ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート、渾身の新作を語る
ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートの新作『ビロング』が完成、3月16日にリリースとなる。新世代のシューゲイズ/インディポップ・バンドによる渾身のセカンド・アルバムだ。
◆ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート画像
全世界で絶賛を得た前作から2年、早くも彼らは傑作たる作品を生み出してしまったようだ。「このアルバムには間違いなく僕らが当初から考えていたことが詰まっている。より差し迫って、よりノイジーで、より美しいアルバム。そう、僕らはノイズとポップを信じることを止めたことはなく、このアルバムで両方をより前進させることができたんだ。前のアルバムより本能的で、不可欠で、現実的だ。感情ではなく感覚的にね」とキップ・バーマン(Vo、G)は語る。
『ビロング』は、フラッド(U2、スマッシング・パンプキンズ、シガー・ロス他)とアラン・モウルダー(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、スマッシング・パンプキンズ、ジーザス&メリーチェイン他)という、申し分のないプロダクション/ミキシング・チームでレコーディングされた。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインからの影響は言うまでもなく、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートはスマッシング・パンプキンズの『Siamese Dream』をフェイバリットの1枚であると公言している。
──新しいアルバム、素晴らしかったです。出来には満足していますか?
キップ・バーマン:どうもありがとう!僕たちは今回、本当に特別なチャンスを掴むことができたと思うよ。だって、自分達が昔から思い描いていたサウンドで、僕らの曲をレコーディングできたんだからね。
──アルバムを作るにあたって何かコンセプトやテーマみたいなものは持っていましたか?
キップ・バーマン:そうだね、脆さやポップなフィーリングを維持しながらも、本能的でパワフルな感じのサウンドにしたかったな。
──アルバムの曲作りはいつごろ始めたのですか?何曲位、アルバム用に曲を用意したのですか?
キップ・バーマン:ファースト・アルバムのレコーディングが終わった瞬間から書き始めたよ。だから2008年かな。だいたい25曲くらいは書いたよ。で、そのうちの4曲は『ハイアー・ザン・ザ・スターズ』EPに使って、2曲は7インチの『Say No To Love』に使った。で、アルバム『ビロング』のBサイドとして4曲を使って、10曲が実際にアルバムに収録された。残りの曲はあんまり満足できる出来ではなかったんだ。だから今後、それらをレコーディングすることはないよ。
──曲はどのようにして作るのですか?
キップ・バーマン:歌詞は僕が書く。で、ベーシックな作曲も僕がする。そして他のメンバーは、自分自身でそれぞれのパートを自由に演奏するんだ。ぼくはギターしか弾けないから、どうやってクールなドラムやベース、キーボードのパートを作ったら良いかはわかんないんだよね。
──なぜフラッドとラン・モウルダーに仕事を依頼することにしたのですか?
キップ・バーマン:フラッドとアラン・モウルダーは僕らのヒーローだったんだ。だって僕らが大好きな素晴らしいアルバムを手がけてきたからね。ジーザス・アンド・メリー・チェイン、ライド、スマッシング・パンプキンズ、ジ・アソシエイツ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン…。どれも最高だよ!だから彼らとやることにしたんだ。普通、僕らのようにインディ・レーベルに所属しているバンドが彼らと仕事をするなんて、ほぼ不可能なことだよね。けど僕らはラッキーなことに、そのチャンスがもらえたんだ。
──彼らが手がけたアルバムで好きな作品を教えてください。
キップ・バーマン:じゃあ、幾つか具体的あげてみるよ。スマッシング・パンプキンズ『サイアミーズ・ドリーム』、ジーザス・アンド・メリー・チェイン『ハ二-ズ・デッド』、ジ・アソシエイツ『SULK』、カーヴ『二重人格』、ライドの『ゴーイング・ブランク・アゲイン』、デペッシュ・モードの『ヴァイオレイター』といったところかな。
──彼らとの作業がはどうでしたか?
キップ・バーマン:彼らとのレコーディングは本当に素晴らしい体験だったよ!彼らは、今までの僕らのやり方を変えるのではなく、より良い僕らを引き出してくれたんだ。確かに良いスタジオで彼らにレコーディングしてもらうと、それぞれの楽器のサウンドは格段に良くなるとは思うよ。けど、最も重要だった事は、彼らは僕らの弱点に気づいていながら、逆にその弱点を僕らのアピール・ポイントだとも考えてくれたことなんだ。そして、その弱点をレコーディングで覆い隠すこともしなかったんだ!
──彼らと仕事をしてどんなことを学びましたか?
