ART-SCHOOL、「2人に大きな拍手を」
2011年9月に宇野剛史(B)と鈴木浩之(Dr)の年内脱退を発表したART-SCHOOLが、現体制でのラスト・ワンマン・ライブを12月9日(金)新木場STUDIO COASTで開催した。
◆ART-SCHOOL画像
今から8年前の2003年末に日向秀和と大山純が脱退。それからしばらくして戸高賢史(G)と宇野剛史が加入。2009年には木下を除く唯一のオリジナルメンバー櫻井雄一の脱退と鈴木浩之の加入が発表。長年のファンなら、そんなバンドの歴史を踏まえて「またか」との思いを抱いただろうし、新しいファンにとっても「なぜ?」という疑問符が頭の中に浮かんだだろう。これまでと違ったのは、宇野と鈴木の脱退発表のコメントの中で、メンバー自身から「解散の可能性もあった」と明言されていたこと。4人がそれぞれどのようなモチベーションでこのステージに立つのかという不安も含め、STUDIO COASTを埋め尽くしたオーディエンスの表情には、どこか緊張感が漂っていた。
ぎこちなさを隠すことなく、平熱のままスタートしたこの日のライブ。前半はほとんどMCも挟むことなく、黙々とステージは進んでいった。しかし、やはりどこかが違う。エモーショナルだとか、一体感があるとか、そういうのではない。ただ、4人がそれぞれバラバラに全身全霊で音を鳴らしていて、それがステージの上で軋み合って悲鳴をあげているような感覚。感傷的な気持ちを吹き飛ばすように、両手を上げてオーディエンスを煽る宇野、いつになく大きなアクションで一心不乱にヘヴィなリズムを叩き出す鈴木。「今まで封じていたんですが、ここからは暗い曲しかやりません」という中盤の木下のMCに反して、フロアの熱はひたすら上昇していく。目の前には、4人の気持ちをオーディエンスがそのまま受け取って、それをステージに向けて反射させて、その光と熱で4人が最後の輝きを放つような、美しい光景が広がっていった。本編最後の「FADE TO BLACK」、木下はオーディエンスの熱狂に応えるように、思いっきりフロアに身を投じた。
「ずっとART-SCHOOLは閉じた音楽だってデビュー当時から言われてて。でも僕は人とつながりたいと思って音楽をやってたんですね。今日はすごくみんなと感情がつながってる気がして、バンドやっててよかったなって」。アンコールのMCで木下はそう語ると、「2人に大きな拍手を」と宇野と鈴木への拍手を促した。不器用な木下らしい、2人への感謝の言葉。全29曲2時間15分。2度目のアンコールとなった最後の「斜陽」のアウトロでは、ドラムの鈴木の前で3人が向き合い、最後の瞬間を慈しむようにギターとベースを奏でていた。こんなART-SCHOOL、これまで見たことがない。すべてを終えた4人はステージ前方に並んで、ちょっと恥ずかしそうに繋いだ手を一度だけ宙にあげた。
結成からちょうど12年を迎える2012年3月7日、バンドのモニュメンタルな瞬間を刻んだこの夜のライブを完全収録したDVD『ART- SCHOOL LIVE at STUDIO COAST』(ドキュメンタリー映像なども収録予定)がリリースされる。
ライター:宇野維正
写真:中野敬久
<ART-SCHOOLワンマンライブ>
2011年12月9日@新木場STUDIO COAST
1.ガラスの墓標
2.BOY MEETS GIRL
3.水の中のナイフ
4.BLACK SUNSHINE
5.DIVA
6.OUTSIDER
7.欲望の翼
8.ウィノナライダー アンドロイド
9.左ききのキキ
10.羽根
11.乾いた花
12.サッドマシーン
13.LOST IN THE AIR
14.クロエ
15.アパシーズ・ラスト・ナイト
16.リリィ
17.僕が君だったら
18.フリージア
19.MISS WORLD
20.ロリータ・キルズ・ミー
21.あと10秒で
22.スカーレット
23.FADE TO BLACK
アンコール
24.SWAN DIVE
25.シャーロット
26.foolish
27.UNDER MY SKIN
28.ニーナの為に
ダブルアンコール
29.斜陽
『ART- SCHOOL LIVE at STUDIO COAST』
2012年3月7日(水)発売
PCBP-52087 ¥4,500(tax in.)
