ECHOES、「連帯の日」にみた、信じられるものへの渇望

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連帯しよう、日本のために、東北のために、福島のために、俺たちの未来のために──ECHOESは、オリジナルメンバーによる20年ぶりのライブを、「連帯の日」と名づけた。

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開催告知から約1ヵ月、ついにその日が現実となった。9月4日、午後5時半。福島市内にあるLive Space C-moon。200人のファンが集結。

「WARRIOR」で開演。20年前、実質的な解散コンサートとなった1991年の日比谷野外音楽堂でもオープニングを飾った曲だ。すべての観客がそれを知っているから、いきなり興奮は絶頂を極める。記録用に設置されていたビデオカメラのレンズが、拭いても拭いても、8小節ごとに曇ってしまう。熱気充満。

かつて彼らの歌は、バブルという飽食の時代に打ち込む楔だった。そのメッセージソングが、プロテストソングが、ラブソングが次々に甦る。記憶の檻から解き放たれる。すると、あの頃と同様、今を生きる我々の胸に突き刺さる。洒落たリズムを駆使するわけではない。変拍子もない。ひたすらに8ビートで押しまくる。フロアは往年の縦ノリ。突きあげる拳が波打つ。それはプリミティブなロックの裸体だ。ロックンロールの陶酔だ。

5曲目で機材トラブルに見舞われたが、それもライブ。生モノの証明。即興曲を披露し、慌てず騒がず5分の休憩を即決するあたりは、さすがの胆力。

♪早くだれか気づいて喉に突きつけられたナイフを…。「ハミング・バード・ランド」。80年代につづられた歌詞が、今もリアルに響く。80'sの芳しさがたちこめる「JACK」。ファンからの人気も高い「SOMEONE LIKE YOU」。イントロがはじまるとどよめき、歌いはじめると歓声が起きる。アンコールでは、彼ら最大のヒット曲「ZOO」も演奏。♪愛をください…。全員の声が1つに。大きな塊に。まさに連帯である。

そして、予定外のダブルアンコール。観客からリクエストの声も飛んだが、辻は「20年ぶりだから。やりたい事とやれる事は違う」と苦笑い。再び「JACK」。ラストナンバーを浴びる観客は輝いていた。信じてきたものが嘘でなかった、それを知った者の笑顔は、余りにもまぶしかった。信じるものを満喫した者の上気した表情は、余りにも美しかった。

文:藤井徹貫
PHOTO:岡田裕介

◆ECHOESオフィシャルサイト
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