SKULL CANDY、キュートでポップでカラフルなNew Album『CANDY WONDER LAND』大特集

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SKULL CANDY

New Album『CANDY WONDER LAND』 2011.10.05リリース

INTERVIEW

──バンドを結成してもう5年ですが、どんな風に知り合ったの?

MAKI:5人は大学が一緒なんですよ。音大の仲間で。1人だけ違うんですけど。

TATSUYA:MAKIちゃんと僕はポピュラーコースで授業が一緒だった。仲良くなって、バンドやろうかってことになって、メンバー探そうということで。

──音大だったら、周りはみんな音楽が出来る人だものね。

TATSUYA:そうなんですよ。ホーンを入れた音楽を作りたかったけど、そのときは管楽器のことも何も知らなかったんです。とりあえず管楽器っぽいものを持っている人がいたので、食堂で適当に声をかけたんです。

MAKI:“バンドやらへん?”って。それがサックスのAYAKAちゃんとトロンボーンのUSSHI-だったんです。

──ナンパみたいだね。

TATSUYA:そうですよね(笑)。

MAKI:しかも、TATSUYAは当時髪の毛が真緑で(笑)。めちゃめちゃピアスの穴も空いてて、最初は“ちょっと考えさせてください”と言われたんですけど、その後すぐに“一緒にやりたいです。誘ってくれて嬉しいです”ということで、今に至るんです。

──他のメンバーは?

TATSUYA:ドラムの36も同じコースなんですけど、それまで一回も喋ったこともなくて。“コイツには声かけんだろう”くらいのポジションだったんですけど(笑)。

MAKI:きゃー、ヒドい(笑)。

──このインタビュー読んだら傷つきますよ。

TATSUYA:ははは(笑)。僕らのポピュラーコースは、ヴォーカル以外はエレキギターとかドラムは一期生なので、生徒数が少ないんですよ。だからドラムコースも3~4人くらいで。36以外の人は仲が良かったんですけど、もうすでに他のバンドをやってたりしていたので、36ならやってくれるだろう……と声をかけたんです。

──まずはじめは、そうやってバンドの形態から決めてメンバーを集めたわけですね。音のイメージも最初からありました?

TATSUYA:なんとなくでしかないですけどね。最初はコピーをやろうと言ってたんですよ。何日までにこの曲を覚えてきてねみたいな感じでムラマサ☆の曲をやろうとしていて。でも、何日までにコピーしてきてねって言っている間に、オリジナルの曲が出来ちゃったんです。やっぱこれやろう!と、いきなりオリジナル曲をやる方向に、すんなりと。

──音楽の好みはみんな似ているんですか?

TATSUYA:めっちゃバラバラでした(笑)。何が好きかって話はしましたけど、僕が主張しまくっていたので。今でもそうなんですけど。

──TATSUYAくんがリーダー?

MAKI:リーダーで作詞作曲もしてます。

TATSUYA:性格的にあまりリーダーっぽくないんですけど、主張だけはめっちゃしていて。これやりたい、これやりたいって。で、みんなが“あぁー”みたいな感じでついてくるしかないという。そんな風に5年くらいやってます。

──MAKIちゃん、本当のところはどうなんですか?

MAKI:こうだっていうことは曲げないんですよ。信念がすごく強いので、それが良い感じで、今もやれていますね。

TATSUYA:ワガママ言いすぎているって反省することもあるんですけどね。ちょっと言いすぎたなぁとか。

──ケンカになったりしないの?

TATSUYA:いつも一方的に僕が怒っている感じなので(笑)。

──ははは(笑)。そんな感じで新作の『CANDY WONDER LAND』も完成したわけですね。タイトルからしてすごく似合っていますね。すごく楽しいアルバムでした。

MAKI:遊園地のイメージで作ったので。

TATSUYA:一曲目の「C.W.L」は遊園地のゲートのつもりのSEなんです。遊園地に行って一日遊び回って、聴き終えたら遊園地から帰って来たみたいな感じのイメージで作ったんです。だから一曲目は、行ったことのない遊園地だったとして、ゲートをくぐるときに、“今から何があるんやろなぁ”っていう気持ちをかき立てるようなSEにしたかったんですよね。で、次の曲が突然始まって広がって行くという。

──「メリーゴーランド」に乗っちゃうわけですね。鉄板ですね。

TATSUYA:はい。でも、一日、遊園地にいてただ楽しいだけというよりは、楽しいジェットコースターもあるけど、メリーゴーランドとか観覧車って、ずっと回っていて無機質な感じもありますよね。観覧車に乗ってる人は、ハッピーな人たちもいるだろうけど、いろんな部屋があって、人によっては景色を見ながら感傷に浸っているような人とかもいると思うし。メリーゴーランドもたくさん馬がいたりして、乗っている人のそれぞれのストーリーがあると思うので、そういう一人一人の物語も描きたくて。ジェットコースターのようにテンションの上がるものもあって、そういう浸るものもあって、明日から頑張ろうっていう気持ちになれるようなメッセージも込めたかったんです。僕の場合、遊園地に行くとそういう気持ちになるんですよね。一回リセットされて、元気ももらえるので。

──ビジョンがハッキリしているんですね。制作で大変だったのは?

