<QUATTRO MIRAGE VOL.1>ストレイテナー×GRAPEVINEレポート

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タワーレコード渋谷店移転15周年記念イベント<QUATTRO MIRAGE VOL.1>最終日、開演が近づくにつれ熱気を増す会場内。外にはチケットを譲って欲しいと立っている人の姿もちらほら。それらすべてが、この日の対バンがありそうでなかった豪華なものであることを象徴している。

◆<QUATTRO MIRAGE VOL.1>画像

▲ストレイテナー
▲GRAPEVINE
タワーレコード渋谷店15周年記念イベント<QUATTRO MIRAGE>最終日を彩ったのはストレイテナーとGRAPEVINEの初対バン。

先攻はストレイテナーが登場。彼らにとって4年ぶりとなるQUATTROでのライブは、最新アルバム収録曲「MEMORIES』」で幕開け。序盤で演奏された「Melodic Storm」はさすが定番曲、バインファンも含め多くのオーディエンスの肩が揺れる。

続けて最新アルバム収録曲、そして2011年1月12日(水)にリリースされる新曲「VANISH」が披露され、大山純(G)の加入により4人編成となって奥行きの広がった彼ららしいサウンドを発揮する。続いてホリエアツシ(Vo、G、Key)の鍵盤が印象的な「SIX DAY WONDER」や、中毒性が滲む「BERSERKER TUNE」は新たなるメンバーを迎えたことでアップテンポにリアレンジされており、同じ曲でこうも違って聴こえるものか、とそのアレンジ力に驚かされる。

ラスト2曲でも怒涛の攻めをみせる彼ら。ライブ映えする「Little Miss Weekend」、そして多くのオーディエンスが手を挙げ応えたインディース時代からの人気曲「ROCKSTEADY」では、ステージ上でホリエが跳ねる。彼ら自身がなによりこのイベントを楽しんでいることが伝わってきた。大盛況の中全13曲のステージが終了。ラストは4人で肩を組んで一礼、満面の笑みで締めくくった。

そしてイベントは後半戦へ。今回のイベントの大トリを務めるのは、過去にもタワレコ企画イベントに出演経験有りと縁の深い、まさにラストを飾るに相応しいバンドGRAPEVINE。前半戦の押し寄せる熱気とは打って変わって、淡々とその時を待ちわびる静かな興奮が会場内を包み込む中、「CORE」で幕開け。

落ち着いたメロディーの中に渦巻くバンドサウンド、田中和将(Vo、G)の伸びやかな声が、オーディエンスを滑らかで、それでいて底の見えないぬかるみのような暗く、甘く、美しい世界へと導いてゆく。早くも会場をバイン色の空気に染め上げ、そこから「フラニーと同意」「Turd and swine」「Darlin' from hell」とロックなサウンドとキャッチーなメロディーでオーディエンスの心を揺らす。途中のMCでは「タワーレコードさん、なんたら周年おめでとう!記念イベントに何度か出させてもらってるので年数とかわからなくなっちゃった~(笑)」と田中が貫禄あるゆるゆるトークを繰り広げ、そのリラックスした雰囲気に会場内も笑顔で溢れ和やかなムードに。

そして先月リリースされたばかりのシングル「風の歌」収録曲を立て続けに演奏。後半は大胆な鋭利さで聴き手の心を突き刺す「豚の皿」、高揚感溢れる「FLY」ではサビで多くのオーディエンスが手を挙げ音に身を委ねる姿が印象的だった。ラスト、抜群のメロディーが響き渡り、哀愁と僅かな光の余韻を会場に残した「光について」で全9曲の本編終了。

もちろん鳴り響くアンコールを待ちわびる手拍子に応え数分後再びステージに姿を見せた彼ら。そして「ホリエくんが僕たちの曲をカバーしてくれるそうです」の一言に沸きあがる歓声。選んだ曲は長きに渡って愛される名曲「スロウ」。この選曲にもまた、フロアのあちこちで歓びの声があがる。ホリエと田中が交互に歌い、相性よく重なり合う2人の声に会場中が聴き入る。瞬きすら惜しい濃密な数分間、まさにイベントならではの特別コラボに誰もが満ち足りた拍手を贈り、5日間に渡るイベントは幕を閉じた。

TEXT:タワーレコード渋谷店 小林 純子
PHOTO:YUKARI MORISHITA

<QUATTRO MIRAGE VOL.1 ストレイテナー×GRAPEVINE>
2010年11月19日(金)

ストレイテナー
1.MEMORIES
2.クラッシュ
3.Melodic Storm
4.OWL
5.DONKEY BOOGIE DODO
6.VANISH
7.Man-like Creatures
8.SIX DAY WONDER
9.CLONE
10.BERSERKER TUNE
11.瞬きをしない猫
12.Little Miss Weekend
13.ROCKSTEADY

GRAPEVINE
1.CORE
2.フラニーと同意
3.Turd and swine
4.Darlin' from hell
5.風の歌
6.This town
7.豚の皿
8.FLY
9.光について
enc1.スロウ(with ホリエアツシ from ストレイテナー)
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