Tahiti 80、奇跡を紡いだ10年間のコンプリート・ベスト・アルバムをリリース

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フランスが世界に誇るバンドTahiti80。2000年、デビュー・アルバム『パズル』をリリースし、この1枚の作品の大ヒットで世界中のポップス・スタンダードを塗り替えて早10年。英語で歌われるそのポップソングは耳にしっくり馴染み、独自の憂いあるヴォーカル、心に染み入るメロディによる良質なポップスで世界的な人気バンドに成長した。

◆Tahiti 80インタビュー映像

そして、2010年、日本デビュー10周年というアニヴァーサリー・イヤーを迎え、ベスト・アルバムが発売された。今作は監修/選曲全てバンド自身が行ない、映像特典やこの作品のためだけの新曲「Me And The Princess」も収録している。アートワークは今までのTahiti作品を手がけてきた巨匠ローラン・フェティスが担当している。

そのTahiti 80のインタビュー映像が到着した。リラックスした様子で、アルバムのポリシーや選曲などについて生真面目に質問に答えてくれている。こちらにも注目してほしい。

さて、コンプリート・ベスト・アルバム『Singles Club』だが、収録されたのは全16曲。初回限定盤にはDVDが付いており、10曲のビデオクリップ、そしてエクスクルーシヴライヴ映像が収録されている。盛りだくさんな内容だ。CD収録の16曲について、全曲を本人たちが解説してくれているので、それを紹介しておこう。

「Heartbeat」
ビーチボーイズの“God Only Knows”とジャクソン5のグルーヴ感を結合させようと試みたわけで、上手くいったかどうかはわからないけど、僕らの曲の中では今でも一番有名だよね。

「I.S.A.A.C」
“I.S.A.A.C”(『Loveboat』(アメリカのTVドラマ)の登場人物の名前と同じだけど、理由は訊かないで!)は、4トラックのカセットマシンと旧式のサンプラー(CDプレイヤーで作られたループ音)に始まって、僕らの1st EP『20 Minutes』に到達。ついには、『Puzzle』用にニューヨークで再度レコーディングされることになった。

「A Love From Outer Space (Tore Johansson Mix)」
このARケインのカヴァー曲はB面に収録するつもりでいたんだけど、レーベルの人たちに聴かせたら、みんな大絶賛だったんで、イングランドのルイスにあるトーレ宅の屋根裏部屋で、いきなり仕上げることになった。作業に取り組みながらも、ブライトンで夜通し遊んだ後で、二日酔い気味だったのを思い出すよ。

「Yellow Butterfly (Single Version)」
『Puzzle』の収録曲の中で最も実験的なこの曲が、UKでの1stシングルになったなんて、ホントおかしな話だよ。XFMラジオのTVコマーシャルにもフィーチャーされたね。

「Wallpaper For The Soul」
もともとはアコースティックギターで作った曲なんだ。でも別のプランもあって、エイフェックス・ツインがプロデュースしたコリン・ブランストーンて感じにしたかった。実際にみんなの耳に届いたのは、8分に及ぶ2つのエレクトロニックジャムを編集して、その上にヴォーカルとフルオーケストラをオーバーダビングしたもの。

「Soul Deep」
ストリングスとホーンはすべて、ロンドンのオリンピック・スタジオでレコーディングした(ビートルズが「Hey Jude」をレコーディングした場所で、僕らは代わる代わるあのピアノを弾いたんだ!)。リチャードがブリッジ用にサックスのソロ曲を書いてくれて、みんなその譜面を気に入ったけど、ちょっとやり過ぎな気もしたんで、彼とサックスプレイヤーを説得してみた。そのパートを別録りしてくれたら、後で程よくミキシングできるだろ・・・それで問題はすべて解決だってね!

「1,000 Times」
僕らのニューヨーク・ソング。レコーディングを始めたのが、ツインタワーが崩壊した日で、ニューヨークで曲を仕上げて、それからハドソン川でビデオを撮影したんだ。歌詞はストロークスを彷彿とさせるしね。

「Don't Misunderstand」
実り多き『Wallpaper For The Soul』のレコーディングからもう一曲。アトモスフェリックがこの曲のCDシングルをプレスしたんだけど、流通させたとは思えないんで・・・もし持っているなら、レアものだから大切にしてね!

