40歳を越えた人たちはどうやらみんな楽しそうで。これからがいちばん面白いんだろうなと思うので、ここでやめないように、続けていきたいですね。

あらためて聞きますが。音楽家・スネオヘアーと、生活人・渡辺健二って分けてます？

スネオヘアー：分けてないですね。でも一応外では"スネオヘアー"という看板を出してる気はします。営業中のお店みたいに。家に帰ったら一切そういう方向とは真逆でいたいので、普通のパパだったり、普通のおっさんだったりしますけど。ボロい大衆酒場みたいなところが好きで、そういうところに行く時にはまったくスネオヘアーという名前は背負ってないです。ただの渡辺っていう人です。若いバンドの子と会って話をすると、"スネオさんって変な人かと思ってたら普通ですね"って言われることが多いんですけど、すごい普通です。二種類あると思うんですけどね。普段からものすごい暮らしぶりの人と、そうじゃない人と。僕は常に低空飛行で、すぅ～っと生きてます(笑)。

それが長く続ける秘訣かもしれないですね。虚像に振り回されて、自分を見失う人も多い世界ですから。

スネオヘアー：100万枚とか売れて、スネオヘアーという名前が国民的なものになったら全然違うと思うんですけどね。自動販売機の小銭を探る、みたいなこともできないだろうし(笑)。今はすごく、変わらずに身軽ですからね。それはすごくありがたいです。

最後に、11年目に向けて、音楽家・スネオヘアーとしての夢と目標をお願いします。

スネオヘアー：いい曲を書きたいということに尽きます。最近は合宿で3人でやっていくのがすごくやりやすくて盛り上がれるので、それをさらに突き詰めた形で、もっと面白いことをやりたいなと思います。あと、池ちゃん(池田貴史)とも何かやりたいなというのは昔からあります。やりたいことはたくさんありますね。

では、生活人・渡辺健二としての目標は？

スネオヘアー：まずは健康ですね。車をやめて自転車に変えたり、健康志向になっていこうかなと。煙草やお酒ともお別れして。

本当ですか？　書いちゃいますよ。

スネオヘアー：希望です、あくまで(笑)。もう40も近いんですけど、ちょっと前に『40歳問題』っていう映画に出させてもらって、あれ以来40歳ということをリアルに考えるようになったんですよね。そうすると、40歳を越えた人たちはどうやらみんな楽しそうで、もっと面白いんだろうな、もっと動けるんだろうなという気がしてます。いろんな事情もわかってきてますし、これからがいちばん面白いんだろうなと思うので、ここでやめないように、続けていきたいですね。

取材・文●宮本英夫

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