お坊さんがロック?映画主役にスネオヘアー
現役僧侶で芥川賞作家である玄侑宗久の作品『アブラクサスの祭』の映画化が決定、主演の僧侶・浄念役に、スネオヘアーが起用された。もちろん映画初主演だ。その妻・多恵役にはともさかりえが出演する。
玄侑宗久の地元でもあり、この作品の主な撮影場所のひとつでもある福島県三春町にて、製作発表記者会見が行なわれた。
──本作が映画初主演とのことですが、出演依頼があった時はいかがでしたか?
スネオヘアー:「嘘だ!」と思いました。マネージャーにもそう言いました。そしたら嘘じゃないっていうんで。「躁鬱のお坊さんの役だよ」っていうんで「なるほど、そういうことか」って思いました。
──これから撮影ですが、ご自身が演じられる浄念というお坊さんについてはどう思いますか?
スネオヘアー:どこかで破綻している形でありながら、とてもまっ白い紙みたいにピュアというかそのままに生きているというかそういう生き方しかできない感じがします。役どころとしましては、実は僕は痩せなくてはいけなくて。短期間で20キロ太ってしまったので、それを何とか今、戻そうとしています。浄念は常に音と共にいるんですが、僕も音楽がないと落ち着かないし、演技とか考えてもしょうがないので監督に預けるしかないのですが…小林さんに見守ってもらいながら、ともさかさんに尻に敷かれ、やっていくしかないと思っています。
──ご出演のお話があった時、脚本を読まれていかがでしたか?
ともさかりえ:ありきたりな言い方ですけど、とても面白くてキャラクターそれぞれの関係性というかアンバランスみたいな感じが面白くて、二つ返事でお受けしました。たまたま福島で撮影で、たまたま父が地元なのでこれは運命だなと。勝手に一人で奮い立っていましたが嬉しいです。
──ともさかさんはご自身もミュージシャンとして活動されていますが、ミュージシャンの旦那さんをもつ奥さん役どころはいかがでしょう?
ともさかりえ:ミュージシャンの奥さんという、このフレーズだけだととても美しい感じですけど、今回浄念さんと多恵さんの中にある愛情の形というのはとても独特だと思いますが、それがうまく伝わるようにコミュニケーションとって、いい作品につなげていけたらと思っています。
──ご出演のお話があった時、脚本を読まれていかがでしたか?
小林薫:私の役はスネオヘアーさん演じる浄念さんをずっと見守り続ける僧侶であります。文字通り見守ってるだけの僧侶でございます。ただ見守っているだけを続けるのはなかなか難しいなと。つい我々程度の人間ですと、口出ししてしまいますよね、「こうした方がいい」「それはまず」などと。ただ見守っているだけという人ですが、撮影中含めてそのようにこの作品も見守り続けたいと思っています。
──ご住職を演じられるということで、先日、お寺での生活を体験されたそうですが。
小林薫:体験と言えるほどの体験ではないですが、僕は住職の役を演じるのは初めてで、それで住職さんの暮らしってどういうものかっていうのがわからないものですから、そういう意味では非常に面白かったのと、(お寺の方々には)本当に良くして頂きました。一宿一飯の恩義という言葉がありますけども、二泊もさせて頂いて、三度の食事も頂いてそういう意味では言葉通り一宿一飯の恩義を授かったなと思います。
──なぜこの作品を映画化しようとしたのでしょうか?
加藤直輝監督:きっかけは本屋でたまたま文庫化されていた「アブラクサスの祭」を手に取ったところから始まりました。読み始めると言葉で表現されていることが、僕の頭の中でたくさんのイメージが浮かんできました。くっきりと映像で浮かびあがってきたり、いろんな物音や人の話し声などもリアルに響いてきて、玄侑さんが書かれている文章が僕にイメージを湧き起こさせたんです。そういう風な具体的なイメージを喚起させてくれる小説というのはなかなか出会うことがなかったので、こういった読んだ時の体験もありますし、それが一番最初に映画化できるのはないかと思ったきっかけだったと思います。
──アブラクサスの祭」を脚色していくにあたって一番難しかったことはなんでしょうか?
