浜田省吾×田島照久、ビジュアルイベント<浜田島>開催

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浜田省吾のCDデザイン/ツアーパンフレット/写真集等、20数年にわたり携わってきた田島照久、彼のエネルギーを結集したビジュアルイベント<浜田島>が、赤レンガ倉庫で始まった。

この催しは、ガンダムや恐竜写真集でも注目を集めた田島照久(アートディレクター・グラフィックデザイナー・写真家)が、浜田省吾が放ち続けるメッセージの完全ビジュアル化に挑戦するというもの。開港150周年でにぎわう横浜赤レンガ倉庫のギャラリースペースに、100点を超える等身大ビジュアル、オリジナル映像等が持ち込まれたロックの展覧会となっている。

浜田省吾というシンガーソングライターが30年にわたって投げかけたテーマを、田島照久というひとりのグラフィックアーティストがその全てをかけて完全ビジュアル化に挑むという、クリエイティビティ溢れるロックな祭典だ。そこにはアナログ写真、デジタルアート、油彩、映像から立体造形まであらゆる視覚表現が巨大なギャラリー空間に展開されている。

そこにあるのは、CDサイズでしか見ることがなかったものが数十倍に拡大されたものから、原画や未発表のアイデアやモーショングラフィックス映像に至るまで、広大なギャラリー空間をフルに使ったロックミュージックのインスタレーションだ。アルバム『愛の世代の前に』以降、すべてのパッケージ・プロダクトの写真を撮り、デザインし続けて来た田島照久が、これまでに発表されたすべての作品を2009年のテクノロジーを駆使して高精細に再現したものだ。

加えて最先端で活動を続ける浜田省吾の現在にも迫っており、日本のロックミュージック・シーンでは類を見ない規模と内容の展覧会、浜田省吾×田島照久に渦巻くエネルギーを身体全体で感じ取ることができるアート・フェスとも言えそうだ。

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85年の初春、それは土曜日の深夜のことだった。シンとしたぼくのスタジオの電話が鳴った。こんな、夜中に誰だろうと受話器を取ると、静かな口調で電話の主は言った。
「たじまさん? 居たんだ、浜田です」
「え、どうしたの、こんな夜中に」
「いやね、会社の電話帳をめくってたら田島さんの番号があったんで、電話してみたんです。しかし、この楽しい週末に、田島さんって仕事してんだ。なんか、寂しいねえ」
「ハハハ、いや、浜田くんに、そう言われたくはないね」
「そうだ、俺も仕事してるんだった。ハハハ」
お互いの楽しい筈だった週末の状況を笑い合った。
「ところでね、今ね、良い曲が出来たんですよ」
そう言って、どんな内容なのかを、ぼくに説明してくれた。
「よさそうだね」ぼくが素直な感想を言うと
「メロディーもいいんですよ」とそこには、さりげない自信が伺えた。
ぼくには、確信があった。自分でもそうだが、良いものができるとその場で誰かと話しがしたくなるものだ。多分その時は、土曜日の深夜に仕事している仲間は、ぼくぐらいしか居なかったのだ。きっと、すばらしい曲が出来たのだろうと思った。
後日、その曲のカセットが届くと、そのラベルには、デモ版と記されて、曲名があった。「もうひとつの土曜日」と書かれていた。

田島照久 TERUHISA TAJIMA
Art Director, Photographer, Graphic Designer

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横浜港が開港して150年目にあたる今年の夏、“浜田島”というタイトルで田島さんの作品展が“横浜・赤レンガ倉庫”で開かれることになった。
「じゃあ“横浜田島”がいいじゃん」とオレ。
「それじゃヨコシマな奴になっちゃうよ」と田島さん。
田島さんとはいろんな国、いろんな場所を旅した。旅先で何日も時を共にして感じることは変らず、田島さんって、いつもゆったり飄々としている人だということ。一緒にいて全然疲れないどころか、毎日が楽しくてしょうがない。そんな雰囲気の中で創られてきた作品の数々。どんな風になるのか楽しみ!

浜田省吾 SHOGO HAMADA
Musician, Songwriter

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<浜田島>
THE HAMADA ISLAND The Exhibition of Shogo Hamada by Teruhisa Tajima
@横浜赤レンガ倉庫 1号館2Fスペース
2009年7月3日(金)~7月15日(水)
平日:13:00~20:00 土・日:11:00~20:00
\500(税込) 当日会場販売のみ
[問]ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
・JR市営地下鉄「桜木町駅」より汽車道経由で徒歩約15分
・JR市営地下鉄「関内駅」より徒歩約15分
・みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
・「みなとみらい駅」より徒歩約12分
所在地:〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港一丁目1番1号
◆浜田島オフィシャルサイト
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