斉藤和義、十五夜に<月が昇れば>ツアースタート

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9月16日にリリースしたニュー・アルバム『月が昇れば』を引っ提げ、10月3日より全国ツアー<LIVE TOUR 2009≫2010 “月が昇れば”>をスタートさせた斉藤和義。即日ソールドアウトした戸田市文化会館で行なわれた初日公演のライブレポートが到着した。

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斉藤和義のライブツアー“月が昇れば”は、10月3日の中秋の名月の夜、戸田市文化会館で幕を開けた。期間的にも本数的にも過去最長となるツアーの初日。独得の緊張感が漂い、期待感が高まる中、印象的で勢いのあるギターのリフでライブはスタートした。バックを固めるのは、ここ数年ずっと一緒にやってきている4人のメンバー。演奏はタイトかつ自由で、ほぼ総立ちだった客席はリズムに合わせて一気に揺れ始めた。

◆斉藤和義、ツアー初日のライブ写真

時折、ツアー初日のちょっとした感慨めいたものや、曲が増えるとライブの選曲が難しくなるという話などを交えながら、斉藤はライブを進めていった。最新アルバム『月が昇れば』の楽曲をたっぷり聴かせたのはもちろん、ほぼ10年ぶりにステージで演奏するという曲やピアノの弾き語りも。中盤、バラードやゆったりめの曲をじっくりと聴かせたあとは、テンポの速い曲を畳み掛けるように演奏。身体が思わず動き出してしまう楽曲ばかりで、会場の空気の温度と密度は急上昇していった。演奏に必要なもの以外は何も置かれていないすっきりとしたステージから放たれる豊かで厚い音のうねりが、客席を満たしていった。一体化しそうなくらいに無心にギターを弾き、歌う斉藤は、音楽そのものになっているようにも見えた。

この夜、ライブ本編で演奏されたのは20曲以上。内容の濃い2時間の演奏を終え、アンコールで登場した斉藤は、「本番は今日が初めてだったけど、(この内容は)なかなか体力が要りますね~」と苦笑し、冗談っぽく今後のセットリストの変更もほのめかした。

今回のツアーでは、ライブハウスや大阪城ホールでの公演も行なわれる。ホールではフルバンドだが、ライブハウスではトリオで、大阪城ホールでは1人弾き語りライブを行なう。「ツアーが終わって初めてアルバムは完成する」と以前、斉藤は話していた。これから約半年、いろんな形態で演奏しながらライブを重ねることで楽曲がどう育ち、ステージがどう変化していくかが、今回のツアー全体の見所でもある。

文●木村由利江

アルバム『月が昇れば』
【初回限定盤】VICL-63400/【通常盤】VICL-63401
各¥3,150(tax in) 2009年9月16日発売

◆斉藤和義オフィシャルサイト
◆iTunes Store 斉藤和義(※iTunesが開きます)
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