フラワーカンパニーズ、結成21年目にしてフラカンの最高傑作『チェスト! チェスト! チェスト!』特集
フラワーカンパニーズ
『チェスト! チェスト! チェスト!』
INTERVIEW
鈴木:そう。日本のお祭りもそういう感じじゃないですか。普段農作業とかしてる人たちが、年に1回神輿かついで大騒ぎするとか。意味は土地土地で違うでしょうけど。
マエカワ:それはねぇ、たぶん……。鈴木君は、アレなんだよ。ステージングとか、人間的にはハッピーなんだけど、満足をね、あんまりしないというか。ノット・サティスファイドな人間というかね。
鈴木:アナーキーだね(笑)。「ノット・サティスファイド」。
マエカワ:こないだ、爆笑問題のふたりがテレビで言ってた話で、田中さんのほうは、何事も楽しむタイプなんだって。そのとき色んなことがあっても、今をとにかく楽しむみたいな。俺はそっちのタイプなんだけど、太田さんは、今ここで“楽しい!”って言っちゃったら後々それを越えられないんじゃないか、って言ってたんだよ。
鈴木:わかる! 楽しんではっちゃける前に頭で考えちゃうっていうのは、俺もわかる。
マエカワ:それは、どっちが良い悪いってでももちろんなくて。でも、その話を聞いたときに、俺と鈴木になんか似てるなと思って。
鈴木:あぁーっ……。かもしれないですね。例えば、「終わらないツアー」の歌詞みたいなね。これは、15歳のときの自分が感じた音楽への思いがあって、それを大人になってどっかで忘れてちゃってる自分がいるっていうことなんですよね。もちろんそれに近いものは今もあるんですけど、やっぱ、最初にギターを鳴らしてバーンとなったときにウワーッなった衝撃、あれをもう1回どっかでやれるんじゃないかっていう……。それを体感したいっていうのを、今も音楽をやりながら探してると思うんですよ。
鈴木:今はもう死語じゃないかと(笑)。
マエカワ:“バカ一代”ね。
鈴木:たまたま彼(マエカワ)がツアー中に“バカ一代”を読んでて、車の中のあちこちに“バカ一代”が転がってるんですよ(笑)。
マエカワ:うん。「チェスト」の歌詞、俺、すごい良いなと思って。もちろん鈴木の歌詞には、いつもほとんど共感してるんですけど、こういう感じは今まであんまりなかったかなと思って。鈴木にしてはちょっと変わった歌詞かな、っていうか。サビの言い回しとかさ、ネガティブな感じがしないっていうとちょっと言い方違うけど……。すっげぇ力強いじゃない! でも、“おいなりさん”って歌詞を最初に聴いたときはコケましたけど……(笑)。
鈴木:(笑)“おいなりさん”と、“はにかみやさん”を使ったのは初めてでしょう。
マエカワ:三田寛子以来だな。
鈴木:あっ、そう。「駆けてくる乙女」から取ったんだよ。車の中でかかってて。♪はにかみやさ~ん、出~ておいで~ですよ。
マエカワ:僕のiPodに入ってますから(笑)。
鈴木:ミクスチャー超えてますよ、もう。そんじょそこらのね、ミクスチャーとはわけが違いますから! パンクとロックのミクスチャーどこじゃないよ、三田寛子とのミクスチャーなんだから(笑)。
マエカワ:(笑)音楽だけじゃないんだよね、そこは。自分が好きなものが全部ミクスチャーされてるのが、フラワーカンパニーズのバンドとしての音だと思うし、鈴木の歌詞でもありますから。そういう意味でのミクスチャーだってことは、間違いないですよ(笑)。
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