「Changes」
この曲の始まりは、シルヴァン宅の地下室にあるAtari STだったかな。曲じゃなく、アイディアだけが頭に浮かんで。ペドロがビートを思いついて、僕がメロディとコードにたどり着いた。それまでの僕らの作業方法からしたら、かなり大きな飛躍だったよ。

「Big Day」
リハーサルの最後の数分間、パリへと帰る列車に乗る前に、みんなで楽器を交換して即興で演ってみることになって、あのグルーヴを見つけて、MiniDiscレコーダーのおかげで、ベースリフと基本構造をどうにか捕らえることができたんだ。制作段階での曲名は「Fat Mama」。

「Here Comes... (Edit Version)」

モータウン・レコーズからインスピレーションを受けた60年代の多くの白人バンドと同じように、ネプチューンズ作品の魔法に敬意を表することにしたんだ。OhとYeahに感謝!

「Something About You Girl」
LAでニール・ポーグと一緒に「Something About You Girl」のミキシングを終えた、あの夜のことは忘れられないね。いろいろと試してみた後、僕らはニールの車に乗り込み、スピーカーから流れるこの曲を聴いたんだ。いかにも陳腐なサウンドだけど、ミキシングはまさに僕らが求めた通りのものだと思った。それでセッションは終了となったわけ。

「Chinatown」
この曲を書いた時、聞こえてきたのはスウィートでソフトなソウル・アレンジだった。それから、僕らの作る音楽は優しいとかなんとかそんなレビューを読んだもんだから、僕らはSGギターをプラグインして、最高にヘヴィな曲に仕上げた。僕は怒りのあまりギターを2ステップ高い音でレコーディングしちゃって、おかげですごく高いレンジで歌う羽目になったよ。

「All Around」
シルヴァンがこの曲のメロディと全体的な方向性を思いついてね。メデリックがコーラスと僕の歌声に乗せてQ-Tronペダルを楽しそうに踏みながら、真夜中にバッキングヴォーカルをレコーディングしたのを思い出すよ。

「Unpredictable (Single version)」
最後のコーラスの真っ只中に“waoo”って感じの叫び声が聞こえるけど、これはドラムスのレコーディング中に、無意識に音楽に反応して踊ったりしていた僕らの友達の一人が起こしたハプニングなんだ。

「Me And The Princess」
ナイトクラブのパーティでのひとコマ。その夜、集まった人たちの会話をひたすらメモして、無意味な言葉たちに意味をもたせようとしてみた。この曲はしばらく“Jet Set Junta”(モノクローム・セットの楽曲名)と呼ばれていたんだ。いわゆるアフリカンなバッキングヴォーカルを35トラックもレコーディングしていたからね。あれはどこに行ってしまったんだろう?

なおTahiti 80は、通算5作目となるオリジナル・アルバムを2011年初頭に予定している。このアルバムは、3rdアルバム『Fosbery』にも似たエレクトロニック・ポップス的世界観の内容となるとのことだ。

Best Album『Singles Club』
2010年9月8日 初回限定盤&通常盤同時リリース
VIZP-94 初回限定盤 \3,360(tax in)
:CD全16曲+DVD PV+エクスクルーシヴLive映像 (2枚組)
VICP-64868 通常盤 \2,625(tax in):初回限定盤のCDのみ
※いずれのアイテムも最新曲“Me&The Princess”収録

●CD
1.Heartbeat
2.I.S.A.A.C
3.A Love From Outer Space
4.Yellow Butterfly(Single Version)
5.Wallpaper For The Soul
6.Soul Deep
7.1,000 Times
8.Don't Misunderstand
9.Changes
10.Big Day
11.Here Comes...(Edit Version)
12.Something About You Girl
13.Chinatown
14.All Around
15.Unpredictable(Single Version)
16.Me And The Princess
●DVD
1.Heartbeat
2.A Love From Outer Space
3.Wallpaper For The Soul
4.1,000 Times
5.Changes
6.Big Day
7.Chinatown
8.All Around
9.Unpredictable
10.Me And The Princess
11.Heartbeat Live at yokohama Bay Hall, in Japan 2000.10.27

◆Tahiti 80 オフィシャルサイト
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