佐向大:監督の方からこの作品に対するものすごい意気込みなどいろいろお話頂いたかと思いますが、僕の場合は若干ニュアンスが違っていまして、一番始めに松田プロデューサーからお話を頂いた際に「お坊さんがロックをする話」と聞いて、てっきりコメディかと思っていたんです。それでなんか面白そうだなぁって思って。それから原作を読んでみたら笑える個所もありますが、しっかりとした真面目な話で正直、自分が脚本化する立場としては「困ったな」と思ったんです(笑)。中心に描いているのが浄念という人の心の動きがメインだったので、それを映像化するのはものすごく難しいことで、全てセリフや行動で表現していかなければならないので、いかに浄念の心の中を表現していくかっていうところが、一番難しかったところです。
──初の映画化になるそうですが、ご自身の書かれた作品が映像化されるということについては、
どう思われましたか?
玄侑宗久:よりによって「アブラクサスの祭」というのには驚いたのですが。私の作品を読んで連絡を下さる方がいらっしゃいますが、この作品を読んで感銘を受けたという方は、小説がよっぽど好きな方か、アブナイ方が多いですね(笑)加藤監督はどっちなんだろうと拝見してましたら、どうやら両方のようです。しかしながら大変に読み込んで下さって、脚本家の佐向さんと協力して、素晴らしい脚本になっていると思います。今回の作品の場合は音楽というのが非常に重要だと思います。スネオヘアーさんが出演して下さっているので、音楽という点ではもう一つ期待しています。原作というのはきっかけでありまして、加藤監督を始め、みなさんの作品になりますので、私も一観客として楽しませてもらいます。
映画『アブラクサスの祭』
かつてロック・ミュージシャンだったお坊さん・浄念(スネオヘアー)は福島の小さな町で妻の多恵(ともさかりえ)と5歳の息子と静かに生活している。お坊さんのくせに人前で話すのも苦手な変わり者だが、不器用なくらい真面目で一途。そんな浄念を、住職の玄宗(小林薫)は「念さんの中にはちゃんとしたお坊さんがいる」と、温かく見守っている。ところが、虫も殺さぬ浄念が「この町」でライヴをやると言い出した!面白がって応援してくれる人もいるけれど、罰あたりだと怒り出すお婆さんも現れて、多恵も玄宗も困惑してしまう!果たして、この静かな町でライブは実現できるのか?原作:玄侑宗久『アブラクサスの祭』(新潮文庫刊)
監督・脚本:加藤直輝/脚本:佐向大
出演:スネオヘアー、ともさかりえ、小林薫 他
◆映画『アブラクサスの祭』オフィシャルサイト
企画・制作:オフィス・シロウズ/(C)『アブラクサスの祭』製作委員会
2010年ロードショー 配給:ビターズ・エンド
玄侑宗久の地元でもあり、この作品の主な撮影場所のひとつでもある福島県三春町にて、製作発表記者会見が行なわれた。
──本作が映画初主演とのことですが、出演依頼があった時はいかがでしたか?
スネオヘアー:「嘘だ!」と思いました。マネージャーにもそう言いました。そしたら嘘じゃないっていうんで。「躁鬱のお坊さんの役だよ」っていうんで「なるほど、そういうことか」って思いました。
──これから撮影ですが、ご自身が演じられる浄念というお坊さんについてはどう思いますか?
スネオヘアー:どこかで破綻している形でありながら、とてもまっ白い紙みたいにピュアというかそのままに生きているというかそういう生き方しかできない感じがします。役どころとしましては、実は僕は痩せなくてはいけなくて。短期間で20キロ太ってしまったので、それを何とか今、戻そうとしています。浄念は常に音と共にいるんですが、僕も音楽がないと落ち着かないし、演技とか考えてもしょうがないので監督に預けるしかないのですが…小林さんに見守ってもらいながら、ともさかさんに尻に敷かれ、やっていくしかないと思っています。
──ご出演のお話があった時、脚本を読まれていかがでしたか?
ともさかりえ:ありきたりな言い方ですけど、とても面白くてキャラクターそれぞれの関係性というかアンバランスみたいな感じが面白くて、二つ返事でお受けしました。たまたま福島で撮影で、たまたま父が地元なのでこれは運命だなと。勝手に一人で奮い立っていましたが嬉しいです。
──ともさかさんはご自身もミュージシャンとして活動されていますが、ミュージシャンの旦那さんをもつ奥さん役どころはいかがでしょう?
ともさかりえ:ミュージシャンの奥さんという、このフレーズだけだととても美しい感じですけど、今回浄念さんと多恵さんの中にある愛情の形というのはとても独特だと思いますが、それがうまく伝わるようにコミュニケーションとって、いい作品につなげていけたらと思っています。
──ご出演のお話があった時、脚本を読まれていかがでしたか?
