緊張で「このまま逃げられるかな?とか考えた」flumpool日本武道館公演

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素晴らしい、ショーアップされたロックライヴだった。

デビューから約1年で辿り着いた武道館2デイズ。しかもチケットは発売直後に完売。今のフランプールの勢いをそのまま感じさせる状況の中で始まったライヴだったが、その勢いにまったく臆することなく、素晴らしいライヴを彼らはやってのけた。

山村隆太「もう、こんなに緊張したのは初めてで。ステージに上がる瞬間に、このまま逃げられるかな?とか考えたりして(笑)。で、実際にステージに上がってからがほとんど何も覚えてないんですよ、特に初日!そんな状態からだんだん冷静にさせてくれたのは、目の前のお客さんの顔で。……あんな幸せな顔をしてくれるなんて……嬉しかったです」

とは言うものの、サポートギター&キーボードを従えた計6名で鳴らすサウンドは、まるで春に咲く花のように輝かしく、9000名に包まれながら放射されるエネルギーはどこまでも愛しく、この日のために特別に作られたTシャツは「タマネギ」を手のひらに握り締めたもので(武道館の屋根のてっぺんには、タマネギのようなオブジェがくっついていることが有名なんです)、まさに「武道館を彩ったフランプール」という様々な瞬間が焼きつくものだった。

彼らが何故、このわずかな季節を駆け抜けて武道館ソールドアウトにまで辿り着いたのか? それは「楽曲」と「天性のポップさ」によるものである。"花になれ"や"フレイム"に代表されるように、彼らの名曲はどこまでも届くスケールの大きなものばかりであって、曲自体は既に武道館クラスの輝きを放っていたこと。

そしてもうひとつは彼ら自身のポップさ。山村隆太という存在感の強いヴォーカリストに加え、パンキッシュなドラマーであるリーダーの誠司、ゆるキャラとしてライヴに浮遊感をもたらすベースの元気、そして黄金のメロディを醸し出しながら同時に自然体でユーモアを演出できるギターの一生――絶妙の4人が奇跡的に集まったバンドのポップさが、いろいろなスケールを突き抜けて一気に爆発した1年間の結晶が、まさにこの日の武道館ライヴだったと言えるだろう。

2日目の終了後、打ち上げの会場にてあるメンバーは「東京ドームを目指したい」と語り、あるメンバーは「それと同時に、下北沢のシェルターでもがっつりと通用するロックライヴをできるバンドとして磨きをかけなければ」と語った。

デビュー前からの目標であった武道館を成功に収めたフランプールは、既に様々なる次の地平線を見据えているようだった。――そんな「明日」までが輝く「大きなタマネギの下」で描かれたライヴだった。

鹿野 淳(MUSICA)

   ◆   ◆   ◆

11月15日(日)に発売される、月刊音楽誌MUSICA(ムジカ)では、このflumpoolのライヴを楽屋裏まで完全密着レポートを掲載。

さらに、12月19日(土)には、MUSICA増刊号として「flumpool virginal years」(仮題)の発売が決定。2008年12月号のメンバー全員インタヴューから、ヴォーカル・山村隆太ソロインタヴュー、表紙巻頭特集でのキーワードインタヴュー、武道館公演のバックステージにまで張り付いた密着ドキュメンタリー、さらには新たに取り下ろすスペシャル・インタヴューも収録。デビューからの1年間追いかけ続けてきたMUSICAだからこできる、flumpoolの魅力を奥深くまで感じることができる1冊に仕上がっている。

◆musica-net

<NEXUS ポップとロックの因数分解、その傾向と対策!?>
【日時】 11月7日(土) @ 新木場 STUDIO COAST
OPEN 15:00/START 16:00(TENT SPACE OPEN 13:00)
【出演】flumpool/UNISON SQUARE GARDEN/lego big morl/THE BAWDIES/Prague
【チケット】 前売 3,675円(ドリンク代別) 当日 4,200円(ドリンク代別)
※アミューズメントスペース及び、飲食スペースOPEN!
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