※TOWER RECORDSオリジナル特典:ライブ音源CD
<rockin'on presents”COUNTDOWN JAPAN 11/12”>
2011年12月29日(木)
@幕張メッセ国際展示場1~8ホール
http://countdownjapan.jp/1112/
◆ART-SCHOOLオフィシャルサイト
◆ART-SCHOOL画像
今から8年前の2003年末に日向秀和と大山純が脱退。それからしばらくして戸高賢史(G)と宇野剛史が加入。2009年には木下を除く唯一のオリジナルメンバー櫻井雄一の脱退と鈴木浩之の加入が発表。長年のファンなら、そんなバンドの歴史を踏まえて「またか」との思いを抱いただろうし、新しいファンにとっても「なぜ?」という疑問符が頭の中に浮かんだだろう。これまでと違ったのは、宇野と鈴木の脱退発表のコメントの中で、メンバー自身から「解散の可能性もあった」と明言されていたこと。4人がそれぞれどのようなモチベーションでこのステージに立つのかという不安も含め、STUDIO COASTを埋め尽くしたオーディエンスの表情には、どこか緊張感が漂っていた。
ぎこちなさを隠すことなく、平熱のままスタートしたこの日のライブ。前半はほとんどMCも挟むことなく、黙々とステージは進んでいった。しかし、やはりどこかが違う。エモーショナルだとか、一体感があるとか、そういうのではない。ただ、4人がそれぞれバラバラに全身全霊で音を鳴らしていて、それがステージの上で軋み合って悲鳴をあげているような感覚。感傷的な気持ちを吹き飛ばすように、両手を上げてオーディエンスを煽る宇野、いつになく大きなアクションで一心不乱にヘヴィなリズムを叩き出す鈴木。「今まで封じていたんですが、ここからは暗い曲しかやりません」という中盤の木下のMCに反して、フロアの熱はひたすら上昇していく。目の前には、4人の気持ちをオーディエンスがそのまま受け取って、それをステージに向けて反射させて、その光と熱で4人が最後の輝きを放つような、美しい光景が広がっていった。本編最後の「FADE TO BLACK」、木下はオーディエンスの熱狂に応えるように、思いっきりフロアに身を投じた。
「ずっとART-SCHOOLは閉じた音楽だってデビュー当時から言われてて。でも僕は人とつながりたいと思って音楽をやってたんですね。今日はすごくみんなと感情がつながってる気がして、バンドやっててよかったなって」。アンコールのMCで木下はそう語ると、「2人に大きな拍手を」と宇野と鈴木への拍手を促した。不器用な木下らしい、2人への感謝の言葉。全29曲2時間15分。2度目のアンコールとなった最後の「斜陽」のアウトロでは、ドラムの鈴木の前で3人が向き合い、最後の瞬間を慈しむようにギターとベースを奏でていた。こんなART-SCHOOL、これまで見たことがない。すべてを終えた4人はステージ前方に並んで、ちょっと恥ずかしそうに繋いだ手を一度だけ宙にあげた。
結成からちょうど12年を迎える2012年3月7日、バンドのモニュメンタルな瞬間を刻んだこの夜のライブを完全収録したDVD『ART- SCHOOL LIVE at STUDIO COAST』(ドキュメンタリー映像なども収録予定)がリリースされる。
ライター:宇野維正
写真:中野敬久
<ART-SCHOOLワンマンライブ>
2011年12月9日@新木場STUDIO COAST
1.ガラスの墓標
2.BOY MEETS GIRL
3.水の中のナイフ
4.BLACK SUNSHINE
5.DIVA
6.OUTSIDER
7.欲望の翼
8.ウィノナライダー アンドロイド
9.左ききのキキ
10.羽根
11.乾いた花
12.サッドマシーン
13.LOST IN THE AIR
14.クロエ
15.アパシーズ・ラスト・ナイト
16.リリィ
17.僕が君だったら
18.フリージア
19.MISS WORLD
20.ロリータ・キルズ・ミー
21.あと10秒で
22.スカーレット
23.FADE TO BLACK
アンコール
24.SWAN DIVE
25.シャーロット
26.foolish
27.UNDER MY SKIN
28.ニーナの為に
ダブルアンコール
29.斜陽
『ART- SCHOOL LIVE at STUDIO COAST』
2012年3月7日(水)発売
PCBP-52087 ¥4,500(tax in.)
※TOWER RECORDSオリジナル特典:ライブ音源CD
<rockin'on presents”COUNTDOWN JAPAN 11/12”>
2011年12月29日(木)
@幕張メッセ国際展示場1~8ホール
http://countdownjapan.jp/1112/
◆ART-SCHOOLオフィシャルサイト
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