僕たちと同年代のバンドで、こんなにすごいアルバムは
ガリレオしか作れないんじゃないかっていう自信があります。

――いよいよ完成しましたね、念願の1stフル・アルバムが。

尾崎雄貴(Vo&G)：バンドの結成以来のものがすべて詰め込まれているだけに、俺らにとっても“あの時はこうだった”と思い出しながら聴けるアルバムになったと思います。ずっと“1stフル・アルバム”というものを早く作ってみたくて、すごく憧れがあったんで。出来上がったらすごく満足するんだろうなと思ってたんですけど、実際に作ってみたらそうでもなくて。“懐かしい”とか“すごい楽しかったね”とか、そういう気持ちのほうが大きかったです。

佐孝仁司(B)：中学の時に作った曲も、高校の時に作った曲も、今作った曲もあって、懐かしいという気持ちもあるし、すごく新鮮な気持ちにもなるし。こういうこともできるようになったんだな、という気持ちはすごくあります。

岩井郁人(G)： 1曲1曲の世界観が独立してるのが特長だと思います。思い出のアルバムをめくるような感覚があるので、たぶん俺らにとっても、ファンの人にも、これから出会う人にも、戻って来れる場所になってるんじゃないかと思います。アルバムを通して聴いて、最後の「管制塔(acoustic)」をそんなことを思いながら聴いてました。

尾崎和樹(Dr)：まず全曲通して聴いた時に、ものすごいアルバムができたなと。今まで俺たちが試行錯誤しながらやってきた中で作った曲たちが集まって、それを通して聴いてみて、今までやってきたことは間違っていなかったんだと思いました。僕たちと同年代のバンドで、こんなにすごいアルバムはガリレオしか作れないんじゃないかっていう自信があります。

――レコーディング中も、いい雰囲気で？

雄貴：いいものを作るために、とにかく言えることはワガママ言おうというのは、ずっと考えていたところでした。それを受け止めてくれるガリレオの（スタッフ）チームやメンバーがいるので、すごくやりやすいというか。「岩井くん、このギター、カッコよくないよ」って言ったら、「え、そう？」って言いつつも、「じゃあどういうのがいいの？」っていうやりとりができるし、それがすごくしやすくなっているというのがあって。たとえば「僕から君へ」という曲は、俺はギターを弾いてないんですよ。俺はもともとスーパー・ギタープレイヤーになりたいわけでもないし、自分が作りたい曲が作れればいいと思ってるから、最近は丸投げしてます。それができるぐらいメンバーに頼っている部分があって、メンバーはしんどいだろうけど、すごく俺はやりやすいです。

岩井：最近は“任せられてるんだな”と思うから、俺も絶対いいとこ見せなきゃなって思ったりするので、相乗効果になってきてると思います。逆に俺がギターを弾かずに雄貴が全部弾いちゃうのもあるし。

雄貴： Galileo Galileiは、第一期、第二期と進んで行くつもりで、このアルバムは第一期の集大成だと思ってるんですよ。お互いがお互いの楽器に今まで以上に興味を持ち始めて、たとえば俺もベースに関しては今までは感覚でしか言えなかったけど、「こういうコードで」とか言えるようになって、それに対して仁司が「それは良くない」と言ったり、そういうやり取りがすごくクリエイティヴでカッコいいなって、自分たちでやりながら思ってます。

佐孝：ドラム、ベース、ギターの順で録っていくんですけど、和樹がドラムを録ってる時には、前までは俺はあんまり聴いてなくてほかのことをしてたんですけど、今回は和樹のドラムをみんなで聴いて、「もうちょっとこうしたほうがいいよ」とか言えるようになってきたし。その時間を使って、その曲で使うシンセベースやピコピコ音とかを、自発的にパソコンで作ってみたり、そういうことも今回はできたから。“俺がやらなきゃ”というよりは、“時間があるし、やってみようかな”という感じで作って、「この音、良くね？」「いい感じだから入れてみようか」とか、自然にいろんなことができたので。

雄貴：「僕から君へ」とか、特にそうですね。普通のバンド・サウンドを作りつつ、「和樹、何かやっといて」ってMacを渡して、和樹がシンセの音をスタジオの待合室で作ってくれて、その場で入れて、「もっと違う音を」とか、そういうのがすごい面白かったよね。科学の実験みたいで。

佐孝：面白かった。

――そのへんが第二期のヒントになりそう？

雄貴：そうですね。もう第二期のヴィジョンはけっこう固まってきてるんですよ。それもこの『パレード』というアルバムができたおかげなんですけど。ロック・バンドという意味でのバンドではなくて、音楽隊みたいなバンドになりたくて、自分たちに制約を設けずに自由にやっていきたいというのがあるので。やりたいことをどんどんやっていきたいというのが、第二期につながっていくことだと思います。

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