レミオロメン、夏を盛り上げるアッパーチューン17th Single「立つんだジョー」特集

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レミオロメン 17th Single「立つんだジョー」2010.7.28リリース

祝・結成10周年 コーナーに追い詰められても 諦めずに立ち上がる勇気を 奮い立たせてくれる 夏を盛り上げるアッパーチューン

INTERVIEW

――ではリリースの話に行きましょう。ツアーでもすでに披露している新曲「立つんだジョー」が、いよいよシングル・リリースされます。

藤巻:こういう時代に、ぜひ聴いてもらいたい曲ができたなと思います。『花鳥風月』というアルバムが、すごく地に足がついた作品だったので、やり切った感覚があったんですね。その次に出すものとして、長いツアーもあることだし、アッパーな曲で盛り上がれるような曲がいいなと思っていたので。曲のテーマとしては、いい時も悪い時もあるけれど、最終的に自分に闘う気持ちがないと何も変わって行かないんじゃないか?と。そういう一人一人の闘いにフォーカスが当たるようなものにしたかったんですけど、曲調はあくまでアッパーで盛り上がれるものにするというのが狙いでした。メロディと歌詞は、ほぼ同時に出てきましたね。『花鳥風月』を作っている時から、とにかく最初に歌詞を書いてしまおうというテーマがあったんですよ。それまでは歌入れの直前に書いていたんですけど、最初に歌詞があってみんなでまとめていったほうが、曲のベクトルが明確になるんですよね。それもあって、今回も歌詞を最初に書いて行きました。

――「立つんだジョー」というフレーズは、いきなり出ちゃったんですか。

藤巻:出ちゃったんですよ。「やるならジョイ、立つんだジョー」って、出ちゃったものはしょうがないなと。タイトルもこれしかないなと思ってたんですけど、「許可が下りるのかな?」とか、ちょっと心配もあって(笑)。「明日のジョー」を描いたちばてつや先生に手紙を書いたりして、そしたらすごく快く承諾してくださったので、無事このタイトルがつけられました。

――歌詞にじっくり時間をかけることが多い亮太くんですけど、今回はわりとすんなり書けた?

藤巻:そうでしたね。誰かがいろんな時に助けてくれることもあるけど、最終的に自分が闘わなきゃいけないというところは、人生もボクシングも同じなのかな?というのがあって。リングに上がっているのは自分だから、弱気になったら弱気な試合になっちゃうし、そういう時こそ攻める姿勢がないと変わっていかない。そういうボクサーのスピリットと生きていくエネルギーは近いのかなっていう、そのモチーフが浮かんでからはバーッと書けました。

――あと、今の時代を象徴する具体的なワードも入ってますよね。

藤巻:そう。「政権が交代で」とかね。

――これはびっくりしましたね。こんな硬い言葉が、ちゃんとリズムに乗ってるところがまた驚きで。

藤巻:ちょうど去年、政権交代があったあとに書いたんですよね。今までにない言葉使いですけど、曲調とのバランスがすごく良かったんですよ。

――啓介さん、サウンドのポイントは?

前田:リズムはディスコ調ですよね。しかも今の流行りのサイバー系やトランス系ではなく、70年代後期や80年代のディスコ調の雰囲気を意識しました。特にサビのベースの動きは。強いメッセージの曲なんですけど、真っ向勝負で行くよりはちょっとスカしてみるノリが必要かなと感じていたので、遊びの部分で楽しさを出したかったんですよね。レコーディング中も3人で“これ、行っちゃう? 行っちゃう?”みたいな感じもあったし、ループを一個一個選ぶのも面白かったし、そういう遊びの部分が味になっている曲だと思います。

――この曲は特にベースが肝ですよね。ものすごく目立ってます。

神宮司:ソロもありますからね。

前田:ツアーの初日、そのことだけで頭がいっぱいでした(笑)。あのベースソロは、ボクシングの打ち合いみたいなイメージなんですよね、今思うと。試合中の攻防戦みたいな感じがして、すごく面白い。ただ難しいので、もっとうまくならないとなって思います。

――カップリング3曲目にライヴ・バージョンが入ってますけど、これはどこの会場ですか。

神宮司:C.C.Lemonホールの初日(5月31日)ですね。

前田:この頃はまだ完成してなかった気がする(笑)。

――ライヴだとこのベースソロ、CDよりもずっと長いですよね。

前田:本当にやめてほしいです(笑)。でもそれがまた、楽しいんですけどね。

――ドラマー的にはどうですか。打ち込みの音もかなり取り入れて、にぎやかな感じになってますが。

神宮司:打ち込みと言っても、ループものがちょっと入っているだけで、あとは基本的に自分が叩いたものが多いんですよ。バスドラやハイハットを別々に録って組み合わせたり、スネアも鳴ってる音は電子音ですけど、パットを使っているので、実際には自分で叩いてるんですよ。だから、鳴ってる音は生っぽくないけど、グルーヴ感は生身のものを出すということですね。もちろんライヴでは、全部人力でやってます。

藤巻:リリースする前からライブでやってましたけど、リリースしたあとはまた盛り上がるでしょうね。“ベースソロ、来た!”みたいな。

前田:ミスったら完全にバレますからね。

神宮司:CDで正解を聴いちゃってるから(笑)。

――ライヴは毎日正解が変わるからいいんです(笑)。そして今回、ミュージックビデオもとても楽しくて。

藤巻:今までで一番、やってて面白かった撮影ですね。「欽ちゃんの仮装大賞」で賞を取った人がディレクションをしてくれて、僕たちは黒いズボンを履いて、黒子さんが足だけの人形を動かして、すごく変な動きをするみたいな。遊び心いっぱいですね。

前田:すっごい面白かった。“人力マトリックス”みたいな感じで、ありえない動きをするから。アーティスト写真もそうですけど。“こういうの、よく考えるな~”って、感心しますね。

――さて、これから9月1日のツアー再開まで、夏フェスに出ながらちょっと休息もしてという感じですか。

藤巻:意外と忙しそうなんですよね。10周年BOXのためのアレンジを試してみたりとか。

――そうそう、その話もしなきゃいけない。12月にリリース予定の10周年BOXセット『レミオロメン10th ANNIVERSARY BOX』のために、過去の曲をアレンジし直して新録音するという企画があって、現在オフィシャルHP上で楽曲のファン投票が行われているわけですが(注:8月31日まで)。

藤巻:それがけっこう大変そうなんですけどね。でもファンのみんなに楽しんでもらえるような新しいアレンジをしたいと思っているので、頑張ります。

神宮司:10曲録るんですけど、時間のない中でどれだけ集中してできるか。でもその集中が、結果的にいい方向につながると思っているので。この夏は休まずに働きたいと思います(笑)。

前田:とはいえ、夏はやっぱり遊びたいですよね、思いっきり。川でバーべキューとか、行きたいよね。

藤巻:いいねえ! でもそれをやってると、アレンジする時間がないから。

前田:終わってから行けって(笑)。でもそういうふうに自分たちを充実させつつ、ツアーの後半戦につなげていきたいと思います。

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