LOUDNESS二井原実インタビュー[後編]「常にLOUDNESSらしくデカい音でやる。“あの人”がやり続けたかったことでもあるはずだから」
8月に[前編]をお届けしてからやや時間が経過してしまったが、LOUDNESSのヴォーカリスト、二井原実のロング・インタビュー[後編]をお届けしよう。この11月14日には、東京渋谷C.C.Lemon Hallでの<EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2010>の開催も控えているが、その前に急遽、10月16日に、神戸ワールド記念ホールでの<LOUD PARK 10>神戸公演にも出演することも決定。記念すべき30周年のアニヴァーサリー・イヤー到来を前に、重鎮たちのアグレッシヴな疾走には、まるで止まろうとする気配がない。
◆二井原実画像
――最新アルバム『KING OF PAIN因果応報』の作風には、初期の楽曲を中心に構成された『CLASSIC LOUDNESS』のライヴと感触的に重なるところがありますよね?
二井原:ええ。3年ほど前に全米ツアーをやったときに、向こうのオーディエンスから「昔の曲をもっとやってくれ」というリクエストがすごく多かったんですね。「LET IT GO」とか「CRAZY NIGHT」とか、あのへんの曲を。それでツアー中に、ツアー・マネージャーのほうからも「もうちょっと昔の曲の割合を増やしてくれないか?」と持ちかけられて、実際にちょっとメニューを変えて、チューニングを元に戻して昔の曲をやったんですよ。そういう要求があった当初は高崎君も「えーっ」という感じではあったんだけど、やっぱりそれがドカーンと受けて、会場の空気が変わるんですよね。そこで「やっぱりこれはアリなんじゃないか?」と。だから向こうのツアーから帰ってきてから、レギュラー・チューニングへの抵抗がなくなったという部分も多少はあったんじゃないかと思う。それまではね、「今さらレギュラー・チューニングに戻すぐらいなら、俺はギターを止める」ぐらいのことを言ってましたから(笑)。
――そこまで言ってたんですか!
二井原:うん。ちょっと頑なになっていたところもあったと思う。でもそのアメリカ・ツアーで、自分たちが過去にとってきたアプローチを否定する必要がないことに気付かされたんじゃないかな。やっぱりなんと言っても、あれだけお客さんが爆発的に盛り上がるというのはね…。もちろん曲がよく知られているからというのもあるし、アメリカでいちばんよくオン・エアされていた曲たちだからというのもあるけども、そういう曲を、会場をひとつにするための有効な飛び道具として使うことは、間違いじゃないと思うし。
――ええ。もちろん音楽を作る側からすれば最新作からの曲を中心にやりたいというのが本音だろうし、そこで意地になるところも当然あるはず。しかし過去のものにしても、決して不本意なものではないわけですもんね。
二井原:そうですね。以前は昔の曲でもダウン・チューニングでやっていたんだけど、それはもう止めよう、と。逆にレギュラーでやることに意味があるんじゃないか、と。そこで「だったら思い切って、昔の曲をがっつりやろうじゃないか」という考えに至って、『CLASSIC LOUDNESS』をやることになったんです。もちろんそこには、樋口さんの死というものもあったわけですけど…。そこで一度、音楽的にフラットな状態に戻れた部分があるのは間違いないと思う。
――JUDAS PRIESTにしろMETALLICAにしろ、近年、往年の名盤の完全再現みたいなライヴを実践しているバンドは少なくありませんけど、それとも重なる部分があるように思います。で、それはかならずしも後ろ向きなことじゃないと僕は思うんですよ。
二井原:うん。なにしろ過去の自分たちが実際に作った音楽であるわけだし、それをやることに後ろめたさを感じる必要はないというか。時代によってはそういうところもあった気がするけど、今はまったくそういうワダカマリみたいなものがなくて。自分たちでも改めて「カッコいいなあ」「いい曲だなあ」と再認識させられることが多いんです。お客さんが喜んでくれてるのも伝わってくるし、自分たち自身、リハーサルなんかでも楽しみながら臨めているんで。これは全然アリなんじゃないかと思いますね。
――久々にやることで刺激をおぼえる部分というのもあるはずですよね? 封印を解いたものだからこそ。
二井原:ええ。たとえば「Road Racer」とか「Gotta Fight」とかね。そういった、28年ぶりに歌うような曲があったりとか。単純に「懐かしいなあ」という感慨もあるし。確かに重箱の隅をつつけば「このアホな歌詞、何?」みたいなのもあったりするんですけど(笑)、それも含めてLOUDNESSであるわけだから。
――ま、そこで昔の衣装を引っ張り出してくるようなのとは違うわけですし。
二井原:まあヴィジュアル要素についてはね。あれを今やったらイタいでしょ(笑)。
――ちょっと見てみたい気もしますが(笑)。でも、要するに重要なのは、単なるリヴァイヴァルではないということだと思うんです。しかも20年以上ぶりに演奏するような曲と並べても違和感のない曲が、今、生まれているところにも意味があるというか。
二井原:その通り。だから…そういう部分で言うと、LOUDNESSというバンドは基本的には変わってないんじゃないかと思うんです。その基盤みたいなものは。
――ええ。ところで今作では、二井原さんの声の種類がさらに増えているように感じました。二井原さん以外の声もあるようですけど。
◆二井原実画像
――最新アルバム『KING OF PAIN因果応報』の作風には、初期の楽曲を中心に構成された『CLASSIC LOUDNESS』のライヴと感触的に重なるところがありますよね?
