-異種格闘技対談-Ring【round2】特別編/櫻井敦司(BUCK-TICK)

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-異種格闘技対談-Ring【round2】特別編 逹瑯(ムック/Vo)× 櫻井敦司(BUCK-TICK/Vo)

櫻井:いろんな人から逹瑯くんは“ジャイアンみたいな人”だって聞いていたので、ちょっと恐れていたんですが(笑)。

7月4日にリリースされた、BUCK-TICKをリスペクトするアーティスト13組が集結した、デビュー25周年を記念して作られたBUCK-TICKトリビュート・アルバム『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』に参加しているMUCC。福岡の対バンでは参加作品「JUPITER」を1曲目にライヴをスタートさせ、会場を盛り上げたという。

そんなトリビュート・アルバムがきっかけで、憧れである櫻井敦司と対面の夢を実現させ、願ってもなかった対バンまで現実のモノとし、ラジオのゲストにまで来てもらえた逹瑯は、「もぉ~俺、会いたかった人、全員会えたかも~!」とご満悦。その喜び冷めやらぬまま、ラジオ収録の後、特別にアフター・トークをしてもらった。

逹瑯:今日は本当にありがとうございました。

櫻井:いえいえ。こちらこそありがとうございました。

逹瑯:いやぁ、櫻井さんがすごく紳士的で大人な対応してくれたので、すっごい話しやすかったです! ありがとうございました!

櫻井:いやいや。逹瑯くんこそ。お話されるのお上手ですね。

――ちゃんとお話されるのは初めてということでしたけれども。櫻井さんは、逹瑯くんのこと、どんな人だと思っていらっしゃいました?

櫻井:いや、本当に楽しくお話させて頂きました。素晴しいなと。最初は、いろんな人から、“ジャイアンみたいな人”だって聞いていたので、ちょっと恐れていたんですが(笑)。

――ジャイアンでしたか(笑)?

櫻井:いやいや、紳士的な方で。

――トークの最中に紳士的な場面、ありました(笑)? 唯一、お出迎えのときはエスコートしていて、びっくりしましたけども(笑)。

逹瑯:なんか、櫻井さんがすごく紳士的だから、思わずつられちゃうよね(笑)。でも、本当に楽しかったです!

櫻井:ありがとうございます。カリガリの青さんが先輩なんですよね? ツアーの初日がカリガリとだったので、そのとき“逹瑯のことよろしくお願いします”っておっしゃってましたよ。

逹瑯:あ、そうですか! 嬉しい。……え!? カリガリの誰かがジャイアンって言ってました? おかしいなぁ~、カリガリにはジャイアンな態度で接したことないんだけどなぁ、俺、人を見て態度変える方なんで(笑)。

櫻井:あははは。そうなの?

逹瑯:いや、嘘ですけど(笑)。そうだ、ちゃんと言わなくちゃ! BUCK-TICKトリビュート、参加させて頂けてすごく嬉しかったです!

櫻井:いやいや、こちらこそありがとうございました。ムックは「JUPITER」をやってくれたんだよね。すごく良かったです。すごく丁寧に素敵に仕上げて頂いて。

逹瑯:いや、そんなこと面と向かって言われるなんて、本望です! 嬉しいです! この前、幕張でムック15周年のライヴをやったんですけど、そのときにも「JUPITER」やらせて頂いたんです。みんなすごく一生懸命聴いてくれていて、嬉しかったんですよ。あ、そうだそうだ。これ言おうと思ってたんですよ! ウチのベースのYUKKEのお母さんが、BUCK-TICKのガチのファンで、カリガリとの仙台の対バン初日も、チケット買って行ってたらしいんですよ。

櫻井:本当に!? それすごく嬉しい話ですね。

逹瑯:MUCCがBUCK-TICKのトリビュート・アルバムに参加することになったとき、早く聴かせてってうるさかったから聴かせたら、“最初、ムックが「JUPITER」やるって聞いたときは、大丈夫かしら……って思ったけど、あれなら大丈夫。あれならBUCK-TICKファンも大丈夫だと思うわよ!”って褒めてくれたって、YUKKEが言ってました(笑)。そのとき、メンバーで大爆笑してたんですけど、自分の息子がいるムックをひいき目に見るとかじゃなくて、まずはBUCK-TICK側のファン目線なんだ! って(笑)。ひいき目なしのジャッチでしたからね。

櫻井:あははは。素敵なお母さんですね(笑)、ありがとうございます。本当に良かったですからね、ムックの「JUPITER」。

逹瑯:「JUPITER」って12弦ギターじゃないですか。今回ムックも12弦で再現してるんですけど、昔、自分たちの曲で12弦使いたいって話になったとき、12弦持ってないからレンタルしなくちゃいけないなって話になったんですけど、そこまでして12弦の音は必要ないか……ってやめたことがあったんですよ。なのに、今回は迷わず12弦借りて弾いてましたからね。ウチら、完全に命かけてましたから(笑)。

櫻井:ありがとうございます。本当にそう言ってもらえると嬉しいです。

逹瑯:っていうか、櫻井さんって話し方、すっこい丁寧ですよね。

櫻井:そうですか? 普通なんですけどね。でも、まぁ、友達というかバンドのメンバーと話すときはもう少しフランクになりますけどね。ですます調ではなくなるので。

逹瑯:そうなんですね。でも、基本こういう感じの温度感なんですよね?

