My Little Lover、約1年半ぶり10枚目のオリジナルアルバム『そらのしるし』リリース特集

ポスト

My Little Lover 最新アルバム『そらのしるし』209.11.18リリース特集

約1年半ぶり10枚目のオリジナルアルバム 大ヒット曲「音のない世界」をはじめ「時のベル」「blue sky」を含む全11曲を収録した最新作が登場

INTERVIEW

――1年半ぶりのアルバムですね。どの曲にも導いてくれるようなメッセージを感じました。まず1曲目「blue sky」の冒頭はすごく映像的で、蝶が舞うシーンが頭の中に浮かぶんですよ。ヘッドフォンで聞いていると、自然にこのアルバムの世界に連れてってくれて没頭してしまいました。

akko: それは狙い通りで嬉しい感想ですね。映像的にしたかったんです。『blue sky』は、自分でも空間をイメージして、すごく集中して歌詞を書いていきました。白い箱があって、その中に蝶がいる。そして私たち人間はその蝶をよく観察していると、自分の中の、どこかの扉が開いて、そこから何かが始まろうとする、そうやってこのアルバムはスタートします。 一番最初にできたのは、一番最後に収録されている曲「背景のような空」なんですけど、これができたときにアルバムの中のキー曲ができたな、とすぐに感じましたね 。初めて自分でギターを持って作ったんですが、まだギターを弾き始めたばかりの時だったので、2コードしか弾けなくて・・(笑)。そんな事情もあって、この曲はずっと2コードで展開していきますが、シンプルだからこそ、言葉もより聞こえるだろうし、ハーモニーも響きやすく広がっていくような気もしたりして。 そして 1曲目の「blue sky」、シングルではありますが、シングルになると決まる前に、この曲は絶対に1曲目にしようと考えていて、振り返ってみたら、最初と最後で空繋がりになりました。

――「空(そら)」というキーワードは偶然なんですか?

akko: そうなんですよ。『背景のような空』を作ったあとに、今度はAメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロって、いわゆるJ-POPの構成で作ろうと思って作ったのが『ほしつきよる』で、これも歌詞とメロディが割と同時進行だったんですけど、夜空の星、真っ暗闇、暗ければ暗いほど星が輝く、光が強くなるというイメージが最初にあったので。これも空つながりですよね。

――「背景のような空」には「空にしるし」という歌詞が出て来てきますよね。アルバムのタイトルも「そらのしるし」で。「ほしつきよる」には「星のしるし」という歌詞が出てきますが、「しるし」という言葉を使ったのは意図的なんですか?

akko: それが、違うんですよね。自然と使ってました。きっと気付かないところで自分の頭の中にその言葉がずっとあったんでしょうね。アルバムのタイトルを考えているときに共通する部分として思いついたのが『そらのしるし』だったんですけど。

――素敵な言葉ですよね。

akko: 空っていうのは誰もが持っているじゃないですか。人でも虫でも。見上げれば誰の上にも必ず空があって。心や感情というのも、一人一人が持っている。例えばその誰もが持っている心の背景を空とします。そこに色んな想い……楽しかったことや悲しかったこと、痛み、経験を"しるし"として描いて、それをのちに輝かせることは自分自身しかできないんですよね。そういうイメージでつけたタイトルなんです。今日は雨が降っていますけど、雨が降って憂鬱だと思うか、植物が潤って気持ちがいいと思うかで一日の気分が変わってくるじゃないですか。それと同じで。星が一番わかりやすいですけど、そのしるしに傷があったとしても、それは自分自身でいくらでも輝かせることができるんだよなって。私はそれを信じている部分があって、そういう想いを『そらのしるし』というタイトルに込めました。

――傷があっても、それを輝かせて生きるというのは生命力のあることですよね。アルバム自体、そういう生命力を感じました。

akko: そうですね。どんなことでも、絶対に自分の財産になると思うんですよ。……あ、でもわからないな……戦争とかで、辛い経験をしてしまうのは、また別の話かもしれないから。でも、 日本のような国に育ったなら、今はすごく苦しい経験をしていても、その経験は何年か後には絶対に活かされるんじゃないかと。そういうことが言いたかった部分でもあります。生きていると大変じゃないですか。どんな人でもたぶんそうで、でも色んなことがあるから面白いとも思うんですよね。「負け犬くん」という曲もありますけど、負け組、勝ち組みたいなことばかりが取り上げられている時代がちょっと前にありましたよね? それに対してすごく違和感を感じて。なんでも一つにまとめようとする、"赤信号みんなで渡れば怖くない"みたいな日本の風潮……流行ものにしても、一つ流行ると、みんなそれに群がってしまうような、それにすごく違和感を感じてたんです。100人いたら100通り違う色があるのが素敵なんじゃない? って。それは私が子供と生活をしているというのも大きいんですけど。出る杭を引っ張ってあげなければいけないと思うんですよね。

この記事をポスト

この記事の関連情報