ビール片手に夏のフェス、<SUPER DRY THE LIVE>に1万人
夏の終わりを彩る夢の1万人野外ライブイベント<SUPER DRY THE LIVE>が8月28日、千葉ポートパーク・特設野外ステージで開催された。
◆<SUPER DRY THE LIVE>ライブ画像
出演したのは藍坊主、HOME MADE 家族、GOING UNDER GROUND、SEAMO、レミオロメン、そして、シークレット・ゲストとして登場したSuperflyという、現在の音楽シーンを代表するトップ・アーティスト陣。さらにセカンドステージには、一般公募で選出された4組の若手アーティスト(39×69、吉田Q、Sissy、センチレンタル)が登場。抽選で選ばれた1万名のオーディエンスの前で素晴らしいパフォーマンスを披露した。
会場となった千葉ポートパーク・特設野外ステージは、周りを木々に囲まれた自然あふれるロケーション。日中は熱い日差しが照りつけたが、ときおり爽やかな風が吹きぬけ、野外イベントには絶好のコンディションとなった。沖縄料理、インドネシア料理、ハワイ料理、アフリカ料理などが揃ったフードエリアも充実。
ビッグアーティストの共演をビール片手に楽しむというテーマがしっかりと実現された「SUPER DRY THE LIVE」ではアサヒスーパードライ スリムボトム缶350mlといっしょに好みのフードを楽しむ観客も数多く見受けられた。
なお、<SUPER DRY THE LIVE>の様子は、MUSIC ON! TVにて9月26日(日)19:00~23:00に放送となる。
◆藍坊主
イベントのオープニングは藍坊主(あおぼうず)。2010年2月にリリースされた5枚目のアルバム『ミズカネ』が初めてオリコン10位にチャートインするなど、確実に知名度を上げている彼らは、この日ロックバンドとしての確かな実力をしっかりとアピールした。
ステージに登場すると、まず、hozzy(Vo)が両手を突き上げる。「みなさん、こんにちは!SUPER DRY THE LIVEにようこそ!」という挨拶とともに、1曲目に「ハローグッバイ」。曲が進むにつれて、手を上げる観客が増えていく。さらにダイナミックなバンドサウンドが印象的な「ラストソング」、叙情性のあるメロディが心地いい「オレンジテトラポット」。藍坊主ならではの世界観が広がっていく。
「10時の会場から3時間、お待たせしました。顔が赤いのは、日焼けのせいだけじゃない。今日は年齢確認があるということなので、みなさん、飲めるんですよね?」(藤森真一)というMCのあとゆったりとした雰囲気の「名前の無い色」へ。最後に披露された「伝言」における、<かけがえのない命、愛を繋いでいきたい>という深いメッセージ性も深く心に残った。
hozzy(Vo):次(のアーティスト)に向けて、盛り上げられたと思います。
渡辺拓郎(Dr):店(フードコーナー)にも行ったんですけど、肉詰めソーセージがうまかった。最高に肉々しかったです(笑)。
田中ユウイチ(G):お客さんも盛り上がってくれましたね。木陰で寝っころがって聞いてた人も気持ち良さそうで。
藤森真一(B):曲が進むにつれて、木の中から出てきてる感じが良かったですね。
hozzy:もう制作(レコーディング)に戻りたくないね(笑)。
渡辺:(野外イベントは)健康的だからね。たまにはお日様を浴びないと。
hozzy:でも、(制作も)またがんばれそうです。
藤森:(野外イベントは)照明がないから、カッコつかないというか(笑)、本質で勝負するしかないんですよね。あとはこっちが楽しんでないと、お客さんも楽しめないと思うし。音楽を通じて雰囲気を作っていけたらいいな、と。お客さん、顔が赤かったですね。日焼けとアルコールで、いい感じで赤くなってて。おつまみもあるし、音楽もあるし、最高ですよね。
hozzy:今日のライブもいい経験になりました。フェスって1年に1回か2回くらいしか出ないんだけど、すごく楽しかったです。またいい曲を書いて、ツアーをやって、みなさんに届けていけたらいいなと思います。
◆HOME MADE 家族
