KANAN、ニコ動で126万再生を誇る現代の歌姫の“恋の病(ヤマイ)”をテーマにしたデビュー・ミニアルバム『Memoria』特集

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KANAN

デビュー・ミニアルバム『Memoria』2010.12.15リリース

INTERVIEW

――――su-keiさんは今作を作るにあたって、プロデューサーとして考えたことは?

su-kei:誰が聴いてもKANANの楽曲だということがわかるようにすること。KANANの声がいかに生きるか。あと恋愛がコンセプトとしてあったので、その世界観をどうカラフルに作るか。8種類という多様性を考えましたね。だから全部タイプが違うんです。

――――恋愛を唄いたいと思ったのは?

KANAN:ニコ動で“タグ”っていうのがあるんですけど、恋愛の曲を歌った時に私のところに“恋の病”というのをユーザーのどなたかがつけたんですよ。それ以来恋愛曲を唄う場合、私の動画にはその“タグ”がつくようになったんです。じゃあ響きも良いのでオリジナルも“恋の病”をコンセプトにしようと。それで恋愛の曲にしたんです。かぶらないように色んなシチュエーションを詰め込みました。

su-kei:あまり明るいのはないんですけど(笑)。

――――「六月の約束」なんて、相手の人は亡くなってしまってますしね。

su-kei:そうなんですよね。この曲はエンディングとして作りました。

――――「六月の約束」は、愛する人を失ってはいても、気持ちとしてはもう落ち着いている感じはありますが、ここに至るまではまるで韓流ドラマのようなドラマティックさがありますよね。

su-kei:そうそう。「六月の約束」はもう乗り越えた気持ちなんですよね。だからエンディングなんですけど。

KANAN:あとはもう“恋の病”なので。曲を聴くとバァ~っと、こういう世界が絵のように浮かんでしまうんですよね。イラストだったり。そのイメージを言葉にして削って、歌詞にしていったらこういう感じに。

――――一曲目の「沫嘘」というのは造語ですよね。言葉が独特です。これだけ色んなシチュエーションを作り出すのに苦労はありませんでしたか?

KANAN:「clover」を書くのにものすごく苦労しましたね。これは恋愛が育っていく曲だから。私の中では恋愛は暗いとか、苦しいというイメージしかないので、両想いを書くのがすごく大変なんです。両想いであっても死んでいたり、遠距離だったり、そういうのなら良いんですけど(笑)。明るい歌詞を書くのがいまだに苦手なんですよね。だからすごく時間もかかりました。

――――「clover」自体、幸せを象徴するようなイメージもあるし。

KANAN:そう。そういう幸せを感じさせるような言葉のストックも少ないんです(笑)。

――――この曲もそうですけど、頭から最後までに物語としての過程を描いていますよね。

KANAN:はい。そういう風に書くようにしてるんですよ。同じ言葉でも違う意味を持つものを探したり。言葉遊びが好きなので、同じ言葉でも違う意味があれば、あえて同じ曲の中に入れてみたり。

――――歌を聴いて、歌詞として読んだりすると違って見えたりしますね。ストーリーもシチュエーションも違いますから、声色も曲によって違いますね。

KANAN:はい。それは気をつけていますね。

su-kei:レコーディングのときも入り込んで唄うタイプだから、外からブースの中が見えるのはダメなんですよ。カーテンをして完全に外から見えないようにして。

KANAN:人から見られてると思うと棒のようになっちゃうんです。緊張していつも通り唄えなくなるから、なるべく見えないように。

――――一曲に入り込むと次にとりかかるのに時間がかかりそうですね。切り替えはどうしているんですか?

KANAN:自分の好きなアーティストさんのまったく別の曲を聴くようにしています。素の自分に戻すためにリセットしますね。そうしないと引きずっちゃうから。気分転換にゲームしたりもします。あまりにも抜けない場合は、次の日にやるようにしています。

――――この作品は、どんな風に楽しんでほしいですか?

KANAN:女の子と話していると、みんな本当に恋愛に悩んで苦しんでいるなぁって思うんですね。だから、そういう女の子たちにたくさん聴いてほしいですね。きっと共感できる曲が必ず一曲はあると思うので。いっぱい泣いてスッキリしてほしいです。今後もいっぱいいろんな恋愛の歌を書いていきたいと思っています。ハッピーエンドの曲も書けたら良いなぁ。

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