ザ・ローリング・ストーンズ、『レディース&ジェントルメン』DVD発売

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1972年の名盤『メイン・ストリートのならず者』リリース後の北米ツアーを収録した『Ladies and Gentlemen(レディース&ジェントルメン)』は、1974年に一度は映画として完成したものの、一般に公開されることなく40年近くお蔵入りになっていた幻の作品だ。

◆ザ・ローリング・ストーンズ『レディース&ジェントルメン』画像

先に武道館での公開、TOHOIシネマズで公開され、40年ぶりに日の目を浴びた最強のライブ・テイクに、多くのオーディエンスが感動に打ち震えたわけだが、10月13日のDVD発売を目前に、ミック・ジャガーがインタビューに答えてくれた。

「バンドはすごくまとまっているね。時期によってはザ・ローリング・ストーンズのステージは、だらけたり、いい加減だったりした記憶があるけど、これは違う。選曲はいいし、見せ場はたっぷりあるし、エネルギーにあふれている。」と語り、ミック本人もこの時期が最も音楽的に充実していた時期だったことをと認めている。

『レディース&ジェントルメン』が世に出るまで、どうしてこんなに時間がかかったか。

「よくわからないけど、それまでの所有者が使わずじまいだったので、買い取ることにしたんだ。で、我々が買い取ったあと、きれいに整えたんだ。けっこう傷んでたからね。修復には、かなり費用がかさんだよ。今回は我々が費用をかけてきれいにして、こうして公開できたというわけ。あと、音も修復したよ。音も映像同様に劣化するからね。」と、復活のストーリーを教えてくれた。

2010年は『ならず者』関連の企画が続き、ついに幻の映画のDVD発売となる訳だが、このリリースに関し、ミックは「全部、同じ時代を記録したものだからね。『ならず者』ツアーの映像が公開されるのは初めてだし、改めてこれを世に送り出し、すごく嬉しいよ」と喜びを語っている。

1970年代初頭、ザ・ビートルズが解散、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリスンがこの世を去り、世間ではヒッピーやサイケデリック等のフラワー・ムーブメントが世界中を覆っていた。そんな混沌とした世界の中において、音楽界でもっとも危ないと言われていたのが、常にスキャンダルで世間を騒がしていたザ・ローリング・ストーンズだった。しかし、そんな世間の反発など意に介さず、彼らはヒット曲を発表しつづけ、その人気は衰えるどころかますます加速し、絶頂期に向かって上昇していた。まさに若きロック・スターを体現していたのである。

1973年に予定されていた日本公演は、メンバーのさまざまなスキャンダル問題で入国許可が下りないということから中止となってしまうのは皆さんご存知の通り。もちろんチケットは完売、日本のオーディエンスは落胆を隠せなかった。

『レディース&ジェントルメン』はこの1972~1973年のツアーを捉えた唯一と言ってよい公式ライブ作品となるもので、映像・音ともに最新のリマスタリング技術で蘇った申し分のない極上作品だ。あるロックン・ロール・バンドの若き日のライブというのみならず、ロックの歴史を浮き彫りにする作品でもあるのだ。

なお、今回のミック・ジャガーの最新インタビューのすべては、『レディース&ジェントルメン』の特典映像として同DVDに収録されている。

『レディース&ジェントルメン』
2010年10月13日発売
IEBP‐10052 4.200円(税込)
※11月末Blue-ray発売予定
1.ブラウン・シュガー
2.ビッチ
3.ギミー・シェルター
4.デッド・フラワーズ
5.ハッピー
6.ダイスをころがせ
7.むなしき愛
8.スイート・ヴァージニア
9.無情の世界
10.オール・ダウン・ザ・ライン
11.ミッドナイト・ランブラー
12.バイ・バイ・ジョニー
13.リップ・ジス・ジョイント
14.ジャンピン・ジャック・フラッシュ
15.ストリート・ファイティング・マン
特典映像
・70年代初期のストーンズスタジオリハーサル映像
・ミックの70 年代当時(Old Grey Whistle Test)のインタビュー
・ミックの2010年最新インタビュー
※1972年収録・2010年リマスター/83分/カラー
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