2009年、96本のライヴを敢行したDIR EN GREY、果たして2010年の動向は?
2009年12月末、<DORJE>と銘打たれた公演を東京、大阪、名古屋の三大都市で敢行したDIR EN GREY。これらはすべて、彼らのオフィシャル・ファン・クラブである「a knot」と、オフィシャル・モバイル・サイトの「DIR EN GREY ONLINE」の会員のみを対象としたものとして行なわれ、多くのファンに「やっぱりもっと早く入会しておくべきだった!」と溜息をつかせることになった。実際のライヴの模様についても、その詳細すべてについて知る権利を持つのは会員たちだけということになるはずだから、この場であれこれと具体的に記述することは避けておきたい。
◆DIR EN GREY<DORJE>写真(大)
が、とにかく、言うまでもなく強烈だった。なにしろ12月26日、東京・新木場STUDIO COASTでの公演でオープニングを飾っていたのは、最新型兵器に生まれ変わったばかりの「残」。いや、“飾っていた”などという形容は的確ではないだろう。序曲的SE、「SA BIR」に続いてこの曲が炸裂した瞬間、場内がどす黒く塗りつぶされたかのような錯覚を僕はおぼえた。鋭利かつブルータルなバンド・サウンドと、狂気をまるで包み隠そうとしないヴォーカル・パフォーマンス。その双方が圧倒的だったが、最初の一音が耳に飛び込んできただけで即座に怒号のごとき歓声で空間を埋め尽くしたオーディエンスにも、まさに「このバンドにして、このファンあり」という説得力を、僕は感じずにいられなかった。
そして誰もが抱いていたはずの期待を裏切ることなく、このスペシャル・ライヴはやはり「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」がステージ上で披露される最初の機会となった。去る12月2日にリリースを迎え、彼らにとっては自己最高となるオリコン・チャート2位を獲得しているこの最新シングルは、それ以降も好セールスを続け、まさにこのバンドの新たな代表曲になりつつあるような勢いを伴っている。しかし、この場で初披露されること自体は予想可能であっても、この楽曲がこれほどの爆発力をもって炸裂することになろうとは、僕には想定できていなかった。もしかするとそれは、当のメンバーたちにとっても同じことかもしれない。
これら3本の公演をもって、DIR EN GREYは2009年の活動のすべてを完結させることになった。振り返れば、英国の超有力専門誌『KERRANG!』の主催によるUK/アイルランド・ツアー、『KERRANG! RELENTLESS ENERGY DRINK TOUR』で幕を開けたこの年、彼らはさまざまなフェスへの出演も含め、総計96本のライヴを消化してきた。ニュー・シングルの制作に没頭していた時期がありながら、これほどの数のライヴを重ねてきた事実だけでも“普通”ではないだろう。が、彼ら自身にとっては、もはやこれが“ごく当たり前のバンド活動”なのだ。そこが何よりも重要だろう。
そして、このきわめて稀有なロック・バンドの2010年最初のライヴは、1月9日と10日、東京・日本武道館にて実践される。題して<UROBOROS -with the proof in the name of living…‐>。前述の最新シングルは、そこでいっそう大きな爆発を起こすことになるはずだし、かつて味わったことのない興奮と感動を、僕たちはその場で体感することになるに違いない。
最後に余談ながら、僕自身が2009年に観たライヴの総計は、12月30日に彼らの名古屋公演を観た時点で、144本となった。そして、そのうち計25本がDIR EN GREYのステージということになる。2010年も可能なかぎりこのバンドを追い続けていくつもりだし、この場でしか読むことのできない原稿を、随時お届けしたいと思っている。というわけで、僕にとって2010年の“書きぞめ”がこの記事。これからも末永くよろしく!
増田勇一
◆DIR EN GREY<DORJE>写真(大)
が、とにかく、言うまでもなく強烈だった。なにしろ12月26日、東京・新木場STUDIO COASTでの公演でオープニングを飾っていたのは、最新型兵器に生まれ変わったばかりの「残」。いや、“飾っていた”などという形容は的確ではないだろう。序曲的SE、「SA BIR」に続いてこの曲が炸裂した瞬間、場内がどす黒く塗りつぶされたかのような錯覚を僕はおぼえた。鋭利かつブルータルなバンド・サウンドと、狂気をまるで包み隠そうとしないヴォーカル・パフォーマンス。その双方が圧倒的だったが、最初の一音が耳に飛び込んできただけで即座に怒号のごとき歓声で空間を埋め尽くしたオーディエンスにも、まさに「このバンドにして、このファンあり」という説得力を、僕は感じずにいられなかった。
そして誰もが抱いていたはずの期待を裏切ることなく、このスペシャル・ライヴはやはり「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」がステージ上で披露される最初の機会となった。去る12月2日にリリースを迎え、彼らにとっては自己最高となるオリコン・チャート2位を獲得しているこの最新シングルは、それ以降も好セールスを続け、まさにこのバンドの新たな代表曲になりつつあるような勢いを伴っている。しかし、この場で初披露されること自体は予想可能であっても、この楽曲がこれほどの爆発力をもって炸裂することになろうとは、僕には想定できていなかった。もしかするとそれは、当のメンバーたちにとっても同じことかもしれない。
これら3本の公演をもって、DIR EN GREYは2009年の活動のすべてを完結させることになった。振り返れば、英国の超有力専門誌『KERRANG!』の主催によるUK/アイルランド・ツアー、『KERRANG! RELENTLESS ENERGY DRINK TOUR』で幕を開けたこの年、彼らはさまざまなフェスへの出演も含め、総計96本のライヴを消化してきた。ニュー・シングルの制作に没頭していた時期がありながら、これほどの数のライヴを重ねてきた事実だけでも“普通”ではないだろう。が、彼ら自身にとっては、もはやこれが“ごく当たり前のバンド活動”なのだ。そこが何よりも重要だろう。
そして、このきわめて稀有なロック・バンドの2010年最初のライヴは、1月9日と10日、東京・日本武道館にて実践される。題して<UROBOROS -with the proof in the name of living…‐>。前述の最新シングルは、そこでいっそう大きな爆発を起こすことになるはずだし、かつて味わったことのない興奮と感動を、僕たちはその場で体感することになるに違いない。
最後に余談ながら、僕自身が2009年に観たライヴの総計は、12月30日に彼らの名古屋公演を観た時点で、144本となった。そして、そのうち計25本がDIR EN GREYのステージということになる。2010年も可能なかぎりこのバンドを追い続けていくつもりだし、この場でしか読むことのできない原稿を、随時お届けしたいと思っている。というわけで、僕にとって2010年の“書きぞめ”がこの記事。これからも末永くよろしく!
増田勇一
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