jealkb、対バンツアー最終日に原点回帰を示唆か
▲ジュエル警備員 |
▲ダイヤモンド |
▲ルビー |
▲オパール |
▲ジュエル警備員 |
▲jealkb |
▲haderu |
▲dunch |
▲hideki |
▲elsa |
▲jealkb+ジュエル警備員 |
◆jealkb<異色薔薇ノ歌合戦>画像
開場中には、人気長寿番組『笑点』のパロディVTR『ビジュアル笑点』が流れ、Bコース、じゃぴょん、ニブンノゴ!、ギンナナというよしもと芸人達によるショートネタやjealkbメンバーによる大喜利を披露。待ち時間も楽しんでもらおうというニクい演出が光っていた。
まず対バンツアーを始めた経緯について、haderuはVTRで「もう一つ上のステージに上がるためには、ほかのバンドから刺激をもらうのもいいんじゃないかと考えたため」とコメント。今回のツアーを経て「違う部分が覚醒して、フルスピードで走っている感じがする」(haderu)と、ツアーを通してすでに自らの成長を実感しているようだ。
一方、対バン相手のジュエル警備員はあくまで“7人”にこだわり、5人のバンド編成で再出発したjealkbを牽制。「最近のhaderuさんは、口パクなんじゃないか? あれは歌じゃない。下手だ」(オパール)と煽り、jealkbと真っ向から衝突。
ご存知の通り、ジュエル警備員とは7人編成時のjealkb自身。彼らは自らに挑戦状を叩き付けたというわけだ。chaos、moftoが脱退して2年。この2年間、自らがどんな成長を遂げたのか。自分自身へ、そしてジュアラー(jealkbファンの呼称)へと問いかけ、証明するために、同ツアー最後の戦いが始まった。
先行は、ジュエル警備員。スポットライトが当たる舞台中央に置かれたのは、宝石と思われる代物。泥棒扮するザクロがそのアイテムに近づいた途端、照明は真っ赤に。警報音が鳴り響くなか、ハンディライトを照らしながら警備服姿に身を包んだ7人が登場。
挨拶がてら「metronome」を歌い上げると、ヴォーカル・ダイヤモンドが「こんばんは、ジュエル警備員です! jealkbのコピーバンドをしてます。今日は最後の対戦相手に選んでもらいました」とMC。いきなり「moftoの……moftoじゃねぇや(笑)。なんだっけ? ル、ルビー?」とボケをかましつつも、「ルビーの緊張したギター、聴いてもらえたでしょうか」と笑顔で客席へ話しかけ、jealkbお馴染みのコール&レスポンス「会いたかった?」「イエーイ!」「会いたかった?」「イエーイ!」「会いたかった?」「イエーイ!」「……バカ、俺らのほうが会いたかったよ!」を見せて、jealkbを挑発。「5人のjealkbは物足りない。6月9日は、警備員的には鍵をかけるほうの“ロック”。家に鍵かけてきたかー! じゃあ、安心して暴れられるな!」と観客を煽る。
ツインギターが重厚に絡み合い、懐かしいあの声がコーラスとして歌の奥行きを持たせていく。jealkbに勝るとも劣らないパフォーマンスで、フロアを埋め尽くした観客を魅了していくジュエル警備員。「恋傷」「黒い砂漠」「HONEY」「How much is your love」など、初期jealkbの楽曲ばかりを選んだのは「最近のjealkbさんは、昔の曲をやらないと聞いたから」(ダイヤモンド)だそうだ。
さらには、オパールが「お久しぶりです。キーボードの石灰石、オパールです。この日のために、ひよこの仕分けのバイトをずっとやっていました(と、キーボード上で両手をクロスさせる動きをする)」と笑いを取れば、ルビーはいきなりBOOWYの楽曲を歌い出すなど、2人も久しぶりの舞台を楽しんでいる様子。笑顔でツッコミを入れ続けるダイヤモンドは、曲名を言い終わらないうちにギターを弾き始めるというルビー、そしてサファイアのボケにも丁寧にツッコみながら、MCを仕切り直す場面も。
「moftoさんが唯一作曲を手がけた“Body friction”。聞いてください」とMCがビシッと決まった際には、今度は演奏をスタートしないというセオリー通りの笑いを取りにいく面々。jealkbとは別物、コピーバンドという体ながらも、7人で演奏することを全員が楽しんでいるのがひしひしと感じられた。
