ナイトメア、「今年だけじゃなく長いスパンで」震災復興支援を誓う

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宮城県出身の5人組ヴィジュアル系バンド、ナイトメアが、3月31日(木)新木場スタジオコーストで<Nightmare 東日本大震災支援LIVE「publish & recover!」>を行なった。この日のライヴは当初、3月11日(金)に同所で行なう予定だったライヴの振り替え公演だったが、急遽、公演名と内容を変更し、東日本大震災の復興支援ライヴとして実施された。

◆<Nightmare 東日本大震災支援LIVE「publish & recover!」>画像

客電が点いたままの明るい無音のステージに、哀悼の意を表わすような黒衣を纏ったメンバーがしずしずと現われ、静かな口調でYOMI(Vo)が語り始めるという異例のオープニング。

「3月11日に東日本大震災が発生して、自分たちの地元だけではなく、多くの方々が被災されました。延期になったライヴをやるか、悩みました。でも、いま自分たちのできることをやろうと決めました。今日は、3月11日に予定していたセットや照明ではなく、最小限のものでやります。ライヴの前に、お亡くなりになった方たちに、黙祷を…」

2階席の関係者にも起立を促して黙祷を捧げた後、このライヴとグッズ収益の一部を「あしなが育英会」の津波遺児募金に寄付することを告げ、「俺たちとお前たちの想いが被災地に届くように」というYOMIの言葉でライヴはスタートした。

RUKAのマーチング・ドラムから始まる「Parade」、そして「Can you do it?」「Mr.trash music」「ジャイアニズム究」と、最新オリジナル・アルバム『majestical parade』(2009年5月発売)収録曲を畳み掛ける。普段のライヴであれば、瞬時にオーディエンスの熱気が渦になる楽曲たちでありながら、この日は違った。

いつにない張り詰めた空気が場内を支配する。そんな空気を察してか、YOMIが「大丈夫? テンション下がってない?(笑)」といってオーディエンスを和ませ、「今日を迎えるまで不安だったけど、みんなの無事そうな顔を見て安心しました」と笑顔を見せた。

その言葉と笑顔をきっかけに、ライヴは次第にいつもの熱気を取り戻していく。メンバーの心情を慮るファンと、その気持ちに応えるように全身全霊で演奏するメンバーたち。「自分たちができることを一つ一つやっていく」と決意し、この日のライヴに挑んだナイトメアのパフォーマンスが胸を打った。

また、本編のラストで、近年のライヴではあまり聴くことができなかった「Lost in Blue」と「Morpho」という2曲が演奏されたことも印象的だった。クリアトーンのギターが心地よく、聴き手の心を救い上げるような美しいメロディは、この日のライヴだから特別な意味合いをもって聴こえたのかもしれない。と同時に、これから先もバンドとともに時間を重ねていきながら、その瞬間でしか鳴らせない音で聴かせていってほしいと思った。

アンコールでは、「結成10周年が終り、新たなところでスタートを切ります」と、すでにオフィシャル・サイト上では告知されていたavexへの移籍をファンの前で正式に報告。移籍第一弾シングルとなる「VERMILION.」(5月18日発売)も披露された。変拍子とダブル・ギターの鮮やかなアンサンブルが、ナイトメアならではのキャッチーでトリッキーな後味を残す楽曲ではないかと感じた。

そしてアンコールの最後。YOMIはメンバーを代表して「今年だけでなく、2年、3年、長いスパンの中で(復興に)協力してくれたらうれしいです」とファンに語りかけながら、被災を受けた地域と人々への支援を誓い、これまでに幾度もナイトメアのライヴのエンディングを飾ってきた「Star[K]night」へ。しかし、この日の「Star[K]night」はこれまでとは明らかに違って聴こえた。

“あの時君が失った物は
夜空の向こうの星になった
濡らした頬は何時かかわいて
きっと羽ばたけるから”

