倉橋ヨエコ、“遺作”2曲が2年の時を経て配信開始

ポスト

かつて、倉橋ヨエコという歌手がいた。

◆倉橋ヨエコ ラストライヴの画像

六畳一間の自宅にグランドピアノを据え、日々“恨み帳”なる日記を綴り、世間に向けては「夜は自己嫌悪で忙しい」、「みんなの幸せは、私がいないこと」等、数々の名言(迷言)を放ち、自ら奏でる流麗なピアノの旋律を、引き裂く様に唄う歌手。それが倉橋ヨエコ。

2008年、彼女は8年間の音楽活動に終止符を打った。慕ってきたファンを突き放すように自ら廃業を宣言したのだ。

そして、2年の時を経た2010年8月25日、ベスト盤『終楽章』に収録されている「ジュエリー / 処方箋」の2曲が着うた(R)、着うたフル(R)、iTunesなどで初配信される。この2曲は、彼女が廃業を決心した後に書かれた、言わば歌い手としての“遺作”。

人生に落ち込んでいる人、泥沼恋愛中の人、そしてドMな人。そんな人にこの曲、そして倉橋ヨエコという存在は響くかもしれない。恐ろしいほど絶大なマイナス思考を炸裂させる歌であるにも関わらず、もがきながらも真っ直ぐに生きる彼女の姿勢と、飾らないリアリティ。倉橋ヨエコが生み出す特異な世界、そこから新たな希望や喜びが見出せるかもしれない。

なお、2008年7月20日に東京キネマ倶楽部で行なわれた彼女のラストライヴは、嘆願書や署名活動といったファンたちからの猛烈なリクエストに応じて、9月20日、DVD『解体ヨエコショー』となってリリースされる。

◆倉橋ヨエコ オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報