キリンジ、久々全国ツアーで“鉄板”のハーモニー聴かせる

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ニュー・アルバム『BUOYANCY』(ボイエンシー)を携えた全国ツアー<KIRINJI TOUR2010/11>を敢行中のキリンジが、その東京公演を1月7日(金)、8日(土)の2日間にわたり渋谷・C.C.レモンホールで開催。両日で計4000人を動員し、会場を熱気に包んだ。

◆<KIRINJI TOUR2010/11>1月7日(金)C.C.レモンホール画像

クラシカルなジャズの調べに乗せて、メンバーがステージに登場。静かに、そしてミステリアスで力強く迫るイントロが印象的な「台風一過」でライヴの幕が開いた。今や鉄板とも言うべき、兄弟だからこその柔らかくて美しいハーモニーと燻し銀のサポート・メンバーの演奏により、会場を一気に幻想的な空間へと誘う。それも束の間、会場に爽やかなそよ風が吹き抜けるかのように響き渡ったのは、昨夏多くのFMステーションから数多く聴こえてきたキラキラの「夏の光」。堀込兄弟が交互にリードをとるスタイルは新鮮で、改めてキリンジが実兄弟バンドであることを実感した人も多かったことだろう。

今作『BUOYANCY』(ボイエンシー)は、約2年半ぶりのアルバムであったため、全国を巡る大型ツアーも久しぶりとなる。オーディエンスは「待ってました」と言わんばかりの歓迎ムードで、会場にはとても温かい空気が漂っていた。MCでは、「あけましておめでとうございます。どうも、キリンジです」といった律儀な挨拶が彼ららしく、兄弟ならではの掛け合いトークも相変わらず絶妙で、会場から終始笑いが沸き起こっていた。

日本が打ち上げた月面探査機をモチーフに綴られたラブソング「セレーネのセレナーデ」では、泰行が間奏で初のスティールパン演奏を披露。まるで宇宙で無重力を体感するかのような浮遊感が会場を静かに呑み込んでいった。

そしてライヴ後半は、新旧織り交ぜた選曲で構成。イントロから大歓声&拍手が起こったニューウェイヴ調の「都市鉱山」では、デヴィッド・バーンを彷彿とさせる高樹のメインヴォーカルが終始会場を釘付けにする。さらに、新たな世界観を聴かせる「小さなおとなたち」、そして「アンモナイトの歌」へ。息を呑むような美しい楽曲展開から愁いを帯びた泰行の声、静と動のコントラストが、キリンジの歌世界の真骨頂であることを実感させる。会場は、神聖な言霊だけが支配しているかのような空気に包まれ、オーディエンスは無言のまま、心には感動の一言が溢れていただろう。

アンコールでは、「古い曲をやります」と一言いって、「愛のCoda」「Drifter」など、名曲たちを惜しみなく披露。新旧織り交ぜた2時間強に渡るライヴは、割れんばかりの大きな拍手とともに、心地よい余韻を残して終了した。

深く沁みる歌詞・メロディ・アレンジメントで、次のステージへと進化を遂げていることを証明した今回のツアー。残すところあと3公演となっているが、お近くの方はぜひご覧いただきたい。

Vocal、Guitar:堀込泰行
 Guitar、Vocal:堀込高樹
Pedalsteel、Steelpan:田村玄一
Bass:千ヶ崎学
Keyborads:伊藤隆博
Drums:楠均

<KIRINJI TOUR 2010/11>
●1/15(土) 名古屋 クラブダイアモンドホール
 open/start 17:30/18:00
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
●1/16(日) なんば Hatch 
open/start 17:30/18:00
[問]キョードーチケットセンター 06-7732-8888
●1/22(土) 沖縄 桜坂セントラル 
open/start 17:30/18:00
[問]BEA 092-712-4221
チケット発売中/全席指定:¥5,775(税込)
※沖縄公演のみ全立見:¥5,000(税込)
※東京公演以外は当日別途ドリンク代要:¥500

8thアルバム
『BUOYANCY』(ボイエンシー)
2010年9月1日発売
COCP-35901 ¥3,150(tax in)
01. 夏の光  (7月7日先行シングル曲)
02. 温泉街のエトランジェ
03. ホライゾン! ホライゾン!
04. Rain
05. セレーネのセレナーデ(先行配信曲)
06. 台風一過
07. 空飛ぶ深海魚
08. 都市鉱山
09. Round and Round
10. 秘密
11. アンモナイトの歌
12. 小さなおとなたち (先行配信曲)

◆NEWアルバム『BUOYANCY』(ボイエンシー)期間限定サイト
◆キリンジスタッフtwitter

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