-異種格闘技対談-Ring【round2】第3回/J

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-異種格闘対談-Ring【round2】第3回

GUEST J / 逹瑯(Vo) ムック

「俺たちは徳川幕府でも、初代じゃなくて何代目かの平和な時代。LUNA SEAが築いてくれた道をぬくぬくと歩いてきちゃってる。イカンな。もっと頑張らないと」逹瑯

逹瑯: いや、今の時代ね、甘いんですよ。なんすかね? LUNA SEA以降、すごい平和になっちゃった気がするんですよ。LUNA SEAまでの時代って、本当に何もない荒野を切り開いてきた時代だったと思うんですよ。LUNA SEAフリークのウチら世代は特に、LUNA SEAに続いて、LUNA SEAが作ってくれた道を歩いてきただけ、みたいなことになっちゃってて。戦国時代と同じなんですよ。織田信長がいて、豊臣秀吉がいて、そんで徳川家康がいて、それ以降は平和な時代が続いたみたいな。俺たちは徳川幕府でも、初代じゃなくて何代目かの、もぅ平和な時代。LUNA SEAが築いてくれた道をぬくぬくと歩いてきちゃってるんでしょうね。イカンな。もっと頑張らないと。

――対談中に悟っちゃった(笑)?

逹瑯: そう(笑)。

J: あははははは。

逹瑯: 面白い現象があって、みんな絶対、口では“人と同じことはしたくない”っていうんですよ。そういうヤツ等が集まっちゃってるから、世の中的に見たら人とは違うことかもしれないけど、この界隈ではみんな同じモノ身に付けてるとか。

J: 解る(笑)。なんか、ちっちゃくまとまっちゃってるんだよね。もっとみんな遠慮しないでやっちゃえばいいのにね。音楽が面白くなるためには、まず、人が面白くないと、音楽なんて面白くなりようがないんだもん。

逹瑯: ですよね。すごい解ります! パンチきいたヤツがいないですよね。

J: メイクとかしたら、そりゃ変わったヤツに見えるけど、中身まで変わったヤツにはなれないからね、メイクだけじゃ。

逹瑯: はい。本当にそう思いますね。

J: 日常までヒリヒリするような人生送って、ヒリヒリするような音楽作っていきたいよね。せっかく世の中も開けてきたことだしさ(笑)。

逹瑯: ですよね!

J: 当時の俺の日常をドキュメンタリーで見せたいよ(笑)。

逹瑯: 見てぇ〜!

J: あははは。すげぇ荒んでんぞ(笑)。でも、すごい、生きてるって感じがいいよね。

――どんなヒリヒリだったのか、逹瑯くんがこの先の人生をヒリヒリと生きていけるように、その生き方、伝授してあげて下さい! ぜひ!

逹瑯: ぜひ(笑)! つか、俺、もう遅くないですかね(笑)? 30歳になっちゃったんですけど(笑)。

J: 遅くない遅くない! まず、欲求に忠実になった方がいいよね。ホント、これ大事だと思うよ。欲望に忠実になる。何も気にしないでね。規格外の人になっちゃっていいんじゃないかなって思うんだよね。

逹瑯: はい。記憶に残るヤツって、今いないですもんね。でも、そう思うと、やっぱ、LUNA SEAって個性が強かったですよね、それぞれ。いっつも思ってたんですけど、オールスターゲーム見てるみたいだなって。あんなに個性が強い人が5人集まって一つのモノができてるってすげぇなって思ってたんです。

J: だから喧嘩もよくしたよ(笑)。でも、そういうもんだって思ってたんだよね、最初からバンドって。だから、喧嘩も悪いことだとは思っていなかったしね。

逹瑯: 4番しかいないのに、どんどん点数が入ってくっていうね、それがすごいなって。

――うん。真剣だからこそのぶつかり合いって、すごくいいことだと思うんです。ぶつかり合ってこそいいモノが生まれると思うので。最近はぶつかり合う前に逃げちゃう子が多い。そう思うんです。仕事でもなんでも。ギクシャクし合ったり、ヒリヒリし合ったりするのって、すごく大切だと思う。お互いにとって。お互いと真剣に向き合おうとしてる証拠だと思うから。

