orange pekoe、カラフルなグルーヴを持つ新境地のダンスミュージックを実現した6thアルバム『CRYSTALISMO』リリース記念特集

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orange pekoe オレンジペコー 6thアルバム『CRYSTALISMO』リリース記念特集

様々な音楽を呑み込んだミクスチャーな要素が
カラフルなグルーヴに中に息づく
新境地のダンスミュージックがここにある

常に太陽にように明るくてナチュラルなサウンドを届け、多くの人々を魅了しているorange pekoe(オレンジペコー)。結成10周年を迎えた彼らが、7月8日にリリースされたばかりの、1年7ヶ月ぶりとなる6枚目のオリジナル・アルバム『CRYSTALISMO』を携えてのワンマン公演を東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて敢行した。このライヴの模様を通じてorange pekoeの魅力を解き明かす特集をどうぞ。

LIVE REPORT
<orange pekoe Tour09 CRYSTALISMO>
2009. 07. 09 渋谷duo music exchange
熱く光輝くエネルギーを四方に放散し
ステージと客席が完全に一体になる
自然でハッピーでピースフルな空間

真夏を思わせるような蒸し暑い日に行われたライヴ。会場には、あふれんばかりの観客が、彼らの登場を今か今かと待ちわび、外の空気にも負けないほどの熱気を放出する。そんななか、ステージに登場した彼ら。最初はギターの藤本一馬を交えた、パーカッション、ドラム、ベース、シンセサイザーの華麗なセッションが鳴り響いた後、ヒッピー・テイストあふれるマキシ丈ワンピースを着て登場したVoのナガシマトモコ。満面の笑顔を浮かべ、さらに高らかにピースサインを掲げながら、最新作に収録の「Music is Freedom」を熱唱する。

その開放的なラテン・ビートに身を任せていると、外の蒸し暑さなんて一気に吹き飛んでしまった。その後「ただいまー、東京のみんな!今日はみんなをめちゃめちゃ楽しませてあげる!」(ナガシマ)と叫び、ファンキーなイントロが印象的な「踊る星」をエネルギッシュにパフォーマンス。瞬く間に観客のテンションは最高潮になっていく。

冒頭で会場がすっかり熱狂の嵐になっているなか、彼らから突然のサプライズが。「ここでみんなを驚かせようと思い、ギターを弾き始めました。2週間前から(笑)」と、ナガシマがアコースティックギターの弾き語りで「スパークル・ジャーニー」を披露したのだ。多少のぎこちなさは否めないものの、丁寧に1つ1つの音を奏でる彼女の姿に、誰もが見とれる。またさらに最新作に収録の「神秘」で彼女は、オーストラリア大陸の先住民アボリジニの木管楽器であるディジュリドゥ(ナガシマ曰く「イイダさん」)も披露。タイトルどおり自然の神秘を感じさせるナチュラルな音色で、雄大な大地に舞い降りた気分を味わえた。「最新作では、自然に対する畏敬の念を表現したかった」とMC語っていた藤本。この曲では、彼らの自然への思い・愛情が強く伝わってきたのだ。

その後、「たとえ肉体は遠くに離れていたとしても、心だけはそばにいる」という思いをギター&ヴォーカルというシンプルな構成で伝えたラヴソング「スピカ」や、命の素晴らしさ・尊さを我々に優しく語りかけるようにして伝える「KUKUI」といったバラードで会場はしっとりとしたムードに包まれた。さらにスペーシーなシンセサイザーのイントロが印象的な「ゆらぎ」では、星空旅行をしているような気分になり、スウィンギンなアレンジで披露した「やわらかな夜」で、会場はすっかりドリーミーな雰囲気になっていく。

スロー・テンポな楽曲を演奏し、幻想的で優しい雰囲気が会場を包み込んだ後、最新シングル「マリーゴールド」で、会場は再びお祭りモードに。ナガシマや観客が一体となって飛び跳ねている姿は、実に壮観なものであった。以降も彼らのライヴでは定番のアップチューン曲を次々に繰り出し、コール&レスポンスが発生。最後にハッピーなグルーヴにあふれた「クリスタリズム」を披露した頃には、彼らと観客の間にはまるでファミリーのような連帯感や、ラヴ&ピースなヴァイブレーションが生まれていた。

その熱狂を引きずるようにアンコールのかけ声も力強く、それに応えて元気よくステージに戻ってきた彼ら。MCでは、「アルバムを無事にリリースできて、こうやって東京のステージに立てたことが本当にうれしい」(藤本)「今年で結成10周年経ったけど、50年経っても、こうやってみんなと歌って踊り続けていたい!」(ナガシマ)と、観客の暖かい声援に感無量の様子で、2曲を披露した。どちらも、彼らの音楽や人々、自然への愛がたっぷり伝わってくるサウンドで、観客はさらにエキサイト。

再びアンコールの声が鳴り響き、彼らは「Honeysuckle」をパフォーマンスする。彼らが描く心弾む歌声やバンド・サウンドにつられ、会場のいたる所でとびっきりの笑顔の花が満開となっていたのだ。そして全曲を演奏し終えたラストには、「みんな最高!」とガッツポーズをして、ステージを颯爽と去っていった彼らの姿が、印象深い。

「天然で光り輝くクリスタルのように、音楽も、そして人間も自然に還っていきながら、躍動的に輝いていこう」

最新作には、そんなメッセージ・思いをこめているという彼ら。このライヴを体感した人は、たぶん誰もが毎日を輝いた気持ちで過ごしていけるエネルギーを充分吸収できたのではないのだろうか。また今回ライヴを体感できなかった人も、『CRYSTALISMO』を聴いたらハッピーでピースフルな気分になれるはず。そんなことを感じた全19曲、3時間におよぶ見ごたえのあるステージだった。

この夏はさまざまな音楽フェスやイベントに出演する彼ら、ぜひそこでも彼らのクリスタルでナチュラルなサウンドを体感してほしい。

取材・文●松永尚久
撮影●斉藤美春

『CRYSTALISMO』
Ariola Japan 発売中
[初回生産限定盤] BVCL-20001 \3,675(tax in)
高音質Blu-specCDに、最新PV「Selene」と「マリーゴールド」の2曲を収録したDVD付き
[通常盤] BVCL-20002 \3,059(tax in)

01.Theme of “CRYSTALISMO”!
02.クリスタリズム(Long Version)
03.Music is Freedom
04.Introduction~yuragi
05.ゆらぎ
06.スパークル・ジャーニー
07.Introduction~Didgeridoo
08.神秘
09.マリーゴールド
10.踊る星
11.ユートピア
12.スピカ

INFORMATION

<orange pekoe tour 2009>
7月18日(土)名古屋クラブクアトロ
7月20日(月 / 祝)大阪BIG CAT

<音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2009>
8月2日(日) 音霊 OTODAMA SEA STUDIO(神奈川県/逗子海岸)
[問]OTODAMA 046-807-2005
OTODAMA オフィシャルHP
Mobile : http://mc.pia.jp/t/otodama/

 
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