続いては、いまや日本を代表するヒップホップ・トリオとなったHOME MADE 家族。まずはU-ICHI (DJ)がステージに登場、弾けるようなリズムを響かせる。さらにMICRO(MC)が「上がっていこうぜ、SUPER DRY THE LIVE!」とシャウト、メンバーの動きに合わせて左右に手を振るオーディエンスといっしょにテンションを引き上げていく。ギター・サウンドをサンプリングした「ムカイカゼ」では、「say ”HOME MADE”」「say”家族”」というコール&レスポンスも巻き起こり、会場全体の一体感がさらにアップ。
また「fantastic 3」では地元名古屋のシーンで活動していたSEAMOがゲスト参加、息の合ったラップを披露。高いテクニックとエンターテインメント性をバランスよく兼ね備えたパフォーマンスを体感して、オーディエンスも大興奮。
ニューシングル「ぬくもり」を初披露、さらに切ないエモーションに満ちた「サンキュー!!」では、ありがとうの大合唱も。どんなシチュエーションでも必ず観客を盛り上げるHOME MADE 家族のステージングが、ここでも炸裂した。
MICRO:出番は最初のほうだったんですけど、お客さんがウェルカムな感じで。一体感のある、ステキなライブになりましたね。
KURO:完璧です!(撮影用の)ヘリコプターも飛んでましたけど、いい絵が撮れたんじゃないですか?。
U-ICHI:今日みたいな炎天下の野外ライブはけっこう久しぶりで。楽しかったです。
MICRO:野外ライブは、自由に移動できるところがいいですよね。木陰で見ててもいいし、前のほうまで来てもらってもいいし。それぞれチョイスできるところが、野外ライブのいいところだと思います。
KURO:ステージドリンクにビールが用意してあって、何度飲もうと思ったことか(笑)。ライブが終わったら、速攻で飲みました。
MICRO:他のアーティストのライブも見たいし、ビールを飲みながら楽しみたいですね。最高のシチュエーション、最高の音楽、最高のビール。ホントに楽しかったです!。
◆GOING UNDER GROUND
まず、美しく、憂いのある鍵盤の旋律が聴こえてくる。心地よい静けさに満ちたステージに松本素生(Vo&G)がゆっくりと登場、「Listen to the stereo,tonight,tonight,tonight」というフレーズを歌い上げる。ヒダカトオル(BEAT CRUSADERS)のプロデュースによるニューシングル「LISTEN TO THE STEREO!!」から始まったGOING UNDER GROUNDは、タイトなバンドサウンドとノスタルジックな歌という彼らの魅力をまっすぐに発揮してくれた。
「昨日は(朝の)4時まで飲んでました。初めての向かい酒をやってみようかな(と言いいながら、アサヒスーパードライ スリムボトム缶350mlを手に取る)。今日晴れたことに、そして、素晴らしい1日になりますように!」とビールを飲む松本。親しみやすいステージングからも、彼らの人間性が伝わってくるようだった。
もっとも印象に残ったのは「涼しくなるような曲をやります」(松本)というMCに導かれた「トワイライト」。生まれ育った故郷、そして、終わってゆく青春への思いに満ちたこの曲は、オーディエンスの胸に深い余韻を残したはずだ。
松本素生(Vo):今朝4時まで飲んでたんですけど、(ステージで)汗かいて爽快な気分です!
河野丈洋(Dr):風も気持ちよかったし。
中澤寛規(G&Vo):お客さんも元気だったよね。今年も何本かフェスに出させてもらったんですけど、革ジャンを着ててもなんとも思わなくなりました(笑)。今日はハッスルしすぎて、ヒザをすりむいちゃったけど。
松本:今日いちばんのハプニングだね。
中澤:あとは俺のチャゲアスの真似?(笑)
松本:石原がベースを間違えたこともね。
石原聡(B):え、どこ?
松本:(笑)。(この日の会場がある)千葉と(GOING UNDER GROUNDの出身地)埼玉ってやっぱりライバル意識があると思うんだけど…。
中澤:うまくハモったら、いい感じだよね。
松本:そう、千葉と埼玉が悪ノリしてる感じは、関東一だと思います!