キップ・バーマン:本当に色々なことを学んだよ。ひとつだけをあげるのはフェアじゃないと思うけど、ベースに関しての新たな考え方を、レコーディングを通して教えてもらった。これはとても良かったことだね。ただ単純にたくさんのギター・パートを重ねてレコーディングすることは、必ずしもいつも良い結果をもたらすものではない、ということに僕らは気付いてはいなかったんだ。けど、ベース・パートを上手くレコーディングできれば、曲を適切な方向に変えることは可能になるんだよね。それを教えられたよ。
──レコーディング中の面白いエピソードなんてあったりしますか?
キップ・バーマン:「トゥー・タフ」の始まりのクリック音は、グラミーをとったプロデューサー、フラッドがプレイしたんだ(笑)。
──アルバムの中であなたが一番好きな曲を一曲あげてください。
キップ・バーマン:ちょっと答えるのは難しいな。一曲あげるのは難しいよ。「ビロング」と「ストレンジ」、この2曲はとてもエモーショナルだとは思うけどね。けど最初の質問にあったとおり、僕は25曲を書いて、このアルバムに収録した10曲(それと『ハイアー・ザン・ザ・スターズ』の4曲)を気に入った。それは間違いないよ。
──あなたたちの作品のアートワークはいつも素晴らしいですが、今回、フロント・カヴァーの絵は誰が書いたのでしょうか?
キップ・バーマン:ブルックリンの若いアーティスト、Winston Cmielenski(www.wi-ch.com)が描いてくれたんだ。7インチの『Say No To Love』から、彼は僕らの作品のアートワークを手がけてくれているんだよ。その前は、Kendra Rutledgeという写真家の写真を使っていたんだ。
──最近のニューヨークのミュージック・シーンはどんな感じですか?気に入っているバンドはいますか?
キップ・バーマン:ニューヨークにはいつも良いバンドがたくさんいるよね。最近気に入っているのは、Big Troubles、Murder Mystery、Zaza、Hooray for Earth、Minks、The Hairsといったバンドかな。
──最近気に入っているインディポップやシューゲイザーのバンドを教えてください。
キップ・バーマン:最近はフェルトみたいなサウンドを持っているニューヨークのバンドが好きなんだ。例えばMinksとか。あと今風の音じゃないけど、Wild Nothingが気に入っている。彼らは自然で繊な音を鳴らすインディポップ・バンドだよね。あと最近のシューゲイザーのバンドにはあまり詳しくはないんだけど、そうだな、The Catherine Wheelのアルバム『Chrome』をよく聴いてるかな。気がついたらこのアルバムに入っている「The Nude」という曲を10回もリピートしたりしてるんだよ。
──では、あなたの人生のなかで重要な5枚のアルバムを、ちょっとしたコメントをつけてあげてもらえますか?
キップ・バーマン:まずフェルトの『ミー・アンド・ア・モンキー・オン・ザ・ムーン』。僕はフェルトが大好きなんだ!このアルバムは彼らの最も有名なアルバムではないけれども(もっとも彼らは有名なアルバムを一枚も持ってないけどね)、一番エモーショナルなアルバムのように思うんだ。とにかくローレンスは天才だよ。このアルバムでの彼は、本当にリアルで繊細だ。次は、スマッシング・パンプキンズの『サイアミーズ・ドリーム』。この後にリリースされた彼らのどんなアルバムよりもこの一枚が好き。なぜなら、自分達が本当に重要なバンドだ、ということに気づく前の彼らを克明に記録しているからね。このアルバムの後、彼らはダークでアグレッシヴになっていくんだけど、『サイアミーズ・ドリーム』には誠実さを強く感じるんだ。3枚目は、デビッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』。音と視覚、この両方を兼ね備えた70年代初期のアルバムを見つけることはとても難しいんだけど、このアルバムはその両方を持っていて、ここから僕はグラム・ロックを知ったんだ。そして今でも僕のお気に入りの1枚なんだよ。次は、レディオヘッドの『ザ・ベンズ』。彼らがやってきたことのほとんどは賞賛されるべきだけど、個人的にこのアルバムが彼らの作品の中では断然に好き。最後に、ヨ・ラ・テンゴの『ペインフル』。ペギーとバンドを始めた時、よく一緒に出かけたりしてたんだ。その時、お互いが好きなアルバムをよく聴いていたんだよ。そんな時に2人で1番たくさん聴いたのが、このアルバム。
──2011年、フジロックに出演すると聞きました。フジロックのことを知ってましたか?あと、フジロックで演奏する意気込みを聞かせてください。
キップ・バーマン:フジロックは有名だからね。もちろん知ってるよ。僕らは初めて日本に行った時、200人くらいの前でプレイしたんだ。で、少なくとも300人の人はフジロックには来るよね?もっとくるのかな?とにかくフジロックでプレイできるなんて、名誉なことだよ。
