「また君に恋してる」を抜き演歌配信チャート1位の「京おんな」って何?
アパレル・ブランドのキャラクター・ソング「京おんな」が、首位独走を続けた演歌初の配信ヒット・坂本冬美「また君に恋してる」を抜き、演歌配信チャート1位を獲得。総合チャートでも12位に入るヒットを記録し、注目を集めている。
もともと“京おんな”は、コムサ・デ・モード等のブランドで知られるアパレル・メーカー、(株)ファイブフォックスの展開する舞妓キャラクター。その懐かしく新しい“おしゃレトロ”さがウケ、Tシャツ、ポーチ、トートバッグ他、全20種にわたる多数の関連商品が全国のモノ、モノコムサ、コムサイズム、コムサスタイルなど約350店舗で展開される等、若年層の女性を中心に人気を集めている。
そんな“京おんな”のキャラクター・ソングとして誕生した「京おんな」を歌うのは、年齢、経歴、性別、一切非公表、正体不明の匿名演歌歌手“京(みやこ)”。
“京おんな”関連商品のひとつとして企画された楽曲ということで、ネオ・ジャパネスクな和モノ・キャラクターを活かし、70年代初頭のレトロ・テイスト溢れる“ネオ演歌”ともいえる楽曲に仕上がっている。その楽曲を歌う京(みやこ)は、昭和の匂いがする濃厚なハスキー・ヴォイスが「京おんな」のイメージにピッタリとのことで抜擢されたという。
レコード会社の担当ディレクターは「昨今の不況の中で、演歌の配信は唯一今後大きく伸びる可能性があるマーケット。我々音楽業界の全員が坂本さんのヒットでそれに気づきました。従来どおりの『演歌』の中で自己完結するキャンペーン型ではなく、現代的なデジタルメディアと親和性の高い楽曲と歌い手、それにキャラクター開発まで含めたメディア・ミックスを行なえば『演歌』はまだまだ可能性があると思います。そういう「ミクスチュア」の意味も含めて「京(みやこ)」は匿名希望を条件に全く異ジャンルのヴォーカリストを起用しました」と語る。
ユーザーの大半が若者の音楽配信において、演歌歌手が配信ヒットすることは前例がなく、前述の坂本冬美「また君に恋してる」は、初の演歌歌手配信ヒットとしてCD不況にあえぐ音楽業界からは次のビジネス・モデルとして大きな注目を集めた。今回の「京おんな」も、20代を中心に、普段は全く演歌を聴かない若者層がダウンロードしていると想像され、世代を超えたヒットが演歌から連続したことに関係者も驚いているようだ。
90年代に音楽ジャンルの細分化が加速して以降のヒットは、“ネオ演歌”から生まれる勢い。6月23日には、この楽曲を収録したCD+DVDが、全国のコムサイズム店舗及びレコード店での発売も決定している。今後のチャート・アクションにも注目だ。
「京おんな/柳橋あたり」CD+DVD
2010年6月23日発売
TKCA-73535 ¥1,500(税込)
[CD]
1.京おんな
2.柳橋あたり
3.京おんな(インストゥルメンタル)
4.柳橋あたり(インストゥルメンタル)
[DVD]「京おんな」アニメーション
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