GARNET CROW、誰もが笑顔になれるポジティヴソングの完成形「Smiley Nation」特集

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GARNET CROW

最新シングル「Smiley Nation」2011.6.29 Release

INTERVIEW

――10周年イヤーを経て、今はどんな気持ちですか?

中村由利(以下、中村):2010年はライヴも多かったし、ファンの皆さんと直接会える機会がすごく多くて、そこで元気をもらったり、実際に感想が聞けたり、反応を見ることができたので、それによって自分たちもさらにやる気が出て、パワーをもらって元気になれたというか。忙しいながらも、楽しい1年を過ごしたんです。それがまだ続いている感じがしていて、途切れてないんですよね。

――東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団とライヴで共演したり、初挑戦もしていましたよね。

中村:すごく刺激になりましたよね。ポップスってアタック楽器が多いから、アタマの拍をピッタリ00秒で合わせるという世界ですけど、オーケストラってそうじゃないんですよ。音の立ち上がりがゆったりだから。私たちが考える一拍と違うんですね。そのズレに慣れるのにすごく大変でした。指揮者の呼吸とか空気で合わせる。こちらは数字で合わせる。それが合わなければ気持ち悪いって耳になっちゃってるんですね。その音の捉え方の違いが勉強にもなりましたし、GARNET CROWの曲がオーケストラで演奏されるとクラシックになるというのも驚きだったし。普通のライヴでは味わえないテンポ感だったり、空気感だったり……音楽って生き物なんだなって思いました。

――刺激的な体験でしたね。

中村:本当にいい経験になりましたし、発見がありました。同じ音楽をやっているのに、どこに焦点を置くかでこうも空気感が変わってくるんだなって。ピッタリ合う気持ち良さももちろんあるけど、呼吸で奏でる音楽も心地よい。私たちはピッチリした音楽に慣れすぎているんだなって。そこにこだわらなくても、もっともっと幅広く音を見ていくことも必要なんだなって。

――そんな一年を受け、2011年は?

中村:2011年はアニバーサリーではないですけど、ハッピーな余韻はありますね。去年もらったパワーを、今度は自分たちが一生懸命作品に還元する年なのかなと思っています。

――そんな気持ちは、ニューシングル「Smiley Nation」にも表れていますね。もうすでに配信もされていて、ファンの方にはお馴染みの曲でもあるそうですが。

中村:作ったのは2010年なんですけど、意図せずして、今伝えたいことともリンクしているんですよね。他にもストックがいっぱいあったんですけど、ポジティヴで笑顔になれる曲をリリースしたいねってことで。震災があったのちのリリースでもあったので、聴いてもらって少しでも笑顔になれる曲なら、この時期にリリースする意味もあるのかなって。「がんばって」とか、そういう具体的なメッセージではなくて、聴いたら笑顔になれるようなものがいいと思ったし、震災を受けてのリリースではないけど、色んなことが重なって、このタイミングでリリースするなら、この楽曲が一番じゃないかなと。しかも、2010年のアニバーサリーイヤーを経て出来た曲ですから、支えてくれたファンの皆さんがいなければ出て来なかった曲ですからね。

――GARNET CROWにしては珍しくポジティヴな曲ですものね。

中村:そうなんですよね。自分たちの得意とするのは切なさとか憂いとか儚さ。哀愁を帯びたミディアムテンポのバラードだったり。カップリングの「八月の夜」のような曲に代表される世界観だったりするんで。私たちもそういう曲を好んで今まで作ってきたので。「Smiley Nation」のようにポップで突き抜けたような勢いのある曲は珍しいんですけど、あえてこういう曲を描きたいと思ったのは去年があったからなんです。皆さんに感謝ですよね。その感謝の気持ちが曲に表れています。

――口ずさみたくなるようなポップさがあるんですけど、実は転調をいっぱいしていて、難しい曲ですよね。

中村:そうそう、実は(笑)。やりすぎてますよね。転調が多いし、歌うほうは大変なんです。エネルギーがいります。オケ自体も分厚くて音数も多いので、そのオケに負けないように歌にもエネルギーを入れなければいけないから集中力もいります。短期決戦で、一回で唄い切るという勢いで。すごくエネルギーのこもった曲なんです。

――ファンの方からもらったエネルギーがあったからこそ唄い切れた曲でもありますね。

中村:うん、そうかもしれない。今年最初のシングルですから、次にライヴをやるときには必ず披露しなければいけないわけですよ。作っているときは、「この曲難しいからライヴでやりたくないわ」ってみんな言ってたんです(笑)。でもシングルになったので、「どうする?」って、言ってますね。

――Aメロ、Bメロ、サビと、全部違いますからね。

中村:そう。コードがどんどん変わっていくので。転調+サビでは1音ずつコードも違う。ライヴで再現することをぜんぜん考えていなかったので、まとめるのが大変ですよ(笑)。

――ただ、歌詞のストーリー性を伝えるのに必要な展開ですよね。Aメロでは切ない内容で、サビに向かってどんどん前向きになっていくから。この転調するメロディだからこそ、伝わると思います。

中村:一気に勢いをつけて作詞をしたとは言ってましたね。未来に対するワクワク感とか、希望とか、それを言われなくても感じられる作品になっているから。この時期だからこそ、皆さんにも響くものがあるんじゃないかなと思って。そういう部分を聴いていただきたいです。GARNET CROW流のポップソングを極めたというか。これから何かが起こりそうな感じというのを大事にしながらアレンジもしたんです。だから、イントロのしょっぱなからグリッサンドが入ってるじゃないですか(笑)。ノッケからテンションマックスで来るので、「勢い」とか「鮮度」を瞬間パッケージしているというか。

――これはもうライヴも勢いで。演奏や歌が大変でも、ファンの方も一緒に歌ってくれますし。

中村:ぜひ練習して、一緒に歌ってほしいですよね。慣れれば歌えるようになるので。サビ前の「♪Ho~」もぜひ一緒に歌ってほしい。自分流でいいので。曲自体も「動」のGARNET CROWを感じてもらえるから、CDを聴いたときも「え?これがGARNET CROW!?」って、驚きを持ってもらえると、「やった!」って感じですね。ジャケットも、極限まで爽やかさを追求しているので(笑)。

――新鮮でしたし、素敵です。カップリングの「八月の夜」は王道ですね。

中村:これはGARNET CROWらしいので、ずっとファンの方は、こっちの曲のほうが安心するんじゃないかな。GARNET CROWの得意とする憂いとか切なさたっぷりのミディアムチューンなので。文句無しの曲だと思います(笑)。泣かせどころもいっぱいあるし、イントロとかアウトロのシンセリードとか、味も出ているし、ポイントがわかっているけど泣けちゃうっていう、GARNET CROWの王道スタイルをとってはいるんだけど、この季節にも馴染む、重すぎない“切なポップ”を聴いていただけるんじゃないかと思います。歌詞もアレンジも、心地よさに包み込まれるような、そんな感覚を大事にしています。そういう安心感も皆さんに感じていただけるんじゃないかな。肩の力を抜いて、気負わず、一日の終わりにリラックスして聴いていただければ。

――収録曲2曲で幅のあるシングルになりましたね。

中村:ね! ちょっと対照的。昼の曲と夜の曲になりましたね。日中、元気が必要なときは「Smiley Nation」を聴いてもらって。「八月の夜」は、「お疲れさまでした! 今日も私、頑張ったな」ってときに聴いてください。

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