2009年リリースのデビュー・アルバム『ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート』は全世界で大きな評価を獲得、シューゲイズ/インディポップ・ファンは諸手を挙げて同作品を絶賛し、Pitchfork、NMEをはじめ、ほぼ全てのプレスが同年の年間ベスト・アルバムの一枚に同アルバムを選出した。ここ日本でも、全国のCDショップ店員が選ぶ“CDショップ大賞”の洋楽部門でレディー・ガガに続く準大賞を獲得し、まさに草の根的なかたちでヒットを記録している。
セカンド・アルバム『ビロング』からのファースト・シングル「Heart In Your Heartbreak」は既にPitchforkの“ベスト・ニュー・ミュージック”に選ばれている。『ビロング』は日本盤ボーナス・トラック収録&初回盤のみデジパック/ピクチャーディスク仕様にて、日本先行発売となる。
『ビロング』
2011年3月16日発売(日本先行発売)
YRCG-90056 ¥2,300(TAX IN)
※解説/歌詞/対訳付/日本盤ボーナス・トラック収録
1.BELONG/ビロング
2.HEAVEN’S GONNA HAPPEN NOW/ヘヴンズ・ゴナ・ハプン・ナウ
3.HEART IN YOUR HEARTBREAK/ハート・イン・ユア・ハートブレイク
4.THE BODY/ザ・ボディ
5.ANNE WITH AN E/アン・ウィズ・アン・イー
6.EVEN IN DREAMS/イーヴン・イン・ドリームズ
7.MY TERRIBLE FRIEND/マイ・テリブル・フレンド
8.GIRL OF 1,000 DREAMS/ガール・オブ 1,000 ドリームズ
9.TOO TOUGH/トゥー・タフ
10.STRANGE/ストレンジ
11.THE ONE/ザ・ワン*
12.I WANNA GO ALL THE WAY/アイ・ワナ・ゴー・オール・ザ・ウェイ*
13.STEEL DAUGHTER/スティール・ドーター*
14.TOMORROW DIES TODAY/トゥモロウ・ダイズ・トゥデイ*
*日本盤ボーナス・トラック
◆BARKS洋楽チャンネル
◆ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート画像
全世界で絶賛を得た前作から2年、早くも彼らは傑作たる作品を生み出してしまったようだ。「このアルバムには間違いなく僕らが当初から考えていたことが詰まっている。より差し迫って、よりノイジーで、より美しいアルバム。そう、僕らはノイズとポップを信じることを止めたことはなく、このアルバムで両方をより前進させることができたんだ。前のアルバムより本能的で、不可欠で、現実的だ。感情ではなく感覚的にね」とキップ・バーマン(Vo、G)は語る。
『ビロング』は、フラッド(U2、スマッシング・パンプキンズ、シガー・ロス他)とアラン・モウルダー(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、スマッシング・パンプキンズ、ジーザス&メリーチェイン他)という、申し分のないプロダクション/ミキシング・チームでレコーディングされた。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインからの影響は言うまでもなく、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートはスマッシング・パンプキンズの『Siamese Dream』をフェイバリットの1枚であると公言している。
──新しいアルバム、素晴らしかったです。出来には満足していますか?
キップ・バーマン:どうもありがとう!僕たちは今回、本当に特別なチャンスを掴むことができたと思うよ。だって、自分達が昔から思い描いていたサウンドで、僕らの曲をレコーディングできたんだからね。
──アルバムを作るにあたって何かコンセプトやテーマみたいなものは持っていましたか?
キップ・バーマン:そうだね、脆さやポップなフィーリングを維持しながらも、本能的でパワフルな感じのサウンドにしたかったな。
──アルバムの曲作りはいつごろ始めたのですか?何曲位、アルバム用に曲を用意したのですか?
キップ・バーマン:ファースト・アルバムのレコーディングが終わった瞬間から書き始めたよ。だから2008年かな。だいたい25曲くらいは書いたよ。で、そのうちの4曲は『ハイアー・ザン・ザ・スターズ』EPに使って、2曲は7インチの『Say No To Love』に使った。で、アルバム『ビロング』のBサイドとして4曲を使って、10曲が実際にアルバムに収録された。残りの曲はあんまり満足できる出来ではなかったんだ。だから今後、それらをレコーディングすることはないよ。
──曲はどのようにして作るのですか?