中澤:そして今日わかったことは、どんなに身体が火照っても、アサヒスーパードライがあれば大丈夫!
松本:いい夏の終わりになりました。楽しかった!。
◆SEAMO
HOME MADE 家族のステージにも飛び入り参加したSEAMOは、本来のサービス精神を思いきり発揮、会場の興奮をグングンと上げていく圧巻のライブを展開。イントロが流れただけで「ウォー!」という歓声が起こり、ほとんどのオーディエンスが身体を揺らした「ルパン・ザ・ファイヤー」(「マイケルSEAMOが踊ります!」というMCとともにムーンウォークも披露!)から、一気に自分のペースに持っていくSEAMO。「今日、俺のライブ初めて見るって人? (かなりの人数が手をあげる)うわ、めちゃくちゃ多いじゃねえか! ビックリして息止まりそうになった!」というシーンもあったが、こういう出会いもまた、音楽イベントの醍醐味だろう。
どこまでも興奮を煽っていくディスコ・ナンバー「FRIDAY NIGHT FEVER」さらにダンスホールレゲエのビートで乗りまくる「不景気なんてぶっとばせ!!」、「みんなとまた会えることを願って」というMCとともに披露された珠玉のラブバラード「マタアイマショウ」などのヒットチューンを連発。DJ、ヒューマンビートボクサー、4人の男性ダンサーとともに、質の高いエンターテインメント・ショーを見せつけた。
SEAMO:ちょっと暑いかなって思っていたんですけど、いい時間帯に出させてもらって、風も気持ちよくふいていて。ホントに気持ちよく盛り上がれましたね。フェスって、いろんな楽しみ方ができるじゃないですか。後ろでゆっくり見てる人も楽しくないわけじゃなくて。みんなが声を出してくれたのもよかったですね。
今日は成人の方ばかりということで、お酒が飲めるっていうのもいいですよね。盛り上がり方がえげつないというか(笑)、火がついたときが凄くて。
メジャー・アーティストとインディーズでがんばっているアーティストが交互に出演するっていうのは、すごいことだと思います。場合によっては上手くバトンをつなげないことがあるかもしれないけど、今日はすごく良かったと思いますね。(若手アーティストが)ビッグになったとき、またいっしょにやれたらいいなって思うし、若い人に負けないっていう気持ちにもなるし。
いいお客さん、いい音楽、いいお酒。これが最高のバイブレーションを生むんですよね。今日はありがとうございました。
◆Superfly
観客の大きな期待のなか、シークレットゲストとして登場したのは、なんとSuperfly。豪快なロック・グルーヴが炸裂した「Alright!!」、シャープなバンドサウンドと軽やかなポップ感がひとつになった「恋する瞳は美しい」、ハードロック・テイストのギターリフを中心にした「How Do I Survive?」。この夏、フジロックフェスティバルをはじめとするビッグ・イベントに数多く出演してきたボーカル越智志帆は、美しい夕暮れのなかでダイナミックなボーカルを響かせ、1万人のオーディエンスを熱狂させていく。「シークレットゲストは生まれて初めてなので、いつもとは違う種類の緊張がありました。Superflyを初めて見る人も多いと思うけど、みんなで思い切り歌って、踊って、楽しみましょう!」というMCのあとは、切ないメロディラインが印象的な「Wildflower」を披露。さらに「みんな踊ってる? みんな楽しんでる?」というシャウトに導かれた「タマシイレボリューション」で会場をひとつにした。
Superfly:シークレットゲストとしてライブに出たのは初めてだったので、すごく緊張していましたね。でも、(ステージ後方にある丘の)上のほうに座っていた人が、曲が始まったとたんにバーッと下りてくるのがハッキリ見えたのでホッとしました。みんながなるべく知っている曲で、楽しい雰囲気が作れればいいなって。野外はやっぱり最高ですね!お客さんの表情もちゃんと見えるし、ものすごく踊りの上手い人なんかもいて、楽しいですね。ビールは好きなので、私もこの後、飲みます(笑)
◆レミオロメン
