楽しくてちょっぴりせつない、HALCALI流ダンス・ポップの最新型『TOKYO GROOVE』特集

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最新型HALCALI流ダンス・ポップ ゆるくて楽しくてちょっぴりせつない“TOKYO GROOVE” 充実の2枚組ニュー・アルバム『TOKYO GROOVE』を大いに語る

「ヤイコさんは、母としての第一声をHALCALIにくれました。それも感動です」YUCALI

――去年からずっと、いい流れですよね。“HALCALI来てます!”って感じで。

HALCA:うれしいことを言ってくださいますね。

YUCALI:ありがとうございます。

――去年の7月に「今夜はブギーバック」(TOKYO No.1 SOUL SET+HALCALI)が出て大ヒットした時には、先のことはどんなふうに見えてたんですか。

YUCALI:見えてなかったです(笑)。あれはCMのために“歌ってくれませんか”みたいな感じで、最初は30秒ヴァージョンしか作ってなかったし、リリースする予定もまったくなかったので。そしたらすごい反響をいただいたので、“じゃあ出しましょうよ、せっかくだしね”みたいになって、出すことになったので。

――今回のアルバム『TOKYO GROOVE』は2枚組で、CD1が新曲中心、CD2が過去のカヴァー集という形になってます。

HALCA:最初は2枚組になる計画は全然なかったんですよ。2~3年前からずっとアルバム制作をしてたんですけど、「~ブギーバック」や「Re:やさしい気持ち」とかをアルバムに入れたいね!という話になった時に、“せっかくだったら今までのカヴァーも聴いてもらおうか?”ということになって、決まりました。

――CD1は、1曲ごとにプロデューサーが違っていて、カラフルでとても楽しいです。會田茂一さん、スネオヘアーさん、VERBALさん、西寺郷太(NONA REEVES)さん、BIKKEさん…初めて一緒にやる人はいましたっけ。

HALCA:スネオさんですね。

YUCALI:私たちが普通にファンだったので、“この曲やあの曲が好きです”っていう、告白みたいな打ち合わせをして、“あとはお任せします”って(笑)。

HALCA:スネオさんとは、曲や詞の内容の話はまったくしなかったんですよ。ほかの方とはテーマを決めて作るんですけど。そしたら、こんな可愛らしい曲ができあがってきたから、“やっぱり好きだなぁ”と思いました。

――ほかの方とは、たとえばどんなテーマを?

YUCALI:アイゴン(會田茂一)さんの「カミナリGIRL」は、みんなでコブシを振り上げながら歌うロックなイメージで、詞の内容は、草食系男子に対するちょっと強気な女の子の話です。BIKKEさんの「tears of love」は…。

HALCA:BIKKEさんは、デビュー・アルバムからずっと曲を作ってもらっているので、打ち合わせらしい打ち合わせはしてないよね。

YUCALI:デビュー当時からからHALCALIを見ているBIKKEさんが、この曲みたいな、大人の大きい愛について書いた曲をHALCALIに提供してくれるというのが、“そうか、私たちを大人として見てくれてるんだな”と思いました。実際、これは2~3年前にレコーディングしてるんですけど、その時は実はしっくり来てなくて。“ずいぶん大人だな~”と思ったんですけど、2年たって客観的に聴いてみると“カッコいいな、こういう曲もイケルな”って思います。

HALCA:こういう感情になったことがなかったから、どうしようと思ってたんですけど。やっと等身大に思えてきました。

YUCALI:この曲だけじゃなくて、全部が今まさにいいタイミングになってると思うんですよ。今回のリリースに向けて、2~3年かけて作った曲を全部見直して、アレンジを見直して。当時はしっくり来なかったものを、時間をかけて納得のいくものに仕上げていくこともあるから、1年に1枚のリリースのペースではできなかったことだと思います。普通はこんなことさせてもらえないと思うんですけど、わがままもいっぱいきいてもらって、いろいろやらせてもらいました。

――ではあらためて、新曲中心のCD1を紹介すると?

HALCA:楽しいだけじゃない、みたいな感じ。聴覚的には全部楽しかったり気持ちよかったりするんですけど、意外と詞の内容がせつなかったり、考えさせられることも多いなって思いました。特に「まばたき」や「tears of love」とかは、今までみたいに“楽しくてイエ~イ”だけじゃないなということをすごく感じてます。

YUCALI:今のHALCALIの気分が全部詰まった感じ。ピストン西沢さんに作ってもらったリミックスも、ある意味昔を振り返る作業ですけど、それも恥ずかしくなくできるようになったし。HALCAが言った“アゲアゲだけどせつない”というのも、今の気分なんですよね。このアルバムを作っている期間は、そういうものを求めていたんだなって思います。

――そしてCD2。目玉は何と言っても、矢井田瞳さんみずからが参加した新録音の「My Sweet Darlin’」でしょう。

YUCALI:まず、この曲をやりたかったんですよ。ヤイコさんは“お会いしたことがある”ぐらいで、知り合いとは言えない感じだったんですが。

HALCA:ヤイコさんに参加してもらおうという計画は、最初はまったくなかったんですよ。

YUCALI:レコーディングしてる時に“何かパンチがほしいよね”という話になって。いちおうHALCALIだけでもリリースできる形に作って、せっかくだからヤイコさんにも聴いてもらって、“もしよければ声を入れてくれませんか?”みたいなお願いをしたんですよ、駄目もとで。そしたら“やります”と言ってもらって、レコーディングでも“HALCALIに合わせたバージョン”とか、“思いっきりヤイコバージョン”とかいろいろやってもらって、感動しました。出産後の初レコーディングだったそうなんですけど、母としての第一声をHALCALIにくれました。それも感動です。

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