キップ・バーマン:歌詞は僕が書く。で、ベーシックな作曲も僕がする。そして他のメンバーは、自分自身でそれぞれのパートを自由に演奏するんだ。ぼくはギターしか弾けないから、どうやってクールなドラムやベース、キーボードのパートを作ったら良いかはわかんないんだよね。
──なぜフラッドとラン・モウルダーに仕事を依頼することにしたのですか?
キップ・バーマン:フラッドとアラン・モウルダーは僕らのヒーローだったんだ。だって僕らが大好きな素晴らしいアルバムを手がけてきたからね。ジーザス・アンド・メリー・チェイン、ライド、スマッシング・パンプキンズ、ジ・アソシエイツ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン…。どれも最高だよ!だから彼らとやることにしたんだ。普通、僕らのようにインディ・レーベルに所属しているバンドが彼らと仕事をするなんて、ほぼ不可能なことだよね。けど僕らはラッキーなことに、そのチャンスがもらえたんだ。
──彼らが手がけたアルバムで好きな作品を教えてください。
キップ・バーマン:じゃあ、幾つか具体的あげてみるよ。スマッシング・パンプキンズ『サイアミーズ・ドリーム』、ジーザス・アンド・メリー・チェイン『ハ二-ズ・デッド』、ジ・アソシエイツ『SULK』、カーヴ『二重人格』、ライドの『ゴーイング・ブランク・アゲイン』、デペッシュ・モードの『ヴァイオレイター』といったところかな。
──彼らとの作業がはどうでしたか?
キップ・バーマン:彼らとのレコーディングは本当に素晴らしい体験だったよ!彼らは、今までの僕らのやり方を変えるのではなく、より良い僕らを引き出してくれたんだ。確かに良いスタジオで彼らにレコーディングしてもらうと、それぞれの楽器のサウンドは格段に良くなるとは思うよ。けど、最も重要だった事は、彼らは僕らの弱点に気づいていながら、逆にその弱点を僕らのアピール・ポイントだとも考えてくれたことなんだ。そして、その弱点をレコーディングで覆い隠すこともしなかったんだ!
──彼らと仕事をしてどんなことを学びましたか?
キップ・バーマン:本当に色々なことを学んだよ。ひとつだけをあげるのはフェアじゃないと思うけど、ベースに関しての新たな考え方を、レコーディングを通して教えてもらった。これはとても良かったことだね。ただ単純にたくさんのギター・パートを重ねてレコーディングすることは、必ずしもいつも良い結果をもたらすものではない、ということに僕らは気付いてはいなかったんだ。けど、ベース・パートを上手くレコーディングできれば、曲を適切な方向に変えることは可能になるんだよね。それを教えられたよ。
──レコーディング中の面白いエピソードなんてあったりしますか?
キップ・バーマン:「トゥー・タフ」の始まりのクリック音は、グラミーをとったプロデューサー、フラッドがプレイしたんだ(笑)。
──アルバムの中であなたが一番好きな曲を一曲あげてください。
キップ・バーマン:ちょっと答えるのは難しいな。一曲あげるのは難しいよ。「ビロング」と「ストレンジ」、この2曲はとてもエモーショナルだとは思うけどね。けど最初の質問にあったとおり、僕は25曲を書いて、このアルバムに収録した10曲(それと『ハイアー・ザン・ザ・スターズ』の4曲)を気に入った。それは間違いないよ。
──あなたたちの作品のアートワークはいつも素晴らしいですが、今回、フロント・カヴァーの絵は誰が書いたのでしょうか?
キップ・バーマン:ブルックリンの若いアーティスト、Winston Cmielenski(www.wi-ch.com)が描いてくれたんだ。7インチの『Say No To Love』から、彼は僕らの作品のアートワークを手がけてくれているんだよ。その前は、Kendra Rutledgeという写真家の写真を使っていたんだ。
──最近のニューヨークのミュージック・シーンはどんな感じですか?気に入っているバンドはいますか?
キップ・バーマン:ニューヨークにはいつも良いバンドがたくさんいるよね。最近気に入っているのは、Big Troubles、Murder Mystery、Zaza、Hooray for Earth、Minks、The Hairsといったバンドかな。
──最近気に入っているインディポップやシューゲイザーのバンドを教えてください。
キップ・バーマン:最近はフェルトみたいなサウンドを持っているニューヨークのバンドが好きなんだ。例えばMinksとか。あと今風の音じゃないけど、Wild Nothingが気に入っている。彼らは自然で繊な音を鳴らすインディポップ・バンドだよね。あと最近のシューゲイザーのバンドにはあまり詳しくはないんだけど、そうだな、The Catherine Wheelのアルバム『Chrome』をよく聴いてるかな。気がついたらこのアルバムに入っている「The Nude」という曲を10回もリピートしたりしてるんだよ。
──では、あなたの人生のなかで重要な5枚のアルバムを、ちょっとしたコメントをつけてあげてもらえますか?
