レッド・ツェッペリン、初めてのラジオ・セッションは不評

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ロック界のレジェンドのひとつとなったレッド・ツェッペリンだが、1969年に彼らが初めてBBCのラジオ・セッションに出演した際、BBCのプロデューサー達は“古臭いサウンド”“ただの模倣”など厳しい評価を下していたという。

録音されたセッションは結局、放送されることになったが、当初は試験的に出演しただけで、お蔵入りの可能性もあったようだ。オーディションに立ち会ったプロデューサー達は彼らのパフォーマンスにとくに感銘を受けたわけではなかった。

BBCのアーカイブから発見された書類によると、プロデューサーの1人は「マディ・ウォーターズのような音を出そうとしている英国のブルース・グループ。だが、模倣しているだけなので失敗している」と評価。べつのプロデューサーは「昼間のラジオ向きではない」、もう1人は「古臭いサウンド」と手厳しい評価を下している。

とはいえ、全員が批判しているわけではなく、中には「素晴らしいグループ。リード・ギタリストのジミー・ペイジはこの国最高のギタリストの1人だと思う」「痛烈なブルース・シンガー」「極めて優れたブルース・グループ」など高い評価も上がっている。しかし、「ツウ向け」という点では意見が一致していたようだ。まさかそのすぐ後、押しも押されもせぬ世界的なビッグ・バンドになるとは予測できなかったらしい。

この書類によると、レコーディングは1969年3月3日に行なわれ、9日の午後ラジオ1で放送。バンドには32ポンド(現在の相場で5,000円弱)支払われたそうだ。

この数週間後にリリースされたレッド・ツェッペリンのデビュー・アルバムは全英チャートの6位をマーク。半年後に発表された2ndアルバムは1位に輝いた。

Ako Suzuki, London
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