小林薫:私の役はスネオヘアーさん演じる浄念さんをずっと見守り続ける僧侶であります。文字通り見守ってるだけの僧侶でございます。ただ見守っているだけを続けるのはなかなか難しいなと。つい我々程度の人間ですと、口出ししてしまいますよね、「こうした方がいい」「それはまず」などと。ただ見守っているだけという人ですが、撮影中含めてそのようにこの作品も見守り続けたいと思っています。
──ご住職を演じられるということで、先日、お寺での生活を体験されたそうですが。
小林薫:体験と言えるほどの体験ではないですが、僕は住職の役を演じるのは初めてで、それで住職さんの暮らしってどういうものかっていうのがわからないものですから、そういう意味では非常に面白かったのと、(お寺の方々には)本当に良くして頂きました。一宿一飯の恩義という言葉がありますけども、二泊もさせて頂いて、三度の食事も頂いてそういう意味では言葉通り一宿一飯の恩義を授かったなと思います。
──なぜこの作品を映画化しようとしたのでしょうか?
加藤直輝監督:きっかけは本屋でたまたま文庫化されていた「アブラクサスの祭」を手に取ったところから始まりました。読み始めると言葉で表現されていることが、僕の頭の中でたくさんのイメージが浮かんできました。くっきりと映像で浮かびあがってきたり、いろんな物音や人の話し声などもリアルに響いてきて、玄侑さんが書かれている文章が僕にイメージを湧き起こさせたんです。そういう風な具体的なイメージを喚起させてくれる小説というのはなかなか出会うことがなかったので、こういった読んだ時の体験もありますし、それが一番最初に映画化できるのはないかと思ったきっかけだったと思います。
──アブラクサスの祭」を脚色していくにあたって一番難しかったことはなんでしょうか?
佐向大:監督の方からこの作品に対するものすごい意気込みなどいろいろお話頂いたかと思いますが、僕の場合は若干ニュアンスが違っていまして、一番始めに松田プロデューサーからお話を頂いた際に「お坊さんがロックをする話」と聞いて、てっきりコメディかと思っていたんです。それでなんか面白そうだなぁって思って。それから原作を読んでみたら笑える個所もありますが、しっかりとした真面目な話で正直、自分が脚本化する立場としては「困ったな」と思ったんです(笑)。中心に描いているのが浄念という人の心の動きがメインだったので、それを映像化するのはものすごく難しいことで、全てセリフや行動で表現していかなければならないので、いかに浄念の心の中を表現していくかっていうところが、一番難しかったところです。
──初の映画化になるそうですが、ご自身の書かれた作品が映像化されるということについては、
どう思われましたか?
玄侑宗久:よりによって「アブラクサスの祭」というのには驚いたのですが。私の作品を読んで連絡を下さる方がいらっしゃいますが、この作品を読んで感銘を受けたという方は、小説がよっぽど好きな方か、アブナイ方が多いですね(笑)加藤監督はどっちなんだろうと拝見してましたら、どうやら両方のようです。しかしながら大変に読み込んで下さって、脚本家の佐向さんと協力して、素晴らしい脚本になっていると思います。今回の作品の場合は音楽というのが非常に重要だと思います。スネオヘアーさんが出演して下さっているので、音楽という点ではもう一つ期待しています。原作というのはきっかけでありまして、加藤監督を始め、みなさんの作品になりますので、私も一観客として楽しませてもらいます。
映画『アブラクサスの祭』
かつてロック・ミュージシャンだったお坊さん・浄念(スネオヘアー)は福島の小さな町で妻の多恵(ともさかりえ)と5歳の息子と静かに生活している。お坊さんのくせに人前で話すのも苦手な変わり者だが、不器用なくらい真面目で一途。そんな浄念を、住職の玄宗(小林薫)は「念さんの中にはちゃんとしたお坊さんがいる」と、温かく見守っている。ところが、虫も殺さぬ浄念が「この町」でライヴをやると言い出した!面白がって応援してくれる人もいるけれど、罰あたりだと怒り出すお婆さんも現れて、多恵も玄宗も困惑してしまう!果たして、この静かな町でライブは実現できるのか?原作:玄侑宗久『アブラクサスの祭』(新潮文庫刊)
監督・脚本:加藤直輝/脚本:佐向大
出演:スネオヘアー、ともさかりえ、小林薫 他
◆映画『アブラクサスの祭』オフィシャルサイト
企画・制作:オフィス・シロウズ/(C)『アブラクサスの祭』製作委員会
2010年ロードショー 配給:ビターズ・エンド
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