J: そうだよね。生温いところからは何も生まれないと思うんだよね、俺も。仲なんか良くて当然じゃない? それは大前提だよ。仲良くなかったら喧嘩なんかしないんだから。何かを作り上げるときにぶつからないってことは、お互いをただ許し合っちゃってるってことなんだよね。それって、いつでもできることじゃん。だったら、ぶつかり合えるときにぶつかり合わなくちゃ。

逹瑯: ですよね。うん。すげぇ解ります。

――よく、LUNA SEAを目標にしていたバンドのメンバーが、“俺たちは、もう、憧れてた頃のLUNA SEAの歳になっちゃったけど、LUNA SEAみたいになれてない!”っていってるんですけど。

逹瑯: あぁ、うんうん、それは俺も思うね。俺等が憧れてた、あの頃のLUNA SEAの歳はとっくに抜かしちゃったからね。

――Jさんが逹瑯くんの歳のときって何してました?

J: 30でしょ。ちょうどLUNA SEA終幕のときかな。

逹瑯: あんときが30ですか!? はぁ〜(ため息)。だってだって、LUNA SEAが19歳の頃にあれでしょ? もうね、持ってるもんが違いますもん。なんか、そう思うと、並べちゃイカンと思いますよ(笑)。

J: いやいやいやぁ、そんなこといったら俺だってあるよ、そんなの。27歳の頃とか、そんなこと考えてたよ。ジム・モリソンやカート・コバーンだってね、その歳には世界をひっくり返してた訳だしさ。でもね、俺はそんとき“この人たちは、きっと俺なんかよりも、ずっと濃い時間を過ごしてるんだろうな”って思ったんだよね。だから、もっともっと、自分自身が濃い時間を過ごさなきゃ、こうはなれないんだ。まずは自分なんだ、って思ったんだよね。

逹瑯: なるほど。まずは自分、か。やっぱ考え方もカッコイイですよね。やっぱ常に“自分”ですもんね。やっぱ違うわ。俺みたいに、1日休みだっていうと、朝からパチンコに行ってしまうっていうようじゃダメだってことですよね(笑)。カッコイイ大人にはなれねぇぞっていう(笑)。

J: もしくは逆に、何があっても毎日パチンコに行くとかね(笑)。

逹瑯: なるほど! 逆ですね! それだったらキテますもんね(笑)。

J: でも、俺だって休みあったら1日寝てたよ(笑)。

――あ。じゃぁ逹瑯くんと変わらないですね(笑)。

逹瑯: いや。違う! でも、休みの日1日寝てるってことは、休みの日の前が、とんでもなく濃いってことだからね。

J: あはははは。たしかに。家でちゃんと寝た記憶ないもんな(笑)。ずっと毎日パーティが続いてる感じだったね(笑)。でも、友達と飲んでるときとか、無茶苦茶してるときほど、次の曲のアイディアとかは常に浮かんできたんだ。わざと自分を、0を中心とするならば、マイナスかプラスどっちかに思いっきり振り切るようにしてたかもしれないな。無意識のうちにね。

逹瑯: なるほど。

J: そういうテンションがすごく好きだったりもしたんだよね。ボーッとしてるときには何も生まれてこなかった。

逹瑯: ああ、それ解ります。俺、すごくテンション下がってるときとかの方が、ライヴでいい唄歌えたりしますもん。

J: そんなもんだよね。振り幅がすごく行ってるときって、自分でも想像つかないモノが生まれてきたりするんだよね。

逹瑯: ですね。いやぁ、なんか頑張ろうって思えました、俺! まだ遅くないって思えました! 尖っていこう!

J: あはははは。いや、ホント、俺自身もだけど、頑張ってほしいなって思うよ。

逹瑯: いや、ホント、頑張ります! 頑張らなくちゃいけないなって思いました。今の、この道を築いてくれた先輩のためにも、恥じないシーンにするために。

―― 一緒にイベント・ライヴとかしてもらえたらいいのにね。

逹瑯: ぜひ! 誰でも出れるっていうのは嫌なんです。ちゃんと、Jさんに認めてもらえた上で一緒のステー

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