フラワーカンパニーズ、結成20周年を飾る初のオールタイム・ベスト・アルバム『フラカン入門』リリース特集

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フラワーカンパニーズ 初のオールタイム・ベスト・アルバム 『フラカン入門』 2010.1.27リリース特集

──どんな曲に関しても、メンバー4人がシンプル且つストレートに音楽(ロック)に向き合っている姿が伝わってくるのが、すごいです。

鈴木: 特にオレが、シンプルなものが好きなんですよ。おもちゃ箱をひっくり返したような音楽は、ごちゃごちゃしてて、個人的に好きじゃないんで。それよりも、金太郎飴みたいに、どこを切っても同じ熱量が伝わるものを作っていきたい。この思いは、結成以来ずっと変わっていないかな。

マエカワ: またオレたち、おもちゃ箱のような音楽が作れないんですよ。あくまで4人で作られる音楽だと思っているので。

──また歌詞に関しても、シンプルでストレートな叫びがこめられた曲ばかり。

鈴木: 今回のベストに収録されたものは。そういう楽曲が多いかもしれないですけど、デビュー当初は、ちょっとひねくれた部分を表現したものもあって。そういった曲が、今回収録されなくてよかったですね(笑)。

──そういったディープなフラカンは、過去のアルバムをチェック!という感じですね。

鈴木: このアルバムを通じて、よりオレたちのことを知ってもらえたら。そうしたら、ライヴがよりやりやすくなるんですよ。過去の曲とか披露すると“何それ?”って空気になることも多いので(笑)。

マエカワ: 本当にいい歌がいっぱいあるので、このベストをきっかけに、聴いてほしいですね。

──また、このベスト盤は収録曲以外でも注目ポイントが満載!まずアートワークでは、石ノ森章太郎作品とコラボしてますね。

鈴木: そもそも、アルバム『深夜高速 ‐生きててよかったの集い‐』を出して、レーベルのほうから“フラカンの入門書みたいなベスト作りませんか?”と打診された時、入門って響きが気に入ったんです。それで入門といったら、石ノ森先生の『マンガ家入門』しかないだろ! って思いついた。それで、許諾のお願いをしたところ、オッケーをいただいて、今回アートワークになったんです。

マエカワ: 石ノ森先生の作品は、『仮面ライダー』や『がんばれ!!ロボコン』とか、オレ達世代は子供の頃に大きな影響を与えてくれた存在。今回、コラボできて、最高にうれしかったですね。

鈴木: だって『サイボーグ009』のキャラがオレを見ているんですよ! 信じられなくて。かなり贅沢なアートワークになっています。

──また、初回盤のDVDには過去のライヴ音源が収録。

マエカワ: フラカンのライヴってこういうものだよ、というのが、観たことがない人でもわかる映像をセレクトしたつもりです。

鈴木: 1997年の映像は、かなり笑えますよ。実際、何度も爆笑してますので。

マエカワ: 何かドカンとやったれ! みたいな勢いがあるよね。コレ(笑)。

──これら音楽や映像を体感していると、今後のフラカンの動きにも、目が離せなくなります。

鈴木: 20周年を迎えたこの1年、ライヴやらベストの発売やらでバタバタしていて、じっくり曲作りができる時間がなかった。そろそろ落ち着きだしてきたので、これから時間をかけて新しいものを作っていこうと思っています。

──ぜひ、この勢いをキープさせつつ、30年、40年とバンド活動を続けてほしいです。

鈴木: 結成40年って、オレたち60歳かぁ。続けていたれたらいいなぁ。また、それで『続・フラカン入門』をリリースして、インタビューされたいかも(笑)。

マエカワ: それくらいバンドを続けていられたら、頑張っているよなオレたち、って自分を褒めてあげられるのかも。

取材・文●松永尚久

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