摩天楼オペラ、ヘヴィでテクニカル、そしてシンフォニックな最新ミニ・アルバム『Abyss』特集

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摩天楼オペラ

最新ミニ・アルバム『Abyss』2010.12.22リリース

INTERVIEW

Vo. 苑~sono~
Vo. 苑~sono~

――摩天楼オペラとは、どんなバンドなのか。まずは、そこから教えていただけますか?

苑:今どきメタルしてるバンドですね。プラス、重視しているのが世界観。個人的にバンドを始めたキッカケがX JAPANで、当時から日本のヴィジュアル系と洋楽のへヴィ・メタル、その二つがずっと好きなんです。

Anzi:僕も元々ヴァイオリンを習っていたので、様式美を重んじたクラシック音楽は耳慣れていたんですよ。それをギターで表現しているサウンドを聴いたときに、すごく衝撃を受けて。結果、今の僕はアイアンメイデンとイングウェイ・マルムスティーンで出来上がってます(笑)。

――現代的なバンド・サウンドとシンフォニックな世界観を融合させた音楽スタイルは、そんなルーツから生まれていると。

燿:はい。あとはメロディの美しさと苑のハイトーン・ヴォーカルも特徴ですね。

彩雨:摩天楼オペラというバンド名には、“摩天楼=現代的な音楽”と“オペラ=クラシカルなシンフォニック・サウンド”を融合させるというバンド・コンセプトが込められているんですよ。その中でキーボーディストである僕の役割は、バンド隊が作るへヴィな“摩天楼”サウンドの上に、ストリングスやクワイアを重ねて“オペラ”な世界観を生むことなので、今回もストリングスを中心としたキーボードを入れています。

苑:摩天楼オペラって、実は僕が好きな『BLOOD+』っていうアニメのサブ・タイトルなんですよ。ちょうどバンド名を考えてたときに、“第48話・摩天楼オペラ”っていう回があって! これはピッタリだと、メンバーに大反対されたのを押し切りました(笑)。

悠:まぁ、聞いて1週間くらい経ったら、“インパクトあるからいいか”ってなったんですよ。

――メジャー・デビュー作となるミニ・アルバム『Abyss』のリード曲「もう一人の花嫁」は、そういう意味でも“ザ・摩天楼オペラ”な楽曲ですね。

苑:そうですね。アグレッシヴなメタル・サウンドに、綺麗なメロディが乗って、キーボードで世界観を広げてゆく。そういう従来の僕らのシングルにあった要素を、メジャー・クオリティで打ち出したかったんです。

Gt. Anzi~anzi~
Gt. Anzi~anzi~

Anzi:苑のデモを聴いたときから、僕は断然この曲を推していたんですよ。ガラス細工のようで様式美チックな世界観が、僕らのインディーズ初期のシングルに通じていたので、それをメジャー1発目で出すのも原点回帰っぽくていいんじゃないかと。

悠:初期のシングルが割と繊細だったのに対し、最近は骨太な曲が多かったからね。

燿:展開を見ても、沈むところと激しくなるところのメリハリが利いた曲なので、本来のバンド・コンセプトも表せている曲じゃないかなと。

彩雨:メジャー作ということで、アレンジもシンプルさを心がけて。出だしがピアノとヴォーカルだけだったり、“ベタ”な構成・展開は意識しましたね。

――歌詞も相当“ベタ”ですよね。元カレの結婚式に立ち会った女性の苦しみが描かれていますが、どこからこんなストーリーを思いついたんですか?

苑:僕、小説をよく読むんですけど、東野圭吾さんの「私が彼を殺した」っていうサスペンス小説の脇役の女性が気になって、彼女をモデルにストーリーを作ってみたくなったんです。自分を捨てて別の女性を彼は選んだ。でも、捨てられたほうにだって人生がある……っていう、人生の不条理みたいなものを描きたかった。で、この曲に肉付けをする形で、摩天楼オペラの持つ要素をバランス良く重ねていったのが『Abyss』ですね。

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