櫻井:そうですね。基本(笑)。

逹瑯:「ONE LIFE,ONE DEATH」とか「ミウ」とか大好きで、今の俺と同じ歳の頃かぁって思うと、なんかまだまだだな、俺……って思います。

――さっき櫻井さん、“33歳くらいになると、地に足が付いて生きれてるなって思うよ”っておっしゃってましたけど、33歳って分岐点でもあったんですか?

櫻井:そうですね、僕はなんとなくですけど、逹瑯くんもそれくらいの年齢だということで、いろんなものやことを吸収される時期なんじゃないかなって思ったんですよね。分岐点なんて人それぞれでもあるので、年齢とかは関係ないのかもしれないですけどね。

逹瑯:30代かぁ。櫻井さんが俺と同じ歳のときって、「SEXY STREAM LINER」の頃になりますね。

櫻井:あ、そっか。じゃぁ、全然地に足着いてないね(笑)。

逹瑯:そうですか!? 俺「SEXY STREAM LINER」って大好きですからね!

櫻井:あの頃なんて、まだキャピキャピしてましたね(笑)。

逹瑯:櫻井さん、キャピキャピしてた時代あったんですか!? 意外! びっくり(笑)。俺、「SEXY STREAM LINER」とか「ONE LIFE,ONE DEATH」とか「ミウ」とか大好きなんですけど、最近な気がしますもん。でも、俺と同じ歳の頃かぁって思うと、なんかまだまだだな、俺……って思いますね。櫻井さんにとって憧れの人って誰だったんですか?

櫻井:やっぱり地元の先輩だったBOOWYももちろん憧れでしたけど、僕は個人的に沢田研二さんは憧れでしたね。逹瑯くん若いからあんまり知らないよね。

逹瑯:そうですね。あんまり詳しくは……。テレビの懐かし映像とかでは見た事ありますけど。

櫻井:当時ね、小学生だった頃に沢田研二さんを見て、すごく惹かれたんですよ。“なんだろ? この化粧したケバいお兄さんは!?”っていうところからだったんですけど、すごく惹かれたんですよね。

――日本のグラムロックの走りでもありましたからね。

逹瑯:そうなんだぁ。俺はそういう意味で衝撃を受けたのは、hideさんでしたね。BUCK-TICKは兄ちゃんの影響なんですよ。兄ちゃんが、6つ上と8つ上で、「SEX FOR YOU」とかをバンドで演奏してるのを見て知ってた感じだったんです。でも、もうちょっと歳を重ねてから、テレビでBUCK-TICKの『Six/Nine』の全曲紹介をしてるのを見て、“え!? BUCK-TICKって、あのBUCK-TICK!?”って思って、そこからめちゃめちゃハマったんです。即効CD屋行ってアルバム買って、相当カラオケで歌いまくってましたからね(笑)。

櫻井:あははは。ありがとうございます。でも、『Six/Nine』の頃は、一番自分たちがカチッと固まって、“これをやるんだ!”って思えた時でもありましたね。

逹瑯:『Six/Nine』から遡って聴きあさったんですよ。今回トリビュート・アルバムに参加させてもらうのに、選曲の段階ですっごい迷ったんですよ。「キラメキの中で…」もやりたいし、「DTD」もやりたいしってなって。でも、「DTD」をやるなら、93曲目に入れてくんなきゃヤダなとか(笑)、そんな話をしてるだけで楽しかったですね。

櫻井:そこまで言ってもらえるなんて、本当に嬉しいなぁ。

逹瑯:そうこう言ってる間に、みんなにやりたい曲先に取られちゃって(笑)。早く早く!って。でも、そこで、あれ!? 誰も「JUPITER」やってなくない? 「JUPITER」いいよね!って話になってメンバー一致で決まったんです。

――曲を決めるまでにすっごく時間がかかったって言ってましたからね。まだ決まんない……って(笑)。

櫻井:嬉しいですね、そこまで。でも、MUCCの「JUPITER」すごく良かったですよ。みんな結構初期の頃の、8ビートな曲を選曲してくれていたので、ゆっくりした曲がなかったので、MUCCが「JUPITER」をやってくれたから、アルバム的にもすごくいい流れになったと思っているんですよ。

逹瑯:そう言ってもらえるとウチらも嬉しいです。

――逹瑯くんは最初、何やりたかったの?

逹瑯:俺はね、「ミウ」やりたかったんだよね。

――やっぱりあの歌い出しが?

逹瑯:そう。印象的でね。でも、リーダー(ミヤ/G)は初期の頃のテンポの速い曲やりたいって言ってたから、「ミウ」じゃないんだよなぁって悩んでて。俺は歌モノやりたかったんですよね。ベースのYUKKEは、他のバンドがみんな初期曲をやるって言ってるから、最近の曲のがいいんじゃない? って言ってて。ドラム(SATOち)は、俺まで言い出したらまとまらなくなるから、任せるよって言い出して(笑)。本当に命かけてましたからね。「極東」もやりたいけど、あの曲をアレンジ崩すのはね……とか、本当に真剣に悩みましたよ。

櫻井:じゃぁ、今度はぜひ、「ミウ」で参加して下さいよ、逹瑯くん。

逹瑯:もぉ、喜んで! いつでも呼んで下さい!

櫻井:ムックも15周年なんだもんね。すごいことだと思うよ。僕たちも25年ですけど、15周年のあたりがバンドとしては一番脂も乗って、いろんなことができる時だと思うので頑張って下さいね。こうしてお会いできて本当に良かったと思ってます。すごくパワーをもらいました。本当にありがとうございました。またライヴも一緒にできたらいいですね。

逹瑯:ぜひ! 本当にいろいろとありがとうございました!

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