iTunesで配信中、超豪華『THE BEATLES BOX SET』の中身
そして、このiTunes LP版『THE BEATLES BOX SET』の大きな目玉といえるのが、ワシントン・コロシアムでのライヴ映像だ。このライヴの映像、過去にDVD『アンソロジー第2巻』で数曲ピックアップして収録されたことはあったが、フルサイズというのは、今回、このBOXセットへの収録が初となる。
360度オーディエンスに囲まれたステージで、ライヴスタート前に、ドラムセットの向きを設置している台ごと変えるリンゴ・スター。ファンの熱狂。そんな状態でテンションも上がってくる4人。そしてジョージが刻むロックンロールからの1曲目は「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」。四方のオーディエンスすべてに自分たちの姿が見えるように数曲演奏するごとに向きを変えるメンバー(その都度、リンゴは台を動かしてドラムセットの向きを変える)。そこには、全世界を熱狂の渦に巻き込んだザ・ビートルズの4人のライヴが、さも当時の空気感までもリアルに完全収録されている。まさにこれぞプレミア映像というべき作品だ。
しかし、少し思い返してみてほしい。我々は(ファンでなくても)ザ・ビートルズについて少なからず作品に触れた経験を持つ。“好きか嫌いか”と二択で問われれば、きっと音楽ファンの大半は“好き”と答えるだろう。では、そんなザ・ビートルズのライヴを、最初から最後まで観た、という体験をした人がどれだけいるだろうか。音楽業界に5年以上身を投じてきた記者自身の体験を振り返っても、不思議なことにザ・ビートルズのライヴを最初から最後まで観るというのは、今回、初めての体験だった(ポール・マッカートニーのライヴDVDはいくつも持っているのに)。
確かにこの映像は、彼らのアメリカでの初ライヴであるワシントン・コロシアムの模様をフルサイズで収録した、初めての映像だ。しかし、人によっては、ザ・ビートルズの初ライヴ体験という大きな価値を持った映像、ともいえる。そんな貴重な体験を、iTunes(アップル)は今回、ワンクリックで提供してしまっているのだ。“明日、いつもと同じ一日が、忘れられない一日になります。”という、先日のザ・ビートルズ楽曲配信についての告知は、もはやリアルで体験することは不可能になってしまったザ・ビートルズのライヴを擬似体験(しかも手軽に)できるようになる、という意味も込められていたのではないか。
なお、ファンならご存知のとおり、『THE BEATLES BOX SET』は、2009年にパッケージ版が発売された(一部コンテンツは異なる)。約3万円という高額商品だったため、当時、購入を躊躇してしまったという人もいることだろう。そんな人に、パッケージより若干リーズナブルになったこのiTunes版の『THE BEATLES BOX SET』は最適。もちろんザ・ビートルズ・ファンは、ワシントン・コロシアムのライヴ映像を手元に置いておくために購入するべき、むしろすでに購入したと信じて疑わない(ちなみに、ライヴの映像は期間限定でiTunesのザ・ビートルズのページから無料ストリーミング配信もされている)。
さて、ここでiTunesのザ・ビートルズ関連アイテムなどを紹介しておこう。現在Apple Store(オンライン / 実店舗)や一部量販店では、ザ・ビートルズ仕様のスペシャル・エディションiTunesカードを販売中だ(5,000円 / 10,000円)。さらに、現在、ザ・ビートルズの4人のディスプレイが展示されているApple Storeの各店舗限定で、今回紹介した『THE BEATLES BOX SET』をダウンロードするための専用iTunesカードも数量限定で販売している。いずれもカードにはザ・ビートルズのメンバーがプリントされ、特別仕様のパッケージを用意。自分の手元に置いておくのもいいが、誰か音楽好きの友人、恋人、家族にプレゼントしたくなるようなアイテムとなっている。
「クリスマスの季節がまた来たよ【Christmas Time(Is Here Again)】」ということで、2010年のクリスマスプレゼントには、『THE BEATLES BOX SET』をダウンロードできるiTunesカードと、ザ・ビートルズのアートワークを超高精細に表示できる「Retinaディスプレイ」を搭載した新iPod touch…なんて、ちょっとスマートでオシャレじゃないですか?
◆アップル
◆iTunes Store『The Beatles Box Set』(※iTunesが開きます)
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