阿部真央、デビューから1年を経た待望の2ndアルバム『ポっぷ』リリース特集
阿部真央 デビューから1年待望の2ndアルバム『ポっぷ』2010.1.27リリース
フジテレビ系『エチカの鏡 ココロにキクTV』エンディングテーマ 2010年第一弾シングル「いつの日も」2010.1.13リリース
様々な人との出会いと別れを経験し
その現実と正面から向き合うことで
歌に凄みとポジティヴなポップさが
宿り始めた20歳のシンガーソングライター
パワフルに、生々しく10代最後の声を刻み続けた阿部真央が、20歳になる2010年1月に発表する最新シングル「いつの日も」、そして2ndアルバム『ポっぷ』。阿部真央に纏わりつくさまざまなステレオタイプを吹き飛ばし、よりディープかつポップなアーティスト性を提示することとなったこの2枚は、どのようにして産み落とされることとなったのか。悩み、苦しみながらも辿り着いた真実の阿部真央。彼女の“今”を知るためのインタビュー特集だ。
阿部: 愛されたい、って気持ちばっかりだったんですよね。でも今は、ちゃんと愛したいって思えるようになったからこそ生まれた曲だと思います。すごく切ない曲だけど、今までの曲よりもホントの幸せを感じてもらえる曲になっていると思うんですよ。終わりのある物語かもしれないけど、ホントの幸せを歌ったつもりです。
阿部: アルバムの制作自体は、2009年の6月から始まっていたんです。たっぷりと時間をかけてやらせていただきました。アルバムを作るときも、自分のやりたい方向性をしっかりと見据えて作っていこうという思いが強かったんです。その制作過程の中で生まれた「いつの日も」でもあるんですよ。
阿部: コンセプト的なものではないんですけど、前作の『ふりぃ』よりも自信を持った形で遊びたかったんです。だからまずは、一緒に作ってくれる人たちに「阿部真央ってのはこういうモンです!」という思いを伝えました。自分の中で鳴っている音とか、自分が欲しがっている要素とかを逐一伝えて、「もっとシャンシャンやって、そこはもっとピコピコやってください」とかそういう感じで、いっぱい言葉で伝えて。あと、あんまり好きじゃないんだけど音楽もたっくさん聴いて(笑)、「こういう音の使い方もあるんだ」って勉強もしたりもしましたね。とにかく自信を持って、「これが阿部真央です!」と言えるものが作りたかったんです。
阿部: ですね。収録楽曲を並べて聴いたとき、「すごくポップだな」って素直に思えて。そもそも、ポップな曲が圧倒的に多くなったなと。それで、改めて“ポップ”という単語の意味を調べたら、「送信するものと受信するものを繋ぐ」という意味もあるということも知ったんです。だから、このアルバムで私が発信する音で、リスナーを繋いでしまおうと。そこから付けたタイトルですね。
阿部: これも高校3年の時に書いたんですけど、デモを録音した段階で「これはピコピコさせたい」と思っていたんです。これを作った2年前はPerfumeがブレイクし始めた時期で。中田ヤスタカさんの作るエレクトロ・ディスコなサウンドが好きだったので、それを意識しました。
阿部: 伝えたいことは当時のままの心境ではあるんですけど、本質的なこともまだ何も変わってないと思うんですよ。ただ、曲を書いたときよりも表現の幅が広がっていると思いたいので、今だからこそできることを、このアルバムを通じて発信したい、という感じですね。
阿部: それは意識してきたんです。『ふりぃ』というアルバムでデビューしたとき、「ふりぃ」という曲自体が私にとっては特殊な曲で。あの曲のイメージを背負って頑張ってやってきた部分もあったんですけど、あの曲で私が100%の力を出せたかと言うと、決してそうではないと思っているんです。今でも良いアルバムだと思いますけど、心残りではあったんですよ。でも、1年を通してたくさんのライブをやらせていただいて、いろいろな人が私のことを知ってくれて、いろいろな声を届けてくれるようになって。その意見の多くが、「今、阿部真央が正直に思っていることが知りたい」ということだったんですね。そこで私は、やっと「自分の素直な気持ちを伝えていけばいいんだ」って思えるようになったんです。だからこそ、私が自分のイメージなんかを気にしてはダメだと。特に、このアルバムを作っている時から自分のイメージみたいなものは意識しないようになりました。自分が考えていること、思っていることを、怖がらずに素直に吐き出す。だからこそ「これが阿部真央の今です」と言える作品になったと自負しています。
阿部: 怖いっす! もう今から怖わー(一同笑)。やっぱり、体調とか声の調子とかが不安で。せっかく全国回るんだから、それぞれの会場で全力を出し切っていきたいんですよ。今からどうなるかわかんないですけど、来てくれた人がみんな「阿部真央すげぇ!」と思ってくれるようなライブにしたいです。今の自分を、みなさんの記憶に刻みつけたいですね。
取材・文●冨田明宏
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