そんなジュエル警備員は、jealkbにさらなる挑戦状を叩き付ける一幕も。ダイヤモンドの「コピーバンドの分際ですが、オリジナル曲を作って来ました」という言葉に、大きな歓声。「ジュアルさんのライヴを観に行った時に、“ドレミファ薔薇シド”っていう曲を作るって話してたけど、なかなか作らないから作りました」と披露されたオリジナル曲「ドレミファ薔薇シド」は、最近のjealkbの楽曲に近い、ハードなバンド・サウンド。歌い終えたダイヤモンドは「勝手に作りましたけど、jealkbさん、良かったら俺達の曲使ってください。あの人達はケツ叩かないと動かないんで」と自らを戒めるような言葉を発しながら、ニヤリを笑顔を浮かべていた。
最後は「この曲をやるだろうと思ったので、ぶっ込んでやれないようにしてやりました」と、「D.D.D」を披露。オパールの優しい歌声が響くなか、ヘッドバンキングに揺れる会場。「また7人で会いましょう!」と手を挙げるダイヤモンドの表情は、充実感に満ちていた。
いよいよjealkbが登場……という場面で、公式応援団長のsakura登場。大声援で迎えられたsakuraは、「帰って来たぞー! 俺はジュアラーだ。留守にしてごめん」とこれまでの不在を謝罪しつつ、「K-POPにハマってました」と白状。sakuraによる「いろいろ聞いたけど、jealkbしかねぇんだと思った。ゼロから応援するよ! 武道館に連れていく気でジュアラーやります!」との“jealkb”再応援宣言、ジュアラー達からは温かい拍手と歓声が起こっていた。
jealkbは先ほどのジュエル警備員とは打って変わって、シンプルに作られた舞台へ登場。まずは「AGAIST」「ROLLING」とハードな楽曲で、まずはジュアラー達を惹き付けた。
「あいつら(ジュエル警備員)もやったから、俺もやっていい? 会いたかった?」「イエーイ!」「会いたかった?」「イエーイ!」「会いたかった?」「イエーイ!」「バーカ。俺らのほうが会いたかったよ」。本ツアーでは封印していたという掛け合いを見せながら、「今日、お前らのことを思いっきり抱いてやるからな」とクサい台詞をはずかしげもなく吐くhaderu。すると、elsaが突然シンバルを鳴らす。これはハプニングだったのだが、練習した笑いだと思われるのが嫌だったのか、haderu「練習してない。今までのテンションでこうなってるだけだから!」と必死で弁明。
ジュエル警備員とは異なり、短めのMCを挟みつつ、次々とパワフルでスピード感のある構成を見せるjealkb。大人の落ち着いた雰囲気の中に、静かなる闘志が垣間見える。もちろん、それは楽曲についても然り。ジュエル警備員として自らに煽った“5人でバンドを続ける意義”をジュアラー達に焼き付けるかのような、激しいサウンドで聴かせていく。
演奏序盤にはelsaのシンバルが割れるというハプニングがあるほど激しさを増すjealkbの要求に、終始、答え続けるジュアラー達も見事! 舞台とフロアが一体化した空間は、異様なほどの熱気を放っていた。
「夢は武道館でライヴをやることです。今の状態でやるとスカスカになってしまうので(笑)、もっと多くの人に来てもらうためにも、僕らはライヴ活動を続けていきます。皆さんも僕らを愛し続けてください」と高らかに宣言したhaderu。
この後にはお馴染みのVTRも流され、彼らが対バンツアー・ファイナルの本編最後に選んだ楽曲は、メジャー・デビューシングル「誓い」そして「WILL」。
“また7人で活動を”と願い続ける彼らにとって、原点回帰の意味合いを持つようにも感じられたツアー・ファイナルは、ジュエル警備員のサファイアとオパールを迎えての「傷心マキアート」(ダンスバージョン)、ジュアラーとの掛け合いでお馴染み「shell」にて終了。
「いつか7人でやりたいと思います! また会いましょう!」。haderuのこの言葉は、近い将来、本当に実現するかもしれない。そんな期待を感じさせたライヴで幕を閉じた。
取材・文●高本亜紀
◆jealkbオフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル
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