そう歌われるサビのフレーズが、この日はひときわ胸の奥深くに沁み入り響いてきた。大合唱するオーディエンスの声を全身で受け止めるように、両手をいっぱいに広げたYOMIの姿が、まだ目に焼きついている。そして、終演を告げるアナウンスが繰り返されても鳴り止むことはなかった再びのアンコールを求めるオーディエンスの声は、メンバーの耳にも聞こえていたはずだ。この声は、ナイトメアの新たな扉を開けるカギのひとつに違いない。そう確信する一夜だった。

この日、メンバーの口から今年じゅうにニュー・アルバムのリリースを予定していることも発表された。新天地avexでのさらなる飛躍に期待している。

終演後、会場内での関係者挨拶の場でNi~ya(B)と話すことができたのでこの日のライヴについて訊いてみると、やはりその胸中は複雑だったようだ。しかしながら、「ファンのみんなの顔を見たら、やってよかったと思えた。ライヴやってる場合じゃないだろって思ってたけど、俺らがやれることがあるって感じさせてもらえた」と、心境を語ってくれた。

取材・文●望木綾子(編集部)

2011年3月31日(木)新木場スタジオコースト
<Nightmare 東日本大震災支援LIVE「publish & recover!」>
1. Parade
2. Can you do it?
3. Mr.trash music
4. ジャイアニズム究
5. ネオテニー
6. Criminal baby
7. MASQUERADE
8. ByeBye(新曲)
9. Cynical Re:actor
10. ジャイアニズム罰
11. NAKED LOVE
12. メビウスの憂鬱
13. 惰性ブギー
14. ジャイアニズム碌
15. Lost in Blue
16. Morpho
Enc 1. VERMILION.(新曲)
Enc 2. クロニクル
Enc 3. a:FANTASIA
Enc 4. ジャイアニズム天
Enc 5. Star[K]night

avex移籍第1弾シングル
「VERMILION.」
2011年5月18日発売

【Type A】CD+DVD
YICQ-10079/B ¥1,890(tax in)
[CD]
1. VERMILION.
2. ByeBye
[DVD]
「VERMILION.」Video Clip

【Type B】CD+DVD
YICQ-10080/B ¥1,890(tax in)
[CD]
1. VERMILION.
2. ByeBye
[DVD]
「ByeBye」Video Clip

【Type C】CD only
YICQ-10081 ¥1,260(tax in)
[CD]
1. VERMILION.
2. ByeBye
3. trauma

<NIGHTMARE Tour 2011 the time rewind to ZERO>
●4月15日(金)戸田市文化会館
OPEN/START 18:00/18:30
info. ディスクガレージ 03-5436-9600
●4月20日(水)大阪国際会議場メインホール
OPEN/START 17:30/18:30
info. キョードーインフォメーション 06-7732-8888
●4月27日(水)東京エレクトロンホール宮城【会場変更】⇒4月27日(水)Zepp Sendai
OPEN/START 17:30/18:30
info. キョードー東北 022-217-7788
●5月1日(日)愛知県芸術劇場大ホール
OPEN/START 16:00/17:00
info. サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
●5月3日(火)広島アステールプラザ大ホール
OPEN/START 16:30/17:00
info. キャンディープロモーション 082-249-8334
●5月4日(水)福岡国際会議場メインホール
OPEN/START 16:30/17:00
info. キョードー西日本 092-714-0159
●5月8日(日)東京国際フォーラムホールA【延期】
⇒6月27日(月)東京国際フォーラムホールA
OPEN/START 17:30/18:30
info. ディスクガレージ 03-5436-9600
【チケット料金】
全席指定 ¥5,500(tax in)
◆チケット詳細&購入ページ
※3歳以上有料、3歳未満入場不可
※変更に関するチケット払い戻しなど、詳細はオフィシャル・サイトにてご確認ください

◆ナイトメア オフィシャル・サイト
◆東北地方太平洋沖地震にまつわる音楽・アーティスト関連情報ページ
◆BARKS ヴィジュアル系チャンネル
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