-異種格闘技対談-Ring【round2】第7回/西川貴教(T.M.Revolution)

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GUEST 西川貴教(T.M.Revolution) / 逹瑯(Vo) ムック

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逹瑯「これから同じ時間を過ごして、ウチらが西川さんのとこにいけたときに、西川さんよりカッコ良くなってるように頑張ることが大事じゃないですかね」
西川「俺は追いつかれないように、もっと頑張らなくちゃね」

西川:よく、バンドとかミュージシャンの中でも、ドラムって集まったりしてるじゃない? ドラマー同士で集まる。なんか、日本最大級のドラム会っていうのがあったりとか。ドラムだけで200人集まって、居酒屋1軒で呑むみたいなのとかあるんだって。

――ベーシスト会もやってますよね。

西川:そう。ベースもね。

逹瑯:ドラムはいっちばんわかりやすく、技術が反映されますもんね。

西川:それもあるよね。「これって、どう叩いたら…」「ああ、そうやってるんだ!」みたいなのをやるらしいのよ。それって、どうなの!? みたいな(笑)。

――それ、すごいな。

西川:そう(笑)。ベースも、メロディや音階もあるけど、やっぱりリズムだから。ギターぐらいから、だんだん集まらなくなってくるじゃん。

逹瑯:たしかに! ギタリストって、ギター・ヒーローが多いのか、一匹狼が多い。

西川:ヴォーカルなんて、そんなに集まらないですよ、人種として。ただ、共通の何かきっかけがあって、大きなツリーのオーナメントみたいにぶら下がってるから。みんなひとつの生き物っていうか。そういうところでは、すごくフラットに、歌とか声とかどうしてるんですかって、なんのためらいもなくみんな聞いてくれるし、僕も一所懸命答えたいなと思うんだけど。でも、「上手くなりたいんです」っていうのは、自分がこういう音楽をやりたい、こういう歌が歌いたいっていうことのために必要な技術はつけるべきだけど、それ以上は別に身につけなくていいんじゃないのって。上手けりゃいいってことじゃないし、いい歌は上手いとか下手じゃなくて、いい歌はいい歌だから。それよりも、もっと遠くに気持ちを投げられるようにするとか、投げてる相手がもっとはっきりわかるようにとか、そういうことのほうが大事だと思うし。自分の歌に酔っちゃうのはね。

逹瑯:完全なるオナニー。

――カラオケとかでもすっごいうまい人って自分に酔って歌うじゃないですか。上手いなと思うけど、結構ドン引きですよね。

逹瑯:あははは。たしかに(笑)。

西川:我々みたいなのは、本来カラオケに向いてないんだけどね。ほんとは。

――ヴォーカリストってある意味、丸腰ですもんね。

西川:そうね。

――<V-ROCK FES>のとき、西川さんの歌はとにかく度肝を抜かれましたからね。戦車が突っ込んできたか! みたいな印象で。

西川:へええええー(笑)。あのときね、ちょうどヨーロッパ・ツアー前で、シミュレーションして。毎日ライヴをやろうっていうので、同じ会場で1週間ぐらい続けてライヴをやって、その合間に<V-ROCK FES>の出演が決まっていたから。ちょっと畑違いだから気合い入れていかないといかんぞって、メンバー全員で前日にご飯を食べつつ自分たちの映像を見ながら反省会をして。練って、気合い入れていったんですよ。だからかも(笑)。

逹瑯:叩き上げで、この時代にこんだけ一線でバンって張ってる人が、そんだけ引き締めて気合い入れてこられたら、一朝一夕でたちうちできるわけがないですよ。このキャリアの人らがね、本気で挑んできたらまだまだかなわない。そりゃ当たり前で、ウチらはそれを観て勉強して、ウチらがこうやってこれから同じ時間を過ごしていって、西川さんのとこにいけたときに西川さんよりカッコ良くなってるように頑張ろうって、頑張ることが大事じゃないですかね。俺たちは。

西川:俺は追いつかれないように、もっと頑張らなくちゃね。

――逹瑯くんの歳の頃って、西川さんは何していらっしゃいました?

西川:31歳でしょ? 僕、T.M.Revolutionやってた。それまでは、事務所に所属してたんですけど、そのあたりからはっきりと自分で会社を興して、自分でマネジメントを始めた頃ですね。それくらいにちょうどT.M.Revolutionのセルフ・プロデュースも始まり。会社の登記はちょっと前からしてたんだけど、それにマネジメント機能をもたせ始めたのが、ちょうど30で、すごく大きかったですよ。すごく大きな転機の歳でしたね。自分のなかで

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