TATSUYA:今回からウインドシンセっていう楽器を取り入れたんですよ。今まで使っていなかったので、それを生かすのにどうやって作ろうかというのが難しくて。

──なぜウインドシンセを入れようと思ったの?

TATSUYA:こういう形態のバンドって最近多いじゃないですか。男女混合でホーンがいて、みたいな。で、だいたい、スカ的な感じで裏打ちのリズムで。似ている感じがするので、みんなと違うことがやりたい、自分らにしかできないことを探したいってことで。ウインドシンセって、吹いて音を出すんです。今までの吹くスタイルで、新しい音色も加えられるかなと思って、楽器屋で試し弾きをしたりして。スタジオも新鮮で、レコーディングがめちゃめちゃ楽しかったですよ。

──ウインドシンセの音を生かすのは難しい作業だったけど、新しいことだから楽しさのほうが強かったんですね。

TATSUYA:「もう5年も同じメンバーでやっていて、いつも一緒だと飽きてくるじゃないですか。でも、新しいことを入れたことで、バンドもいい感じになったんです。自分的なことだと、今までギターはレスポールだったけど、今回のアルバムからメインをテレキャスターに変えたんです。そうしたらサウンドがガラッと変わりました。SEも初めて作ったんです。遊び心もいっぱい入れたし、苦労もしたけど面白かったし、考えるのがすごく楽しかったです。

──歌詞は「スーパースター」だけがMAKIちゃんで、あとはTATSUYAくんが書いていますね。

MAKI:はい。アルバムの中で、一曲は私が書くことになってるんです。

──TATSUYAくんはガーリーな歌詞を書きますよね。

MAKI:そうなんですよ。私が書いているのかってよく言われます。女子より女子っぽい考え方だし、すごいロマンチストだし。

TATSUYA:女々しいってよく言われます。

──歌詞を書くときはMAKIちゃんが歌うという前提で書くんですか?

TATSUYA:それはそうなんですけど、結構自分の思っている通り書いてるんですよね。そんなにMAKIちゃんを意識したりしないです。作れば、そのキャラになるってわかっているんで。割と最初からそうだったんですよ。

MAKI:女子目線だったりするし、私が今思っていることが歌詞になっていたりするんですよ。話してないのに、なんでわかるんやろってことを歌詞にしてきたりするので凄いなと思います。私だけではなく、メンバーが思っていることなんかもシンクロしたりしてるので、そのままストレートに自分の思いを歌えます。

TATSUYA:そんな話、聞いたことなかった(笑)。良かったー。まぁ、発言とかも、同時に同じことをよく言ったりするんで。

──MAKIちゃんが書いた「スーパースター」もイメージが離れてないものね。

TATSUYA:MAKIちゃんが歌詞を書くときも相談に乗るんですよ。話の辻褄が合ってない時は言いますし。

MAKI:ははは(笑)。男の子と女の子が書いているから、やっぱり違いもあると思うので、より女の子っぽくしようとはしているんです。ウインドシンセを入れたことでサウンドがよりキラキラしたから、そういうキラキラ感とか甘い感じを出せるようには気を使いました。

──最後の曲だから、遊園地を出るときは笑顔のイメージですね。

TATSUYA:はい。全曲通して、背中を押す系ではありますよね。

──女子高生がメリーゴーランドを眺めているジャケットのイラストもとても素敵ですね。

TATSUYA:「すごく悩んだんですよ。遊園地となるとハッピーなものが浮かぶと思うんですけど、ただただハッピーなわけじゃなく、何かを背負っていて、そういうところに元気をあげられるような感じにしたくて。大人になるとしっかりしてきて、誰かに背中を押されなくても、自分でなんとかなるかもしれないけど、若い人は将来の不安とか夢もあって、落ち込みがちになったり、病んだりするじゃないですか。その未完成な感じを女子高生で出したくて。

──ライヴもたくさん決まっていますね。

MAKI:手帳を見てビックリしました(笑)。

TATSUYA:まだまだ発表していないのもあるんですよ。遊園地みたいなライヴにしたいですね。もうウインドシンセもテレキャスもライヴには導入しているんですけど、今後も柔軟に。まず一番に自分らが楽しんで、これ最高って思ってないと、聴いている人には最高って思ってもらえないですから、そういうことを大事にしながら。まずは自己満足を追求していこうと思っています。

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