イベントの最後を飾ったのは、現在、47都道府県をまわる全国ツアーを行なっているレミオロメン。大歓声に包まれながら「Starting Over」「雨上がり」「スタンドバイミー」「明日に架かる橋」といった高揚感あふれる楽曲を次々と演奏、安定感のあるパフォーマンスによって大きな盛り上がりを生み出していく。2010年、バンド結成10周年を迎えた彼らはいま、もっとも充実している時期を迎えようとしている…そんな手ごたえがはっきりと伝わってくる。また、「日常にある小さな幸せを大切にしたい。そんなテーマを込めた曲です」(藤巻亮太/Vo&G)という「花鳥風月」、春という季節の切なさを表現した「Sakura」など、深い思いのつまったナンバーも感動的だった。
本編のラストはポジティブなメッセージを持ったニューシングル「立つんだジョー」。「このライブの企画が持ち上がるきっかけになった曲です。初めてCMに出ました!記念すべき作品になったけど、大好きなビールでよかった!いろいろあって負けそうになるけど、やっぱり攻める気持ちって大切だよね!そんな気持ちを込めた曲をやります!」という藤巻のMCにも、大きな拍手が起きた。
そしてアンコールでは彼らの代表曲のひとつ「3月9日」を披露。大切な人といっしょに、いつまでも人生を歩んでいきたい。そんな切実な思いがたっぷり込められた名曲を、数多くの観客が口ずさむ。その光景はいつまでもオーディエンスの思い出を彩ることになるはずだ。
藤巻亮太(Vo&G):お客さんがすごく楽しんでくれてたし、僕らとしても達成感のあるライブでしたね。
前田啓介(B):みんなが盛り上がってくれていると人の波があるんですよね。嬉しいですね。
神宮司治(Dr):今年も夏フェスにはいくつか出させてもらったんですが、この時間(18時半~19時半)は初めてだったし、順番が最後っていうのも初めてだったんです。1時間くらいたっぷり演奏できたし、充実感がありました。夏の終わりの良い思い出になりましたね。
藤巻:野外が似合う曲をセレクトしたんですよ。星、空、風といったワードがある曲を演奏すると、共有しているっていう感じがあって。
神宮司:「南風」を演奏してるとき、気持ちいい風が吹いたんですよね。それはみんなも感じてくれたんじゃないかなって思います。
藤巻:ライブ前は抑えましたけど、夏は汗をかくし、ビールがおいしいですよね、純粋に。
前田:酒は基本、美味いです(笑)。
藤巻:今日来てくれたファンのみなさん、ありがとうございました。夏の終わりのイベントということで、ステキな1日になったんじゃないかなと思います。
神宮司:47都道府県をまわる全国ツアーも後半戦に入ります。近くに行ったときは、ぜひ遊びに来てください。これからもみなさんと、いろいろなものを共有していければと思います!
◆39×69(サクロック)
櫻音ひろゆきのライブユニット39×69。10名を越えるサポートメンバーとともにロックンロール~スカを基本としたダンサブルなステージを見せつけた。迫力あるホーンセクション、しなやかなさを感じさせる歌、カラフルなステージ衣装がひとつになった、エンターテインメント性の高いライブだった。
◆吉田Q
大阪を中心に活動しているシンガーソングライター吉田Qは、シックなスーツ姿でブルース~ソウル・ミュージックのエッセンスを感じさせる楽曲を演奏。人間味に溢れたボーカル、アコースティック感覚に溢れたバンドサウンドも魅力的だった。
◆Sissy
高揚感あふれるロックチューンから、しっとりと聞かせる壮大なバラードまで。4ピースバンドSissyはこの日、ロックバンドとしての高いポテンシャルをしっかりと示した。すぐに口ずさめるようなメロディも、このバンドの大きな魅力だろう。どこか爽やかな印象を感じさせるルックスも好感度バツグン。
◆センチレンタル
ピアノを含む4ピースバンド、センチレンタル。このバンドの武器は、歌を大切にしたサウンド。親しみやすいメロディ、深いメッセージ性がバランスよく融合した彼らの歌は、そのライブを初めてみる観客の心をしっかりと捉えていた。
photo by YOJI KAWADA
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