二井原:ええ。3年ほど前に全米ツアーをやったときに、向こうのオーディエンスから「昔の曲をもっとやってくれ」というリクエストがすごく多かったんですね。「LET IT GO」とか「CRAZY NIGHT」とか、あのへんの曲を。それでツアー中に、ツアー・マネージャーのほうからも「もうちょっと昔の曲の割合を増やしてくれないか?」と持ちかけられて、実際にちょっとメニューを変えて、チューニングを元に戻して昔の曲をやったんですよ。そういう要求があった当初は高崎君も「えーっ」という感じではあったんだけど、やっぱりそれがドカーンと受けて、会場の空気が変わるんですよね。そこで「やっぱりこれはアリなんじゃないか?」と。だから向こうのツアーから帰ってきてから、レギュラー・チューニングへの抵抗がなくなったという部分も多少はあったんじゃないかと思う。それまではね、「今さらレギュラー・チューニングに戻すぐらいなら、俺はギターを止める」ぐらいのことを言ってましたから(笑)。
――そこまで言ってたんですか!
二井原:うん。ちょっと頑なになっていたところもあったと思う。でもそのアメリカ・ツアーで、自分たちが過去にとってきたアプローチを否定する必要がないことに気付かされたんじゃないかな。やっぱりなんと言っても、あれだけお客さんが爆発的に盛り上がるというのはね…。もちろん曲がよく知られているからというのもあるし、アメリカでいちばんよくオン・エアされていた曲たちだからというのもあるけども、そういう曲を、会場をひとつにするための有効な飛び道具として使うことは、間違いじゃないと思うし。
――ええ。もちろん音楽を作る側からすれば最新作からの曲を中心にやりたいというのが本音だろうし、そこで意地になるところも当然あるはず。しかし過去のものにしても、決して不本意なものではないわけですもんね。
二井原:そうですね。以前は昔の曲でもダウン・チューニングでやっていたんだけど、それはもう止めよう、と。逆にレギュラーでやることに意味があるんじゃないか、と。そこで「だったら思い切って、昔の曲をがっつりやろうじゃないか」という考えに至って、『CLASSIC LOUDNESS』をやることになったんです。もちろんそこには、樋口さんの死というものもあったわけですけど…。そこで一度、音楽的にフラットな状態に戻れた部分があるのは間違いないと思う。
――JUDAS PRIESTにしろMETALLICAにしろ、近年、往年の名盤の完全再現みたいなライヴを実践しているバンドは少なくありませんけど、それとも重なる部分があるように思います。で、それはかならずしも後ろ向きなことじゃないと僕は思うんですよ。
二井原:うん。なにしろ過去の自分たちが実際に作った音楽であるわけだし、それをやることに後ろめたさを感じる必要はないというか。時代によってはそういうところもあった気がするけど、今はまったくそういうワダカマリみたいなものがなくて。自分たちでも改めて「カッコいいなあ」「いい曲だなあ」と再認識させられることが多いんです。お客さんが喜んでくれてるのも伝わってくるし、自分たち自身、リハーサルなんかでも楽しみながら臨めているんで。これは全然アリなんじゃないかと思いますね。
――久々にやることで刺激をおぼえる部分というのもあるはずですよね? 封印を解いたものだからこそ。
二井原:ええ。たとえば「Road Racer」とか「Gotta Fight」とかね。そういった、28年ぶりに歌うような曲があったりとか。単純に「懐かしいなあ」という感慨もあるし。確かに重箱の隅をつつけば「このアホな歌詞、何?」みたいなのもあったりするんですけど(笑)、それも含めてLOUDNESSであるわけだから。
――ま、そこで昔の衣装を引っ張り出してくるようなのとは違うわけですし。
二井原:まあヴィジュアル要素についてはね。あれを今やったらイタいでしょ(笑)。
――ちょっと見てみたい気もしますが(笑)。でも、要するに重要なのは、単なるリヴァイヴァルではないということだと思うんです。しかも20年以上ぶりに演奏するような曲と並べても違和感のない曲が、今、生まれているところにも意味があるというか。
二井原:その通り。だから…そういう部分で言うと、LOUDNESSというバンドは基本的には変わってないんじゃないかと思うんです。その基盤みたいなものは。
――ええ。ところで今作では、二井原さんの声の種類がさらに増えているように感じました。二井原さん以外の声もあるようですけど。
この記事の関連情報
都市型ロック(HR/MR)フェス<CRASH CRISIS>第二弾出演者を発表
世界の危機を打ち砕いていくハードロックフェス<CRASH CRISIS>が8/12に開催
【俺の楽器・私の愛機】1598「憧れのキラー」
EARTHSHAKER、44MAGNUM、MARINOら出演、心斎橋BAHAMA60周年記念イベント開催決定
【ライブレポート】LOUDNESS、ツアー開幕“40年を超えてもなお我武者羅に”
Vigier(ヴィジェ)、ラウドネス 山下昌良の大和魂溢れる新シグネチャーモデルを発売
Vigier(ヴィジェ)、山下昌良シグネチュアピックがニューデザインで登場
【レポート】LOUDNESS、2023年初ライブで声出し解禁+6月には次期ツアー開催も決定
LOUDNESS高崎晃が全面プロデュース、オリジナルウイスキー「SUNBURST」発売