【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第20回 「『All Things Must Pass』とウォール・オブ・サウンド」
『All Things Must Pass』のUSオリジナル盤。まずやはりジャケットの素晴らしさに圧倒されます。このジャケットにはやや汚れが見られますが、こういう色・紙質のジャケットは傷みやすいので、これでもキレイな方です。LP3枚組なので豪華なボックス仕様になっていて、これがまた貫禄があります。箱の中はオレンジ色、インナースリーヴは独特の色合いの3色。そしてジョージのポスターがついているのがまた嬉しい。もったいなくて貼れませんが(笑)。
本編はside1~4の2枚のレコードに収められています。3枚目のside5~6は豪華な参加ミュージシャンとのジャム・セッションが収められ、「Apple Jam」というジョージらしい洒落たタイトルがつけられています。レコード・レーベルはオレンジ色のリンゴのデザインで、裏面となるside2、4はそのリンゴの断面になっています。3枚目は表裏ともにリンゴジャムの瓶の絵柄です。このレコードは本当に状態が良く、盤面ピカピカで傷も皆無に等しく、盤に関してはまさにミント・コンディション。本当に良い出会いをしたものです。
では問題の音はというと。予想通り、CDとはまったくと言っていいほど別のものでした。アナログ・オリジナル盤ならではのあたたかく、やさしく、かつ迫力のある音については言うまでもありません。とにかく空気感、音像が全然違っているのです。奥行きがあり、広がりがあるのです。立体的とも言えると思います。だから重ねられた音たちも窮屈に感じることがなく、確かに音で埋まってはいるものの空間的に余裕を感じるのです。そのため個々の演奏も生き生きと伸びやかに聴こえます。CDでは余計だと思っていたオーバーダビングも、意義のあるものに聴こえてきます。南部志向のスワンプ的な演奏やアレンジを、“ウォール・オブ・サウンド”で包み込み、ジョージの世界観と融合させている。『All Things Must Pass』という作品は、ジョージの個性と“ウォール・オブ・サウンド”の融合によって成り立っているのです。
僕は、やっと納得がいきました。アナログ・オリジナル盤で聴くことで、初めてこの作品を理解することができたように思います。
CDとアナログのしかもオリジナル盤では、音像も受ける印象も大きく違う場合がほとんどですが、これほど違うと感じた作品はそう多くはありません。もしかしたら、好きな作品なら好きな作品ほど、聴き込んでいる分、違った印象を受けるのかもしれません。今回の、僕にとっての『All Things Must Pass』のように、好きな作品の音にどうしても納得がいかないような場合には、デジタルリマスター盤などよりも、アナログのオリジナル盤で聴くことをおすすめします。きっとそこには深い感動が待っていることでしょう。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by 鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
--------------------------------
D.W.ニコルズオフィシャルmyspaceにてUSTREAMとの連動企画がスタート!
10/7(木)から『DWのUST』が毎週木曜生放送!(予定変更有り)
◆ ◆ ◆
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
2ndアルバム『ニューレコード』
2011年1月26日リリース
曲目:01.バンドマンのうた 02.あの街この街 03.一秒でもはやく 04.チャールストンのグッドライフ 05.大船 06.風の駅 07.HAVE A NICE DAY! 08.2つの言葉 09.レム 10.Ah!Ah!Ah! 11.beautiful sunset
【CD+DVD】
価格:3,000円
品番:AVCH-78025/B
【DVD収録内容】“2 MUSIC SHOW! & 2 MUSIC VIDEO”
【CD only】
価格:2,500円
品番:AVCH-78026
本編はside1~4の2枚のレコードに収められています。3枚目のside5~6は豪華な参加ミュージシャンとのジャム・セッションが収められ、「Apple Jam」というジョージらしい洒落たタイトルがつけられています。レコード・レーベルはオレンジ色のリンゴのデザインで、裏面となるside2、4はそのリンゴの断面になっています。3枚目は表裏ともにリンゴジャムの瓶の絵柄です。このレコードは本当に状態が良く、盤面ピカピカで傷も皆無に等しく、盤に関してはまさにミント・コンディション。本当に良い出会いをしたものです。
では問題の音はというと。予想通り、CDとはまったくと言っていいほど別のものでした。アナログ・オリジナル盤ならではのあたたかく、やさしく、かつ迫力のある音については言うまでもありません。とにかく空気感、音像が全然違っているのです。奥行きがあり、広がりがあるのです。立体的とも言えると思います。だから重ねられた音たちも窮屈に感じることがなく、確かに音で埋まってはいるものの空間的に余裕を感じるのです。そのため個々の演奏も生き生きと伸びやかに聴こえます。CDでは余計だと思っていたオーバーダビングも、意義のあるものに聴こえてきます。南部志向のスワンプ的な演奏やアレンジを、“ウォール・オブ・サウンド”で包み込み、ジョージの世界観と融合させている。『All Things Must Pass』という作品は、ジョージの個性と“ウォール・オブ・サウンド”の融合によって成り立っているのです。
僕は、やっと納得がいきました。アナログ・オリジナル盤で聴くことで、初めてこの作品を理解することができたように思います。
CDとアナログのしかもオリジナル盤では、音像も受ける印象も大きく違う場合がほとんどですが、これほど違うと感じた作品はそう多くはありません。もしかしたら、好きな作品なら好きな作品ほど、聴き込んでいる分、違った印象を受けるのかもしれません。今回の、僕にとっての『All Things Must Pass』のように、好きな作品の音にどうしても納得がいかないような場合には、デジタルリマスター盤などよりも、アナログのオリジナル盤で聴くことをおすすめします。きっとそこには深い感動が待っていることでしょう。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by 鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
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D.W.ニコルズオフィシャルmyspaceにてUSTREAMとの連動企画がスタート!
10/7(木)から『DWのUST』が毎週木曜生放送!(予定変更有り)
◆ ◆ ◆
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
2ndアルバム『ニューレコード』
2011年1月26日リリース
曲目:01.バンドマンのうた 02.あの街この街 03.一秒でもはやく 04.チャールストンのグッドライフ 05.大船 06.風の駅 07.HAVE A NICE DAY! 08.2つの言葉 09.レム 10.Ah!Ah!Ah! 11.beautiful sunset
【CD+DVD】
価格:3,000円
品番:AVCH-78025/B
【DVD収録内容】“2 MUSIC SHOW! & 2 MUSIC VIDEO”
【CD only】
価格:2,500円
品番:AVCH-78026
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