ポール・マッカートニー「いつも誰かに先を越されたんだ(笑)」

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ポール・マッカートニーの新作『キス・オン・ザ・ボトム』が、2月8日にリリースとなる。

◆ポール・マッカートニー画像

これまでもお伝えしてきたとおり、当作は1930~1940年代に書かれた古き良きアメリカのスタンダード・ソングのカヴァーを中心にした、ポールにとって初めての試みとなるもの。プロデュースは米国音楽界の巨匠トミー・リピューマが務め、ジャズ界の女王ダイアナ・クラールが自身のバンドを率いて全面バックアップ。さらには、エリック・クラプトンとスティーヴィー・ワンダーがゲスト参加と、ポールらしい豪華な作品となっている。

そのアルバム・プロモーションの一環として、1月19日にロンドン市内のホテルにて世界各国のメディアを集めての記者会見が行われた。会見は2回に分けて開催され、1回はポール・マッカートニーのオフィシャルサイトを通じてライヴ・ストリーミングされ、途中、事前に寄せられたファンからの質問に答える場面もあった。

会見でポールは、新作がスタンダード・ソングのカヴァー集となったことについて、「ずっと前から考えていた企画だったんだけど、やろうとするとロビー・ウィリアムスとかロッド・スチュワートとか、いつも誰かに先を越されたんだ(笑)。でも今回のプロデューサーのトミー・リピューマに相談したら、そんなこと気にしないでやろう、と言ってくれたんだ」と心情を語った。

収録曲のスタンダード・ソングに関しては、「子供のころラジオで聴いたり、父親がピアノで弾いてくれたりして知った曲もある。特に「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン」には父の思い出がある」とのこと。

レコーディングは、ハリウッドの歴史あるキャピトル・スタジオを中心に行われている。

「ダイアナ・クラールをはじめとする素晴らしいジャズ・ミュージシャンをバックにして歌うので、最初はどうしていいか戸惑ったよ。今回はスタジオに入ってから、ダイアナたちとアレンジを相談しながら録音していった。とてもオーガニックな進め方で僕にとっては新鮮だった。でも後から思えば、ビートルズの頃もこんなやり方で録音していたんだよね」──ポール・マッカートニー

ファンからの「アルバムの中でお気に入りの曲は?」という質問には、「マイ・ヴァレンタイン」と「バイ・バイ・ブラックバード」と答えている。特にリード・トラックとなっている書き下ろしの新曲「マイ・ヴァレンタイン」は、新妻ナンシーとモロッコに旅行中、まさにヴァレンタイン・デーに書き下ろした曲とのことで、特別に大切な曲のようだ。

なお、2月12日にロサンジェルスで開催される第54回グラミー賞の授賞式で、ポールが演奏することも発表となった。ポールはこれまでにグラミーを14回獲得しており、今回も『バンド・オン・ザ・ラン』の再発盤が「最優秀ヒストリカル・アルバム部門」にノミネートされている状況だ。

『キス・オン・ザ・ボトム』
2012年2月8日発売
UCCO-3038 \2,600(tax in)
1.手紙でも書こう
I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter(Lyrics by Joseph Young, Music by Fred Ahlert)
2.ホーム
Home (When Shadows Fall)(Geoffrey Clarkson, Harry Clarkson, Peter Van Steeden)
3.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン
It's Only A Paper Moon(Music by Harold Arlen, Lyrics by E.Y. "Yip" Harburg and Billy Rose)
4.もう望めない
More I Cannot Wish You(Frank Loesser)
5.グローリー・オブ・ラヴ
The Glory Of Love(Billy Hill)
6.ウィ・スリー
We Three (My Echo, My Shadow And Me)(Dick Robertson, Nelson Cogane, Sammy Mysels)
7.アクセンチュエイト・ザ・ポジティヴ
Ac-Cent-Tchu-Ate The Positive(Harold Arlen, Johnny Mercer)
8.マイ・ヴァレンタイン(新曲)
My Valentine(Paul McCartney)
9.オールウェイズ
Always(Irving Berlin)
10.マイ・ヴェリー・グッド・フレンド・ザ・ミルクマン
My Very Good Friend The Milkman(Lyrics by Johnny Burke, Music by Harold Spina)
11.バイ・バイ・ブラックバード
Bye Bye Blackbird(Lyrics by Mort Dixon, Music by Ray Henderson)
12.ゲット・ユアセルフ・アナザー・フール
Get Yourself Another Fool(Frank A. Haywood, Ernest Monroe Tucker)
13.インチ・ワーム
The Inch Worm(Frank Loesser)
14.オンリー・アワ・ハーツ(新曲)
Only Our Hearts(Paul McCartney)
※Track8,12:エリック・クラプトンがギターで参加
※Track14:スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加
※2011年、ロサンジェルス、キャピトル・スタジオ、ニューヨーク、アヴァター・スタジオ、ロンドン、アビイ・ロード・スタジオにて録音

◆ポール・マッカートニー・オフィシャルサイト
◆ポール・マッカートニー・オフィシャルサイト(海外)
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