカ
2.情熱大陸
他
●全出演者
1.タイトルのない唄(作詞:藤井フミヤ 作曲:葉加瀬太郎)
この記事の関連情報
<情熱大陸ライブ>大阪公演、AKB48、F-BLOOD、大塚 愛ら15組が豪華競演
<情熱大陸ライブ>、番組ナレーター・窪田等の出演決定。クリス・ハート×村上佳佑ら共演も
<情熱大陸ライブ>、第七弾発表にAKB48渡辺麻友ら“情熱大陸ライブ2017選抜”
<情熱大陸ライブ>、第六弾発表にChar、大塚 愛、村上佳佑
<情熱大陸ライブ>、C&Kが初参加
<情熱大陸ライブ>、第四弾発表にREBECCA、K、石丸幹二、クリス・ハート
<情熱大陸ライブ>、第三弾発表にCHEMISTRYら3組。キービジュアルは『宇宙兄弟』コラボ
<情熱大陸ライブ>、第二弾発表に岸谷香、KREVA、新妻聖子ら5組
<情熱大陸ライブ>、第一弾発表にF-BLOOD、大黒摩季、スキマ、平井 大