阿部真央、好きで好きでたまらない女の子の気持ちをストレートに歌う最新シングル「ロンリー」特集

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阿部真央 最新シングル「ロンリー」2010.06.09リリース

好きで好きでたまらない 女の子の気持ちをストレートに歌う ポップでロックな“あべま”の最新シングル

INTERVIEW

──<阿部真央らいぶNo.1>は長いツアーでしたが振り返ってみてどうですか?

阿部真央:楽しかったですね。いろいろと思うこともあったけど、お客さんには満足してもらえたと思っているし。阿部真央のファースト・ツアーとしては、良かったんじゃないかな?って。でも追加公演のSHIBUYA-AXが終わった時は、正直「もっといけたかもな」って思ったんですよ。

──それは、「もっとやれたはず」ってこと?

阿部:そうですね。やりきった感はあったんですけど…。SHIBUYA-AXには母も大分から来ていたんです。彼女は初日の大分も観てくれたんですけど、感想を訊いたら「大分の方が私は楽しかった」と返ってきて。それはまあ、理由は色々あるんですけどね。「ライブって何が大事なんだろう」とか、いろいろ考えさせられました。各会場で100%のパフォーマンスをしてきたつもりなんですけど。ただツアーって、やっぱりライブ以外のケアも大事じゃないですか。

──オフの日とか?

阿部:そう。オフの日もツアー中なんだから、次のライブに向けてコンディションを整えたりすることが必要ですよね。そういう意識で臨めてなかったかもしれないと思って。その辺は反省する点でもあったし、自分なりにこの1ヶ月については厳しく捉えてたつもりなんです。今は、「じゃあ次どうする?」という局面ですよね。だから、すごく意味のあるツアーだったと思います。成長できたなぁ、という感じで。

──具体的に、悔いが残っている部分って?

阿部:ちょうど中盤で声を万全の状態で挑む事ができなくなりました。その後、何本かはファルセットで、高い声が出ない状態でライブをしてしまったんです。その空き日とかに、例えばライブじゃない時間は人としゃべる回数を減らしたり、喉を使わないように、もっと休んだりするべきだったかなと。とは言っても、目の前のことは片付けるので精一杯で。その余裕のなさかなぁ…。

──初めての大規模なツアーなんだから、わからなくて当然じゃないですか。

阿部:うん。でも収穫もあって、大阪と東京は空いた時間に喉の病院にも行ったりしたんです。後はもう、徹底的に喉を使わないように、発声もちゃんと毎日やって。そうすると、「自分は出来ることは全部やった」とか、「100%やった」という自信が湧いてくるので、その2本の内容はすごく良かったんです。一曲一曲のクオリティも良い出来だったと思う。ライブをするための意識が変わった重要な経験が積めましたね。SHIBUYA-AXは本当に楽しくて、自分でも驚くくらい声が出たんですよ。改めて、「やっとここまできた」という気持ちも大きいし、今後は自分がどういうヴィジョンを持つのか、どういう風に見せたいのか、そのためにどういう努力が必要なのか。そういうことも考えなきゃなって思って。目標みたいなものも変わってきたんですよ。「どうして自分は歌っているのか」という問いの答えが見つかったというか。

──ツアーもそうだけど、「いつの日も」のヒットで状況が変わった、というのもあるのでは?

阿部:うん、確かに周りの反応も変わったけど、一番大きいのは自分の心の変化かな。自分をいろいろ許せるようになった。あれで「バンッ」と変わったわけじゃなくて、今も変わり続けているんですけど、より認めてあげられるようになったというか…。

──今までは高校生の時に作った曲が多かったけど、「いつの日も」はすごく最近作った曲で。そういった意味で、今の自分を評価してもらえたと言うのは、やっぱり大きかったんじゃないかな?

阿部:確かに。それはありますね。何となく焦ってはいるんだけど、デビューした時よりはゆったりしているというか。良い波に乗れば乗るほど、自分は落ち着いていられるし。そこから、「じゃ、どうしようか?」みたいな感じですね。いろんなところで評価されたり、支持してもらっていることは嬉しいんですけど、そこに甘んじることはできないし。デビューした時と、冷静さは変わっていないと思う。ただ1年前と違うのは、今は何をするべきかが明確に見えているところかな。音楽市場で認知され始めた“阿部真央”っていう名前と、私自身である“阿部真央”を高めていくことは、自分の中で矛盾しなくなったんですよ。それこそツアーの中で学んだんですけど、「何で私は歌っているの?」ということですよね。今までは自分自身のためだったけど、今はリスナーのために、というのが一番大きい。もっと抽象的な目標で言うと、「私の唄で何か人の役に立てたら良いな」って気持ちになったんです。私の歌を聴いて感動してくれる人がいるっていうことがわかったのがこの1年間なんですけど、感動って心にとってすごくいいことじゃないですか?

──それは素晴らしいことですね。

阿部:だから、その手伝いが出来るならそれはやった方が良いし、「感動しました」と言ってもらえる限りは続けたいなと。そこに目標をおくと、もっと沢山の人の役に立つためにはどうしたらいい? と考えるわけで、そのためには自分の曲のクオリティを上げたり、セールス的にも成功しないといけないんだってことに気付いて。そういうこと全部、肯定的に捉えられるようになったんです。それまでは売れることって、あまりにも危険で曖昧でつまらないことだと思っていたんです。でも今は、考え方もシンプルになったし、音楽に対して誠実でいられる。純粋に頑張れる。今の勢いがなくなって、例えば停滞期が来たとしても、それはそれで私の人生、まだ70年くらいあるので、「大きな流れの中ではそういう時期もきっと来るよね、ハハハ!」くらいに捉えられるようになったんですよ。だから、今すごくイイ状態! うん。

──迷いがなくなった?

阿部:うん!全然ない(笑)。

──それ、超強いですよね。20歳でそれを見つけられたなら、この先どんな歌でも一貫した思いで臨んでいける。

阿部:そうですよね。間違っているかもしれないけど、今は置いておいて、自分がそういう風に信じられたのはラッキーでした。これはツアーを通じて得た、もっとも大きなことですね。

──そんな中でリリースされる「ロンリー」ですが、阿部真央の直球ストレートなラブソングといった印象を受けました。いつ頃作った曲なんですか?

阿部:これは2009年の1月なので、デビューしたくらいかな?

──冬なのに夏の歌を作ったんだ(笑)。

阿部:そう(笑)。でも個人的には夏ってイメージはなくて、ただ「真夏」という言葉が入っただけなんですよね。この曲を書いた当時のことは結構昔のように感じちゃうんですけど、「よく書いたな、こんな歌詞」と思えるくらい上手く歌詞がメロディとはまっていますよね。

──昨年リリースされていてもおかしくないくらいに王道感溢れる阿部真央ナンバーですが、今の時期にした理由は?

阿部:私の今までの流れって、『ふりぃ』から出てきて、割とポップで受け入れられやすいものが多かったじゃないですか。その流れを、今回くらいまでは続けても誰も文句は言わないだろう、という自己判断もありましたね。まず、人に知ってもらうことが大事だし。ただ、こればっかりずっとやっていても飽きられちゃうし、私もつまらなくなってくるとは思うけど。

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