ビジャンドゥ、悲しみに傷ついた心を癒す1stアルバム『Vijandeux』特集

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Vijandeux ビジャンドゥ 1stアルバム『Vijandeux』2010.8.4リリース

ジャマイカ&ジャパンが作り出す穏やかな温もり 自分のすべてをさらけ出すウィリーのコトバと それに強く優しく堅牢に寄り添うノリのギター 悲しみに傷ついた心を癒す力をくれる2人組だ

INTERVIEW

――ワビサビって、ウィリーの口から聞くと、なんか面白いですね。歌と言えば「SMILE」ではノリさんも歌っていますね。

ノリ:はじめ、サビのいい感じのところが出なくて、なかなか掴めなかったんだけど、マイクから離れてギター持って歌ってみたら“その感じいいよ!”ってことになって。結局、頭からギターを持って全部歌いました(笑)。もともとギターを持たないでマイクの前に立つことはなかったので、その方がナチュラルなんですよね。ノリも出るので。

――インタールード的な立ち位置の「STAND」では遊び心も見せてくれていますしね。

ノリ:これ廊下で録ったんですよ。

――それでこんな面白いリバーブなんですか。

ノリ:スタジオがあるのに、ドアを閉めて廊下で。

ウィリー:一発録り感とかラフな感じとか、そんなのを出したかったんです。ストリートでギターを持って二人でライヴをやってるときの空気をそのまま真空パックできたらいいなっていうコンセプトでやったんですよ。

ノリ:曲ネタを溜め込んでおくときの雰囲気がこの雰囲気なんです。部屋の隅っこにステレオマイクを置いて。その聞こえ方の雰囲気を目指して。

――すごく生々しい感じがしました。

ノリ:どっから鳴ってるんだろうって感じですよね(笑)。

――歌詞はどれもこれも実体験だから、伝わりますね。

ノリ:そのうち脱皮したいんですけどね(笑)。

ウィリー:もっとファンタジーなことを歌ったり。

ノリ:「KING OF 片想い」なんて、タイトルがもう実体験ですからね(笑)。

――ウィリーさんのあだ名だったんですよね(笑)。どれだけ片想いしてるんですか!?

ウィリー:いやいや。一人の子にずーっと片想いをしていたんです。彼女に好きな人がいようが彼氏がいようがずっと好きなんですよ。

――一途なんですね。

ノリ:そういう面もあるってことです(笑)。

――最後はデビュー曲「ビューティフル・ネーム」でしめるというのが広がりが出ていいですよね。ピースフルなアルバムの最後に相応しいと思いました。

ウィリー:必然な感じがします。アルバムのラストで聴くと、この曲が違うイメージになった。最初の自分のイメージでは4曲目くらいなのかと思ってたんですよ。でも新しい曲が揃って来てアルバムのヴァイブスで感じてみたときに、最後に入るっていうのが意味深だなぁって。この中では一番最初に録った曲なんだけど、一番最後に入ってる。

――ポジティヴな曲があったり、恋してる曲があったり、“生”を感じる曲が多い中、最後に命の歌が来るというのは素晴らしいラストです。

ウィリー:命をテーマにした曲って素晴らしいですよね。必ず最後は誰でも死ぬわけで、あっという間にパパもママもいなくなる。自分もあっという間にいなくなるんですよ。生きていると永遠に感じているけど、終わるときはすごく儚いんだろうなって。だからこそ大切にしなければいけないものなんですよね。こういう思いがあるから、いろんなポジティヴな歌も歌っていきたいなって思います。今歌っているのは等身大の自分ですけど、その自分さえも塗り替えるくらいのつもりで作品を残さなければいけないと思うんです。結局、マイケル・ジャクソンも、若い頃からもっと極められると思ってたと思うけど、でもその時のベストで、次はそれ以上の作品を残しているんですよね。もし生きていたら、彼はそれを持っておじいちゃんになるまで、超完成度高くライヴをやるし、その曲を何十年って歌い続けると思うんです。それがベストだし。俺もそういう作品を作り続けたい。

ノリ:命が枯れるその時まで、いかにそういう作品を作るかというスタンスが重要ですよね。今作にもそういう強い想いは相当込めてますから!

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