キップ・バーマン:まずフェルトの『ミー・アンド・ア・モンキー・オン・ザ・ムーン』。僕はフェルトが大好きなんだ!このアルバムは彼らの最も有名なアルバムではないけれども(もっとも彼らは有名なアルバムを一枚も持ってないけどね)、一番エモーショナルなアルバムのように思うんだ。とにかくローレンスは天才だよ。このアルバムでの彼は、本当にリアルで繊細だ。次は、スマッシング・パンプキンズの『サイアミーズ・ドリーム』。この後にリリースされた彼らのどんなアルバムよりもこの一枚が好き。なぜなら、自分達が本当に重要なバンドだ、ということに気づく前の彼らを克明に記録しているからね。このアルバムの後、彼らはダークでアグレッシヴになっていくんだけど、『サイアミーズ・ドリーム』には誠実さを強く感じるんだ。3枚目は、デビッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』。音と視覚、この両方を兼ね備えた70年代初期のアルバムを見つけることはとても難しいんだけど、このアルバムはその両方を持っていて、ここから僕はグラム・ロックを知ったんだ。そして今でも僕のお気に入りの1枚なんだよ。次は、レディオヘッドの『ザ・ベンズ』。彼らがやってきたことのほとんどは賞賛されるべきだけど、個人的にこのアルバムが彼らの作品の中では断然に好き。最後に、ヨ・ラ・テンゴの『ペインフル』。ペギーとバンドを始めた時、よく一緒に出かけたりしてたんだ。その時、お互いが好きなアルバムをよく聴いていたんだよ。そんな時に2人で1番たくさん聴いたのが、このアルバム。
──2011年、フジロックに出演すると聞きました。フジロックのことを知ってましたか?あと、フジロックで演奏する意気込みを聞かせてください。
キップ・バーマン:フジロックは有名だからね。もちろん知ってるよ。僕らは初めて日本に行った時、200人くらいの前でプレイしたんだ。で、少なくとも300人の人はフジロックには来るよね?もっとくるのかな?とにかくフジロックでプレイできるなんて、名誉なことだよ。
2009年リリースのデビュー・アルバム『ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート』は全世界で大きな評価を獲得、シューゲイズ/インディポップ・ファンは諸手を挙げて同作品を絶賛し、Pitchfork、NMEをはじめ、ほぼ全てのプレスが同年の年間ベスト・アルバムの一枚に同アルバムを選出した。ここ日本でも、全国のCDショップ店員が選ぶ“CDショップ大賞”の洋楽部門でレディー・ガガに続く準大賞を獲得し、まさに草の根的なかたちでヒットを記録している。
セカンド・アルバム『ビロング』からのファースト・シングル「Heart In Your Heartbreak」は既にPitchforkの“ベスト・ニュー・ミュージック”に選ばれている。『ビロング』は日本盤ボーナス・トラック収録&初回盤のみデジパック/ピクチャーディスク仕様にて、日本先行発売となる。
『ビロング』
2011年3月16日発売(日本先行発売)
YRCG-90056 ¥2,300(TAX IN)
※解説/歌詞/対訳付/日本盤ボーナス・トラック収録
1.BELONG/ビロング
2.HEAVEN’S GONNA HAPPEN NOW/ヘヴンズ・ゴナ・ハプン・ナウ
3.HEART IN YOUR HEARTBREAK/ハート・イン・ユア・ハートブレイク
4.THE BODY/ザ・ボディ
5.ANNE WITH AN E/アン・ウィズ・アン・イー
6.EVEN IN DREAMS/イーヴン・イン・ドリームズ
7.MY TERRIBLE FRIEND/マイ・テリブル・フレンド
8.GIRL OF 1,000 DREAMS/ガール・オブ 1,000 ドリームズ
9.TOO TOUGH/トゥー・タフ
10.STRANGE/ストレンジ
11.THE ONE/ザ・ワン*
12.I WANNA GO ALL THE WAY/アイ・ワナ・ゴー・オール・ザ・ウェイ*
13.STEEL DAUGHTER/スティール・ドーター*
14.TOMORROW DIES TODAY/トゥモロウ・ダイズ・トゥデイ*
*日本盤ボーナス・トラック
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