-異種格闘技対談-Ring【round2】第9回/hiro(te')

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-異種格闘対談-Ring【round2】第9回

GUEST hiro(te'/G) / 逹瑯(Vo) ムック

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逹瑯:またタイトルの漢字が難しいんだな。これ、なんて読むんです?
hiro:俺も分かんない。そんなもんです(笑)。

――よく聞かれることだと思うんですけど、タイトルがすっごい長いじゃないですか。

hiro:曲タイトルは30文字で、アルバム・タイトルだけが29文字っていう決まりがあるらしく。

――らしく!?

hiro:あ、そうなんですよ、このタイトルに関しては、全部ベースのmasaが決めてるんです。文字数は30文字って決めてるから、あーでもない、こーでもないって一生懸命考えてますよ、毎回(笑)。ピッタリ30文字ですからね。

――字面が揃っててめちゃめちゃ綺麗ですもんね。

hiro:そうそう、逆に気持ち悪いでしょ、揃い過ぎてて(笑)。iPodで見るとかなり気持ち悪いことになりますよ(笑)。

逹瑯:つかつか、読みが30文字ってことじゃなく、字面にしたとき、キッチリ30文字になるってことなんだ!

hiro:そうそう。漢字も句読点も合わせてね。ピタッと30文字。

逹瑯:すっげぇ〜(感動)。それって大変ですよね!

――でも、それってヴォーカリスト的感覚なんじゃないの? 曲先だったら、あるメロに言葉をキッチリ嵌め込んでいく訳でしょ?

hiro:たしかに、そういうことですよね。

逹瑯:まぁそうだけどさ。なんかそれとこれとはまた違う気がするっていうか。こっちのがすごい作業な気がするけどね。っていうか、このタイトルって、歌詞が無い分、この曲のイメージや全てが、タイトルに集約されてるってことでもあるんですか?

hiro:ん〜、どうなんだろな? そこまで考えてんのかどうか(笑)。って言ったら叱られるかもしれないけど(笑)。きっと考えてるんでしょうけど、自分たち的には、もはやタイトル覚えきれないんで、覚えてないですからね(笑)。

逹瑯:え!? 覚えてなくてどうすんです?

hiro:なんか、自分たちだけの呼び名があるっていうか(笑)。仮タイトルみたいな。ま、あだ名で呼んでるみたいな感じかな(笑)。

逹瑯:あはははは。そうなんだ(笑)。じゃ、セットリストもあだ名なんですか(笑)?

hiro:そうそう(笑)。セットリストなんか酷すぎて見せられない(笑)。

逹瑯:よくライヴの後に、ファンの子が、メンバー用にステージに貼ってあるセットリスト持って帰ったりするでしょ。持って行かれても、“は?”っていう感じですね(笑)。

hiro:そう! 絶対持って行かれないように、そこだけは毎回死守してるんですよ(笑)。

逹瑯:あははは。大変だ(笑)。

――でも、それはmasaさんの美学なんでしょうね。

hiro:うん、みたいですね。っていうか、お客さんも覚えてる人、いないんじゃないかな(笑)。

逹瑯:(アルバム『敢えて、理解を望み縺れ尽く音声や文字の枠外での『約束』を』収録曲のタイトルを見ながら)また漢字難しいんだな。これ、なんて読むんです?

hiro:ん? 俺も分かんない(笑)。

逹瑯:えっ!?

hiro:そんなもんです(笑)。

逹瑯:ライヴ、見たいなぁ〜。メンバー的には相当楽しいんじゃないですか?

hiro:楽しいですよ、ライヴもツアーも。ツアーなんて、ライヴが終わった後、ヴォーカルがいないから思う存分飲めるんですよ! 喉を気遣わなくていいから、それが何よりも楽しい。

逹瑯:なるほど! ですよね(笑)。

hiro:喉のケアは大変でしょ? 逹瑯くんもツアーではあんまり飲めないんじゃない?

