シャーデー、夏のツアーでさらに大きく開花
100公演以上の世界規模のコンサート・ツアーの準備をするのは、もっとも熟練した音楽アーティストにとってもやっかいなことだ。音楽市場から長い間身を引いていたあとでこれをするのはまったく違う意味での挑戦だろう。しかし、イギリスのユニークなシンガー、SADE ADUとその同名のバンドは2001年以来の北米ツアーをスタートするにあたって、なんの準備もしないのがいちばんだと考えた。
「正反対のことをするの。そんなことは起こらないというフリをして、現実逃避の一手段としてプロダクションの細部に没頭するの」とADUは言う。「そのときが来たら、水の深さを調べたりせず、いきなり飛び込むのよ」
彼女の本能はとても役に立っている。2010年にリリースされた6THアルバム『SOLDIER OF LOVE』に続くライブ・ネイション・プロデュースのアリーナ・ツアーはこの夏のコンサート・ビジネス最高の成功物語のひとつとなっている。ツアー業界にとってこの知らせは、多くのツアーが延期、キャンセルされた昨年の悪状況の嬉しいリバウンドのように受け止められている。
6/16にバルチモアの1STマリーナ・アリーナで幕を開けた北米ツアーは8/14にまでの36回のコンサートで345,441人を動員し3140万ドルの収益を上げた。そのうち16公演がソールドアウトになっている。6/1の段階で彼らは最高収益ツアーの8位にランクしている。チケットの値段は20ドルから180ドルとさまざまだ。
「SMOOTH OPERATOR」、「IS IT A CRIME?」、「THE SWEETEST TABOO」などのクラシックと共に、2時間の公演ではADUと8人のミュージシャンのバックのジャンボサイズのLEDスクリーンに様々なビデオやイメージが映し出される。長年のコラボレーターであるSOPHIE MULLERがクリエイティブ・ディレクターに起用され、PINKやTINA TURNERを手がけたBAZ HALPINがプロダクションやライティングのデザインを担当している。
「ショーのセットアップに関与するやり方のおかげで彼女はパフォーマーとして進化することが出来たのです。普段、彼女は控えめで、簡潔なほどいい……というタイプのパフォーマーですが、今回は大きく花開いています。それを観客が感じているのがわかるのです」とMULLERは語っている。
◆ニュース提供:ビルボード
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