逹瑯:いや、俺、酒の席は大好きなんですけど、あんまりお酒強くないし、お酒自体はあんまり好きじゃないんですよ。だから、不幸中の幸いというか、飲みたいのに飲めないっていう苦しみがないんで、そこまで苦痛じゃないんですよね。

hiro:そうなんだ。じゃぁ、いいね。僕らは飲みたくて飲みたくてしょうがないからね(笑)。もう1人のギター(kono)はまったく飲めないんですけど、他はみんなすっごい飲みますから。

逹瑯:へぇ〜。あのぉ、全然話し飛ぶんですけど、hiroさんの音楽のルーツってどこらへんなんですか?

hiro:ルーツ? どんなバンドが好きだったとか?

逹瑯:そうですそうです。ギター始めるきっかけになったバンドっていうか。

hiro:俺、実は最初はヴォーカルだったんですよ。ギターも弾けない、ただのヴォーカルで。

逹瑯:そうなんですか!?  ヴォーカルをやってたのはバンドで?

hiro:そう。

逹瑯:なんでヴォーカル辞めちゃったんですか?

hiro:ツアーで喉潰したんですよ。それでもうダメだって思って。それがすごくショックだったんですよね。

逹瑯:それほどショックだったんだ。

hiro:そう。3日間続けてライヴやったとき、まったく声が出なくなっちゃって。それがショックで。お客さんに対してもすごく申し訳なくて……、それでもうヴォーカルできなくなっちゃったっていうか……。

逹瑯:なるほど。そもそもヴォーカルを始めたきっかけはなんだったんですか?

hiro:ただ、カラオケが歌えたから、それで歌に誘われたっていうか。

逹瑯:へぇ〜。それで、ギターを始めたのはいつ頃なんですか?

hiro:上京してからかな。te’の一個前にやってたバンドで初めてギターを始めたんですよ。女の子ヴォーカルのバンドで。25歳くらいのときですから、ギターを始める年齢としては遅いですよね。

逹瑯:25歳から始めて辞めたくなんなかったですか? なんか、挫折しそうじゃないですか? そのあたりから始めると。

hiro:ですよね(笑)。もう根性だけでしたね(笑)。ガッツしか無いですもん。最初ギター始めた頃は、立って弾けないくらいでしたからね。

――そうですよね(笑)、座って練習するから、いざ立って弾いてみると様子が違って弾けてたモノも弾けなくなっちゃうんですよね(笑)。

hiro:そうそう(笑)。本当にそれくらい初心者だったんですよ。だから、ステージングだけは誰にも負けねぇぞ!って思って、必死に鏡の前で練習して、今に至るっていう(笑)。

逹瑯:高校のときとか、ギターやろうって思わなかったんですか?

hiro:うん、その頃はヴォーカルだったからね。ギターにハマったのはdip(ディップ)っていう、ちょっとマニアックなバンドがきっかけで。そこにすごく影響を受けましたね。そっから、ギターってカッケ〜なって。あとは洋楽とか聴きだして“いいなギターも”って。

逹瑯:すげぇなぁ。俺、25歳で始めてたら、絶対にすぐに挫折すると思うもんなぁ。すげぇ根性ありますよね。しかも、そうとは思えないプレイだし。でも、最初からte’のギターは無理ですよね?

hiro:うん、さすがにね(笑)。その、te’の前にやってた女の子ヴォーカルのバンドでは、自分のできる範囲のギターでやってたんですよ。グランジっぽいことやったりとかね。

――さっき、“歌が好きすぎるから、逆に歌のないモノをやるようになった”っておっしゃってましたけど、te’はジャンル的にはポストロックっていうジャンルに分類されるんですよね?

hiro:みたいですね。

逹瑯:ポストロックってよくわかんないんですけど、有名なアーティストだと何処らへんのバンドがいるの?

hiro:代表的なとこでいうとモグワイとかかな。

逹瑯:あぁいうのをポストロックって言うんだぁ〜。

hiro:そうみたい(笑)。なんかね、自分たち的にも、そうやって言われるようになって、“あ、俺たちがやってる音楽ってそうなの?”って感じでしたからね(笑)。そういう意識はまったくなかったっていうか。そこを目指してなかったっていう。

逹瑯:結果、ポストロックだったってことですか?

hiro:そうそう。

逹瑯:ふぅ〜ん。でも、そういうものかもしんないですよね。

hiro:そう。元々は、みんなが憧れたところと同じBOOWYを聴いて育った訳ですから(笑)。

――その枝分かれ具合が面白いんですよね。

逹瑯:だよね。

⇒NEXT INTERVIEW-3

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